5 / 45
四話 子供の名前は……
しおりを挟む
ドアを開けてくれた女性の名前はシスター・ハンナというそうだ。
彼女は私に見習い修道女の制服。シャンドリー卿には、下働きの男性が着るような服を渡した。
それから娘のために暖かいお湯が入ったタライを準備し、体を綺麗に洗ってくれた。とても手慣れていて、娘は気持ち良いのか、お湯の中で寝てしまった。
現在は手持ちのゆりかごに入って眠っている。
娘のお尻は赤くなっていた。
本来は清潔で肌触りの良いオムツを使用しなければならないのに、替えのオムツが無いため、私の寝間着を少しずつ裂いて代用する他なかった。
地面に倒れて土がついてしまっていても、排泄物が付着した物よりはましと思ったが、娘の赤くなったお尻にやるせない気持ちになった。
「大丈夫よ。清潔な状態を保てば、赤ん坊のお尻はすぐすべすべに戻るわ。そんなに落ち込まないで」
シスター・ハンナは何てことはないと笑っている。
「さっ、今度は貴方の傷の手当てね」
シスター・ハンナは慣れた手つきでシャンドリー卿の傷に薬を塗り、包帯を巻いていった。
足の手当てをしている最中、彼女の手が止まり、険しい顔をした。
「は~……。よく平気な顔をしてられたわね」
「……見た目ほど痛みはないですから」
シャンドリー卿の左ふくらはぎを見ると、紫色に脹れており、明らかに右足より一回り太くなっていた。
「折れてはいません。おそらく打撲だと思います」
シスター・ハンナと、思わず顔を見合わせた。
「さすがに私では判断できないから、明日、どうにかしましょう。傷が熱を持つかもしれないし注意が必要だけどね」
左ふくらはぎに湿布と板を当て、一緒に包帯で巻いていく。
「これで良いでしょう。リリーシア様は子供たちがいる建物へ、シャンドリー様は教会の二階へ案内するわ」
「子供たち?」
「ええ。教会の隣に孤児院があるの。みんな良い子だし、お嬢ちゃんと年の近い子もいるわ。そういえば、お嬢ちゃんの名前は?」
シスター・ハンナに娘の名前を聞かれ、私は視線を合わせられなかった。
胸が……ずきずきする。
「まだ……ありません」
ああ……なんてこと……。
子供の名前はエドワードに決めて欲しくて、まだ名付けていなかったなんて。
出産前に彼と名前について話したことがある。
『名前は何が良いかしら?』
『あぁ……。産まれたときの顔を見て決めたらどうかな?』
『それは良いわね。フフッ、名前って、親が初めて子供に贈るプレゼントでしょ?私ね、エドから贈って欲しいと思っているの!』
『あぁ、わかったよ。考えておくね』
『ありがとう!あっ、蹴ったわ!この子も楽しみにしているって言ってるみたい』
彼と庭園で穏やかなティータイムを過ごしていたのに、こんなことになるなんて……夢にも思わなかったわ。
胸が……痛い……。
「そう……。何か考えていた名前はあるの?」
「……」
子供の名付けの本を読んだり、可愛い名前や、響きが素敵な名前など、あれこれ考えはした。でも、エドワードが決めてくれると深くは考えていなかった。
パッと思い付く名前なんてない……。
「……リリーシアって名前は、誰が名付けたか聞いたことはある?」
「亡くなった母が付けたと聞いています。ユリの花が好きで、私に清楚で上品な、周りにいる人を惹き付ける凛とした女性に育って欲しいと願っていたそうです」
「素敵なお母様ね」
「ありがとうございます……」
母は私が8歳の時に亡くなった。
心臓病だと聞いている。
母がベッドで穏やかに微笑んでいた姿を覚えている。ときどき絵本を読んでもらった。
もう……声は思い出せないが、大好きだった。
「あなたはお嬢ちゃんに、どんな子になって欲しい?どんな人生を送って欲しい?」
どんな子になって欲しいか……。
すぐには思い付かない。
ただ──。
「……笑っていて欲しい……。幸せであって欲しい。あ……愛する人と笑って、手を取り合って、愛し愛され……穏やかに歳を重ねて……」
言っていて……涙が溢れた。
私が思い付いた幸せは……エドワードと手を取り合って、娘と笑い合い、穏やかに……生きていたかったという幻影だった。
「リリーシア様……」
シスター・ハンナに手を握られた。
その手はとても温かかった。
「神は、私たち一人一人を愛しています。その意味がわかりますか?人は誰でも、幸せになれるのです。今は辛く、苦しく、涙を流してしまうでしょう。良いのです。たくさん泣いて、たくさん嘆いて、立ち止まって涙を流して良いのです。大事なのは、その後どう行動するか。自分と向き合い、自分の幸せを見つめ直し、自らを幸せにしていきましょう。幸せはひとつじゃない。貴女が努力し続ければ、今では思いも付かないような幸せが見つかるわ」
シスター・ハンナの声はまるで魔法のように、私の心を温かくしてくれた。
エドワードと分かち合うはずだった幸せが全てではない。違う幸せがある。それを見つけるために努力すれば、必ず幸せになれる。
今は見つけられなくても……必ず……。
「はい……。はいっ……」
私はシスター・ハンナの手を握り返した。
頑張りますと、言葉の代わりに。
◇◇◇
あの後、シスター・ハンナに抱き締められ、まるで子供のように泣いてしまった。
恥ずかしい……。
落ち着いた頃、夕飯の残り物だけど、とスープとパンをもらった。屋敷を追い出されたのはお昼前だったから、朝食後は何も食べてなかった。
空腹は感じていなかったが、食べ物を口にするとスープを掬う手を止められなかった。一気に食べてしまったわ。
子供の名前は、もう少し落ち着いてから決めることになった。
孤児院に案内されると個室に通された。
シングルベッドと簡易的な机が置いてある狭い部屋だ。伯爵家で使用していた衣装部屋より小さいだろう。
「大丈夫?」
「問題ありません」
高位の貴族令嬢は、こういう狭い部屋に嫌悪感があるのだろうが、私はそういったことを気にしないので問題ない。
「シーツは清潔な物だから安心して」
「ありがとうございます」
「普段、朝食は朝6時だけど、明日は好きな時間に起きてきて構わないわ。疲れているでしょ?今はゆっくり休むことが大切よ。母親の元気がないと赤ちゃんも元気に育たないからね」
シスター・ハンナは可愛くウインクした。
お父様よりも年上の女性なのに、無垢な少女を連想させる笑顔だ。
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
ドアが閉まると、彼女が遠ざかって行く足音に耳を澄ませている自分がいた。
シスター・ハンナが居なくなると、まるで明かりを失ったような喪失感と言えばいいのだろうか、不安が胸をざわつかせていた。
ダメね。
しっかりしなくちゃ……。
揺り篭の中で、気持ち良さそうに眠る娘を見た。自分の親指を舐めながら寝ている。
愛らしい。
ほっぺに触ると、柔らかくて、スベスベしていて、温かい。
触りすぎると起こしてしまうわね。
ごめんね。
この子には幸せになって欲しい。
笑っていて欲しい。
そのためには……強くならなきゃ。
この子には私しか居ない。
私が守らなきゃ……。
「弱いママでごめんね。強くなるわ。あなたと一緒なら、ママは……笑えるの」
微笑んだのに、私の頬は……何故か濡れていた。
彼女は私に見習い修道女の制服。シャンドリー卿には、下働きの男性が着るような服を渡した。
それから娘のために暖かいお湯が入ったタライを準備し、体を綺麗に洗ってくれた。とても手慣れていて、娘は気持ち良いのか、お湯の中で寝てしまった。
現在は手持ちのゆりかごに入って眠っている。
娘のお尻は赤くなっていた。
本来は清潔で肌触りの良いオムツを使用しなければならないのに、替えのオムツが無いため、私の寝間着を少しずつ裂いて代用する他なかった。
地面に倒れて土がついてしまっていても、排泄物が付着した物よりはましと思ったが、娘の赤くなったお尻にやるせない気持ちになった。
「大丈夫よ。清潔な状態を保てば、赤ん坊のお尻はすぐすべすべに戻るわ。そんなに落ち込まないで」
シスター・ハンナは何てことはないと笑っている。
「さっ、今度は貴方の傷の手当てね」
シスター・ハンナは慣れた手つきでシャンドリー卿の傷に薬を塗り、包帯を巻いていった。
足の手当てをしている最中、彼女の手が止まり、険しい顔をした。
「は~……。よく平気な顔をしてられたわね」
「……見た目ほど痛みはないですから」
シャンドリー卿の左ふくらはぎを見ると、紫色に脹れており、明らかに右足より一回り太くなっていた。
「折れてはいません。おそらく打撲だと思います」
シスター・ハンナと、思わず顔を見合わせた。
「さすがに私では判断できないから、明日、どうにかしましょう。傷が熱を持つかもしれないし注意が必要だけどね」
左ふくらはぎに湿布と板を当て、一緒に包帯で巻いていく。
「これで良いでしょう。リリーシア様は子供たちがいる建物へ、シャンドリー様は教会の二階へ案内するわ」
「子供たち?」
「ええ。教会の隣に孤児院があるの。みんな良い子だし、お嬢ちゃんと年の近い子もいるわ。そういえば、お嬢ちゃんの名前は?」
シスター・ハンナに娘の名前を聞かれ、私は視線を合わせられなかった。
胸が……ずきずきする。
「まだ……ありません」
ああ……なんてこと……。
子供の名前はエドワードに決めて欲しくて、まだ名付けていなかったなんて。
出産前に彼と名前について話したことがある。
『名前は何が良いかしら?』
『あぁ……。産まれたときの顔を見て決めたらどうかな?』
『それは良いわね。フフッ、名前って、親が初めて子供に贈るプレゼントでしょ?私ね、エドから贈って欲しいと思っているの!』
『あぁ、わかったよ。考えておくね』
『ありがとう!あっ、蹴ったわ!この子も楽しみにしているって言ってるみたい』
彼と庭園で穏やかなティータイムを過ごしていたのに、こんなことになるなんて……夢にも思わなかったわ。
胸が……痛い……。
「そう……。何か考えていた名前はあるの?」
「……」
子供の名付けの本を読んだり、可愛い名前や、響きが素敵な名前など、あれこれ考えはした。でも、エドワードが決めてくれると深くは考えていなかった。
パッと思い付く名前なんてない……。
「……リリーシアって名前は、誰が名付けたか聞いたことはある?」
「亡くなった母が付けたと聞いています。ユリの花が好きで、私に清楚で上品な、周りにいる人を惹き付ける凛とした女性に育って欲しいと願っていたそうです」
「素敵なお母様ね」
「ありがとうございます……」
母は私が8歳の時に亡くなった。
心臓病だと聞いている。
母がベッドで穏やかに微笑んでいた姿を覚えている。ときどき絵本を読んでもらった。
もう……声は思い出せないが、大好きだった。
「あなたはお嬢ちゃんに、どんな子になって欲しい?どんな人生を送って欲しい?」
どんな子になって欲しいか……。
すぐには思い付かない。
ただ──。
「……笑っていて欲しい……。幸せであって欲しい。あ……愛する人と笑って、手を取り合って、愛し愛され……穏やかに歳を重ねて……」
言っていて……涙が溢れた。
私が思い付いた幸せは……エドワードと手を取り合って、娘と笑い合い、穏やかに……生きていたかったという幻影だった。
「リリーシア様……」
シスター・ハンナに手を握られた。
その手はとても温かかった。
「神は、私たち一人一人を愛しています。その意味がわかりますか?人は誰でも、幸せになれるのです。今は辛く、苦しく、涙を流してしまうでしょう。良いのです。たくさん泣いて、たくさん嘆いて、立ち止まって涙を流して良いのです。大事なのは、その後どう行動するか。自分と向き合い、自分の幸せを見つめ直し、自らを幸せにしていきましょう。幸せはひとつじゃない。貴女が努力し続ければ、今では思いも付かないような幸せが見つかるわ」
シスター・ハンナの声はまるで魔法のように、私の心を温かくしてくれた。
エドワードと分かち合うはずだった幸せが全てではない。違う幸せがある。それを見つけるために努力すれば、必ず幸せになれる。
今は見つけられなくても……必ず……。
「はい……。はいっ……」
私はシスター・ハンナの手を握り返した。
頑張りますと、言葉の代わりに。
◇◇◇
あの後、シスター・ハンナに抱き締められ、まるで子供のように泣いてしまった。
恥ずかしい……。
落ち着いた頃、夕飯の残り物だけど、とスープとパンをもらった。屋敷を追い出されたのはお昼前だったから、朝食後は何も食べてなかった。
空腹は感じていなかったが、食べ物を口にするとスープを掬う手を止められなかった。一気に食べてしまったわ。
子供の名前は、もう少し落ち着いてから決めることになった。
孤児院に案内されると個室に通された。
シングルベッドと簡易的な机が置いてある狭い部屋だ。伯爵家で使用していた衣装部屋より小さいだろう。
「大丈夫?」
「問題ありません」
高位の貴族令嬢は、こういう狭い部屋に嫌悪感があるのだろうが、私はそういったことを気にしないので問題ない。
「シーツは清潔な物だから安心して」
「ありがとうございます」
「普段、朝食は朝6時だけど、明日は好きな時間に起きてきて構わないわ。疲れているでしょ?今はゆっくり休むことが大切よ。母親の元気がないと赤ちゃんも元気に育たないからね」
シスター・ハンナは可愛くウインクした。
お父様よりも年上の女性なのに、無垢な少女を連想させる笑顔だ。
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
ドアが閉まると、彼女が遠ざかって行く足音に耳を澄ませている自分がいた。
シスター・ハンナが居なくなると、まるで明かりを失ったような喪失感と言えばいいのだろうか、不安が胸をざわつかせていた。
ダメね。
しっかりしなくちゃ……。
揺り篭の中で、気持ち良さそうに眠る娘を見た。自分の親指を舐めながら寝ている。
愛らしい。
ほっぺに触ると、柔らかくて、スベスベしていて、温かい。
触りすぎると起こしてしまうわね。
ごめんね。
この子には幸せになって欲しい。
笑っていて欲しい。
そのためには……強くならなきゃ。
この子には私しか居ない。
私が守らなきゃ……。
「弱いママでごめんね。強くなるわ。あなたと一緒なら、ママは……笑えるの」
微笑んだのに、私の頬は……何故か濡れていた。
2,001
あなたにおすすめの小説
隣にある古い空き家に引っ越してきた人達は、10年前に縁を切った家族でした
柚木ゆず
恋愛
10年前――まだわたしが男爵令嬢リーリスだった頃のこと。お父様、お母様、妹は自分達が散財した穴埋めのため、当時住み込みで働いていた旧友の忘れ形見・オルズくんを悪趣味な貴族に高値で売ろうとしていました。
偶然それを知ったわたしはオルズくんを連れてお屋敷を去り、ジュリエットとガスパールと名を変え新たな人生を歩み始めたのでした。
そんなわたし達はその後ガスパールくんの努力のおかげで充実した日々を過ごしており、今日は新生活が10年目を迎えたお祝いをしていたのですが――その最中にお隣に引っ越してこられた人達が挨拶に来てくださり、そこで信じられない再会を果たすこととなるのでした。
「まだ気付かないのか!? 我々はお前の父であり母であり妹だ!!」
初対面だと思っていた方々は、かつてわたしの家族だった人達だったのです。
しかもそんな3人は、わたし達が気付けない程に老けてやつれてしまっていて――
皆さん、覚悟してくださいね?
柚木ゆず
恋愛
わたしをイジメて、泣く姿を愉しんでいた皆さんへ。
さきほど偶然前世の記憶が蘇り、何もできずに怯えているわたしは居なくなったんですよ。
……覚悟してね? これから『あたし』がたっぷり、お礼をさせてもらうから。
※体調不良の影響でお返事ができないため、日曜日ごろ(24日ごろ)まで感想欄を閉じております。
お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?
柚木ゆず
恋愛
「すでに気付いているんですのよ。わたくしやお父様やお母様に隠れて、交際を行っていることに」
「ダーファルズ伯爵家のエドモン様は、雄々しく素敵な御方。お顔も財力も最上級な方で、興味を持ちましたの。好きに、なってしまいましたの」
私のものを何でも欲しがる、妹のニネット。今度は物ではなく人を欲しがり始め、エドモン様をもらうと言い出しました。
確かに私は、家族に隠れて交際を行っているのですが――。その方は、私にしつこく言い寄ってきていた人。恋人はエドモン様ではなく、エズラル侯爵家のフレデリク様なのです。
どうやらニネットは大きな勘違いをしているらしく、自身を溺愛するお父様とお母様の力を借りて、そんなエドモン様にアプローチをしてゆくみたいです。
9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました
柚木ゆず
恋愛
「あら!? もしかして貴方、アリアン!?」
かつてわたしは孤児院で暮らしていて、姉妹のように育ったソリーヌという大切な人がいました。そんなソリーヌは突然孤児院を去ってしまい行方が分からなくなっていたのですが、街に買い物に出かけた際に9年ぶりの再会を果たしたのでした。
もう会えないと思っていた人に出会えて、わたしは本当に嬉しかったのですが――。現状を聞かれたため「とても幸せに暮らしています」と伝えると、ソリーヌは激しく怒りだしてしまったのでした。
格上の言うことには、従わなければならないのですか? でしたら、わたしの言うことに従っていただきましょう
柚木ゆず
恋愛
「アルマ・レンザ―、光栄に思え。次期侯爵様は、お前をいたく気に入っているんだ。大人しく僕のものになれ。いいな?」
最初は柔らかな物腰で交際を提案されていた、リエズン侯爵家の嫡男・バチスタ様。ですがご自身の思い通りにならないと分かるや、その態度は一変しました。
……そうなのですね。格下は格上の命令に従わないといけない、そんなルールがあると仰るのですね。
分かりました。
ではそのルールに則り、わたしの命令に従っていただきましょう。
婚約者と家族に裏切られたので小さな反撃をしたら、大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
コストール子爵令嬢マドゥレーヌ。彼女はある日、実父、継母、腹違いの妹、そして婚約者に裏切られ、コストール家を追放されることとなってしまいました。
ですがその際にマドゥレーヌが咄嗟に口にした『ある言葉』によって、マドゥレーヌが去ったあとのコストール家では大変なことが起きるのでした――。
初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました
柚木ゆず
恋愛
「俺の前で声を出すな!!」
マトート子爵令嬢シャルリーの婚約者であるレロッズ伯爵令息エタンには、隣国に嫁いでしまった初恋の人がいました。
シャルリーの声はその女性とそっくりで、聞いていると恋人になれなかったその人のことを思い出してしまう――。そんな理由でエタンは立場を利用してマトート家に圧力をかけ、自分の前はもちろんのこと不自然にならないよう人前で声を出すことさえも禁じてしまったのです。
自分の都合で好き放題するエタン、そんな彼はまだ知りません。
その傍若無人な振る舞いと自己中心的な性格が、あまりにも大きな災難をもたらしてしまうことを。
※11月18日、本編完結。時期は未定ではありますが、シャルリーのその後などの番外編の投稿を予定しております。
※体調の影響により一時的に、最新作以外の感想欄を閉じさせていただいております。
婚約者と妹が運命的な恋をしたそうなので、お望み通り2人で過ごせるように別れることにしました
柚木ゆず
恋愛
※4月3日、本編完結いたしました。4月5日(恐らく夕方ごろ)より、番外編の投稿を始めさせていただきます。
「ヴィクトリア。君との婚約を白紙にしたい」
「おねぇちゃん。実はオスカーさんの運命の人だった、妹のメリッサです……っ」
私の婚約者オスカーは真に愛すべき人を見つけたそうなので、妹のメリッサと結婚できるように婚約を解消してあげることにしました。
そうして2人は呆れる私の前でイチャイチャしたあと、同棲を宣言。幸せな毎日になると喜びながら、仲良く去っていきました。
でも――。そんな毎日になるとは、思わない。
2人はとある理由で、いずれ婚約を解消することになる。
私は破局を確信しながら、元婚約者と妹が乗る馬車を眺めたのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる