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王子様と皇太子殿下 7
クロエもたまには1人で悩む
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眷属…か。
眷属になる…か。
どう考えたら良いんだろう?
ソラ君に聞いたらきっと、すぐなるべきだって言うんだろうな。
正直に言うと、自分も、何をそんなに悩んでるのか…分からないんだ。
先生は「孤独が1番辛い」って言ってた。
それなら、ソラ君もエースさんもいるし、先生だって、ユーゴさんだって、ロウさんだっているし。
先生が次に辛いのは「記憶が貯まりすぎる」事だって言ってたけど、書き物が苦手な訳ではないし、眷属になれば右手も戻るから絵も多少は描けるはずだ。
いよいよ何に悩んでるんだろう。
単純にきっかけなのかもしれない。
今は多少は剣を振っても大丈夫だし、身体能力が上がるんなら寧ろ強くなれるだろう。
身体が細いのを悩んでたけど、ここのところ少しずつ筋肉もついてきたし、あと2~3ヶ月もあれば自分の理想に近くなると思う。
でも…何なんだろう?
自分の中で引っ掛かっていること。
人間としてやり残したこと…
人間でないとできないこと。
眷属になりたくない理由。
なったらできない事に未練がある?
眷属になると人間には戻れない。
眷属にできなくて人間にできることは…
歳をとること?
歳をとること…
成長すること。
老いること。
自分は老いたい…のか?
成長したかったのなら、もう、叶ってる。
老いることを渇望していたわけじゃ、ない…
帝国であのまま生きているなら、老いることは性的な興味を持たれなくなる事だと思っていたから、大事なことだったけど…
この国に来てからは、そういう目で見る者から守ってくれる人が沢山いて、そのうちの何人かは不老不死なんだから…
老いることは大事なこと…では、なくなった。
老化という現象にも、
老いの苦しみを知る事にも、
……興味は、ない。
死ぬこと?
死ぬこと…
この世から消えること。
死ぬことで何ができる?
……苦しみから逃れられる。
……1年前に拒んだ理由。
……今は?
……今は……幸せ。
この幸せは続く?
続かない?
違う。
幸せが続く、続かないじゃ、ない。
苦しみが続くことが、あるかないか。
ああいう苦しみが続くことは…きっともう、ない。
生きていれば、良い事も悪い事もある……
今は純粋にそう思える。
幸せも、苦しみも、まぜこぜなら…
問題ないんじゃ、ないか?
でも、何かあった。
死なないとできないこと…。
……
……、……。
そうか。
天国にいる母様に、会えない…
母様のところへ行くには、死ぬ以外にない。
眷属になると、永遠に母様に会えなくなる。
あのとき、「お城のパンを食べたい」なんて我儘を言って、ごめんなさいって、謝りたい。
生まれてきてごめんなさい、でも生んでくれてありがとうって、言いたい。
死ぬ以外の方法が無いから…
いや、死ぬ以外の方法があれば?
天国に少しだけ行って、帰る?
長く寝ていたときだって、
母様は夢に出てきてはくれなかった。
死にかけた、と思ったのに、母様のいる天国には行けなくて…
死んだら地獄行き、だからかな…。
たくさん殺した。
たくさん殺させた。
だから、地獄へ行くことが決まってたんだ。
どうやって母様に会いにいこう。
天国に行く方法は…
誰かの為に、死ぬ事?
誰かのせいで、死ぬ事?
自己犠牲、または…犠牲?
そうだ、母様と同じ方法で…死ねば?
嗜虐性のある相手から…
性的暴行をされている最中の…
事故死。
事故死、か。
眷属になる…か。
どう考えたら良いんだろう?
ソラ君に聞いたらきっと、すぐなるべきだって言うんだろうな。
正直に言うと、自分も、何をそんなに悩んでるのか…分からないんだ。
先生は「孤独が1番辛い」って言ってた。
それなら、ソラ君もエースさんもいるし、先生だって、ユーゴさんだって、ロウさんだっているし。
先生が次に辛いのは「記憶が貯まりすぎる」事だって言ってたけど、書き物が苦手な訳ではないし、眷属になれば右手も戻るから絵も多少は描けるはずだ。
いよいよ何に悩んでるんだろう。
単純にきっかけなのかもしれない。
今は多少は剣を振っても大丈夫だし、身体能力が上がるんなら寧ろ強くなれるだろう。
身体が細いのを悩んでたけど、ここのところ少しずつ筋肉もついてきたし、あと2~3ヶ月もあれば自分の理想に近くなると思う。
でも…何なんだろう?
自分の中で引っ掛かっていること。
人間としてやり残したこと…
人間でないとできないこと。
眷属になりたくない理由。
なったらできない事に未練がある?
眷属になると人間には戻れない。
眷属にできなくて人間にできることは…
歳をとること?
歳をとること…
成長すること。
老いること。
自分は老いたい…のか?
成長したかったのなら、もう、叶ってる。
老いることを渇望していたわけじゃ、ない…
帝国であのまま生きているなら、老いることは性的な興味を持たれなくなる事だと思っていたから、大事なことだったけど…
この国に来てからは、そういう目で見る者から守ってくれる人が沢山いて、そのうちの何人かは不老不死なんだから…
老いることは大事なこと…では、なくなった。
老化という現象にも、
老いの苦しみを知る事にも、
……興味は、ない。
死ぬこと?
死ぬこと…
この世から消えること。
死ぬことで何ができる?
……苦しみから逃れられる。
……1年前に拒んだ理由。
……今は?
……今は……幸せ。
この幸せは続く?
続かない?
違う。
幸せが続く、続かないじゃ、ない。
苦しみが続くことが、あるかないか。
ああいう苦しみが続くことは…きっともう、ない。
生きていれば、良い事も悪い事もある……
今は純粋にそう思える。
幸せも、苦しみも、まぜこぜなら…
問題ないんじゃ、ないか?
でも、何かあった。
死なないとできないこと…。
……
……、……。
そうか。
天国にいる母様に、会えない…
母様のところへ行くには、死ぬ以外にない。
眷属になると、永遠に母様に会えなくなる。
あのとき、「お城のパンを食べたい」なんて我儘を言って、ごめんなさいって、謝りたい。
生まれてきてごめんなさい、でも生んでくれてありがとうって、言いたい。
死ぬ以外の方法が無いから…
いや、死ぬ以外の方法があれば?
天国に少しだけ行って、帰る?
長く寝ていたときだって、
母様は夢に出てきてはくれなかった。
死にかけた、と思ったのに、母様のいる天国には行けなくて…
死んだら地獄行き、だからかな…。
たくさん殺した。
たくさん殺させた。
だから、地獄へ行くことが決まってたんだ。
どうやって母様に会いにいこう。
天国に行く方法は…
誰かの為に、死ぬ事?
誰かのせいで、死ぬ事?
自己犠牲、または…犠牲?
そうだ、母様と同じ方法で…死ねば?
嗜虐性のある相手から…
性的暴行をされている最中の…
事故死。
事故死、か。
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