【R20】螺旋の果て

あの日あの時（螺旋のはじまり）

第４章 【奇跡の時】

　昼間こそ、面倒見のいい、若くヤリ手のビジネスマン。
　実態は、欲望のまま女を犯す強姦魔。
いつの間にか、目が、目の光が狂っていた。


　車が好きだった。
　たかが国産のスポーツカーに数百万円かけて、乗り回していた。

周辺のショップの店長とは、仲が良かった。

あの日、ショップに顔を出すと・・・。

すぐにわかった。
後ろ姿なのに。
長い髪。背が低い。

・・・私のアイドル。


彼女は、新車を購入し、アルミホイールを選びに来ていた。

真っ赤なインポート車。

店長から、カタログを山のように借り、喫茶店で二時間。
あぁでもない、こぉでもない。
やっと決まった真っ白なアルミホイール。

鬼畜は、顔を出さない。
メルアドを交換し、笑顔で再会を約束する自分が、無性に可笑しかった。

出逢いから、１０年が過ぎていた。

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　映画を観て、ショッピングして、食事して、帰る。
・・・ナンジャそりゃ。
ガキのデートじゃあるまいし。

逢う女性は、強姦対象だった私は、どこへやら。

理由はわかってる。
お互い、別の日常があった。
わかっていながら、その事に触れようとしなかった。

　ドライブの帰り道。
滝のような雨に、路肩の駐車場に車を停めた。

他愛のない会話のあとの沈黙。切り出したのは、私だった。

「オレさ。今度、結婚するんだよね。」

「おめでとう。いつ？」

「お前は、どうなんだよ。うまくいってんの？」

「まぁネ。結婚するヨ。いつかネ。」


あの日あの時、降りしきる豪雨の車内で、なぜ、彼女を抱き締めなかったのだろう。

とてつもなく巨大な、運命の波動を感じた。

私は、一生涯の後悔を背負った。

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　引き金は、突然弾かれた。

いつものショッピング中。何気なく、彼女がつぶやいた。

「私たち、知り合って長いよねぇ。
あのさ、ずっと見てたの知ってた？」

タガが外れた。

彼女を睨み付け、デパートの通路で、思い切り抱き締めた。

驚いて持っていたバッグを落とす彼女。

慌てる顔を押さえ、キスをした。

抵抗は、一瞬でなくなった。


黙ったまま、車を走らせる。
うつむいたままの彼女の手を握ると、両手で握り返す。

　見つけたピンクの照明の安ホテル。
一言も交わすことなく鍵を閉めた。

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　先に部屋に入った彼女を振り向かせ、力の限り抱き締めた。

10年の時間が止まった。

そのままベッドに倒れ込む。
内臓を吸い出すほどのキス。お互いの舌が絡み、歯が当たる。

左手で彼女の両腕を頭の上で押さえ付け、右手で身体中をマサぐる。

彼女は、鬼畜の私を知らない。

「ダメだよ。あなたは、こんなことしちゃ、ダメな人だよ！」
「イヤッ、私、エッチ嫌いなんだから。感じたこと無いんだから！」

精一杯の強がりが、最後の抵抗だった。

押さえられた腕には力はなく、衣服はすぐに剥ぎ取れた。

身体中にキス。舐め、噛んだ。
内出血と噛み跡が全身を覆う。

形の良い乳房。ピンク色の綺麗な乳首を執拗に愛撫。

湿りきったショーツの上から、舌で吸い上げる。

強がりの嘘が暴露する。

ショーツの下には、蜜を溢れさせた花が咲いていた。

下半身だけ脱ぎ捨て、一気に挿入した。

「ダ、ダメェッ！今日、ダメな日。ダメだよ！ダメェェェッ！」

構うものか！

　彼女の準備は、出来ていた。

深く進むにつれ、吸い付くような感覚は増し、私の隅々まで覆い、奥へ奥へと導く。

内部では、容赦無く私を刺激する何かがうごめいている。

快楽、至福、満足、達成感・・・愛？
どんな言葉さえも当てはまらない。

私がイキそうになると体位を変え、彼女が果てる度に体位を変え・・・。

数時間後、眠っている彼女に重なり、挿入したままで、目を覚ました。

暫く、彼女を見つめていた。

色付き、咲き乱れる美しい花。

満開の桜の花に見えた。