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おまけのエピソード
☆先生の「忘れた」過去
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ユーゴと2回目のセックスをした後、先生は考えた。
「キスした後のユーゴ…変だったな」
軽くキスしただけだった。
なのにあんなに性的な興奮を覚えるなんて…
「…思い返してみたら、今までもそうだなぁ」
ちょっとキスしただけで、相手がすっかりその気になって…流されるようにセックスするのは、変だよなぁ。
酒場で、ちょっと好みの男に声をかけて…キスして、盛り上がって、挿れたり挿れられたりするのは、まだいいとして。
おふざけでキスしてきた女が、すっかりその気になってしまったり…
「あれはまずかったなあ…挿れてないから出来てないとは思うんだけど…」
王都の別宅へ「息子に手を出すな」と怒鳴り込んできたユーゴの父親に、押し倒されて無理矢理キスされて…そのまま抱かれたり。
「親子丼か…。まずいよなぁ」
ユーゴの父親は、その後何度も訪ねてきて、その度に体を重ねているのだが…。
「息子の代わりをしてやるからあの子に手を出すな」なんて理由だとしても…さすがに息子にバレたらまずいだろう。
ついでに言うと、息子より断然上手い。
比べちゃいけないことを比べてみてから、先生は自分の指を舐めてみる。
「…何も起きないけどなぁ」
でも、何かありそうなんだよな…
自分のキスに何か秘密が…
「動物実験?」
さすがに獣姦はしたことないな…
と独り言を言う。
どっちにしろ、自分の屋敷に戻って調べてみたほうが良さそうだと心にメモる。
ユーゴが知ったら確実に発狂するだろう遍歴。
知らぬが花…まあ、自分の父親との事以外は、もう薄々気がついているだろう。
「それでも好きだとしたら…強いよなぁ」
だからこそ、自分とは遊びのほうがいいだろう。
真っ直ぐでまっさらな可愛い男の子を、悪い道に引きずり込んでいるようで罪悪感が強すぎる。
「とにかく、確かめてみないとな…」
ユーゴが自分を好きだから抱きたいのか、自分のキスに浮かされてああいうことをするのか…
後者なら、いい。
そう思うと、胸がちくりと痛む。
「愛してる」
なんて…ユーゴに言われるまでは、ベッドの中での戯言以外で聞いたことがない自分が悲しくなる。
「どうやって確かめるかなぁ…」
ああ、そうか。
自分に性的な魅力を感じていない者に、
一服盛れば…わかるのでは?
「っていうか、もう…盛ってるのか…?」
そう、ユーゴの父親。
彼は最初、自分を殺すつもりでここに来た…はずだ。
でも、殺せないから…息子の代わりを買って出た。
その…はずだ。
「早いとこ気づくべきだったな…」
天を仰いで、自分の迂闊さを呪う。
気が付かなかったなんて…
いや、違う。
遊びのセックスしかしたことがないから、
気にしなかっただけだ。
「…今更、分かったところで…」
その時、扉をノックする音が聞こえた。
この音は…。
扉を開けると、訪問者はズカズカと中に入る。
「こんばんは、先生」
「…こんばんは」
「今日、また、息子が世話になったようだな」
「……」
「私では…足りないか?」
「足りるとか足りないとかそういうことじゃ、」
乱暴に唇を奪われる。
息が継げないくらい、激しいキス。
息子よりずっと上手な、大人のキス。
服を脱ぎ捨てながら、舌を絡め、追い詰めてくる。
そのまま壁に、押し付けられる。
彼の左手で、両手を頭の上で戒められる。
「あんたが足りるまで…抱いてやる。
私以外ではもう、物足りなくなるまで」
「ん…んっ」
巧妙なキスは、先生を乱すには充分なほど長い。
「んっ…、ふ……」
「今度はどんな風に…あいつに抱かれた?」
先生は顔を背ける。
顎を掴まれて目を合わせさせられる。
「……正直に、言ったほうがいい」
先生は固く口を閉ざし、俯く。
「まあいい…夜は、長いからな…」
じっくりその体に聞いてやる、と言いながら、彼は先生の耳から首筋に舌を這わせ、シャツの上から乳首に触れる。
壁に押し付けられたまま抱かれるのだ…と悟る。
慣れた手つきで愛撫され、声が漏れる。
「んっ…」
「私に溺れろ、シュン」
ああそうだ、もしかしたらあなたは僕の媚薬に溺れているのかも…と先生は思うが口には出さない。
彼は「息子の為に」していると…そう言っている以上は、それが彼の真実だろう。
その言葉の裏にあるのが、息子への愛なのか、自分への執着なのか…
分からないまま、今日も彼を受け入れる。
何十億年生きてても…
先生は「恋人」を作れない。
今日もただ、流れに任せて快楽を貪るだけ。
「キスした後のユーゴ…変だったな」
軽くキスしただけだった。
なのにあんなに性的な興奮を覚えるなんて…
「…思い返してみたら、今までもそうだなぁ」
ちょっとキスしただけで、相手がすっかりその気になって…流されるようにセックスするのは、変だよなぁ。
酒場で、ちょっと好みの男に声をかけて…キスして、盛り上がって、挿れたり挿れられたりするのは、まだいいとして。
おふざけでキスしてきた女が、すっかりその気になってしまったり…
「あれはまずかったなあ…挿れてないから出来てないとは思うんだけど…」
王都の別宅へ「息子に手を出すな」と怒鳴り込んできたユーゴの父親に、押し倒されて無理矢理キスされて…そのまま抱かれたり。
「親子丼か…。まずいよなぁ」
ユーゴの父親は、その後何度も訪ねてきて、その度に体を重ねているのだが…。
「息子の代わりをしてやるからあの子に手を出すな」なんて理由だとしても…さすがに息子にバレたらまずいだろう。
ついでに言うと、息子より断然上手い。
比べちゃいけないことを比べてみてから、先生は自分の指を舐めてみる。
「…何も起きないけどなぁ」
でも、何かありそうなんだよな…
自分のキスに何か秘密が…
「動物実験?」
さすがに獣姦はしたことないな…
と独り言を言う。
どっちにしろ、自分の屋敷に戻って調べてみたほうが良さそうだと心にメモる。
ユーゴが知ったら確実に発狂するだろう遍歴。
知らぬが花…まあ、自分の父親との事以外は、もう薄々気がついているだろう。
「それでも好きだとしたら…強いよなぁ」
だからこそ、自分とは遊びのほうがいいだろう。
真っ直ぐでまっさらな可愛い男の子を、悪い道に引きずり込んでいるようで罪悪感が強すぎる。
「とにかく、確かめてみないとな…」
ユーゴが自分を好きだから抱きたいのか、自分のキスに浮かされてああいうことをするのか…
後者なら、いい。
そう思うと、胸がちくりと痛む。
「愛してる」
なんて…ユーゴに言われるまでは、ベッドの中での戯言以外で聞いたことがない自分が悲しくなる。
「どうやって確かめるかなぁ…」
ああ、そうか。
自分に性的な魅力を感じていない者に、
一服盛れば…わかるのでは?
「っていうか、もう…盛ってるのか…?」
そう、ユーゴの父親。
彼は最初、自分を殺すつもりでここに来た…はずだ。
でも、殺せないから…息子の代わりを買って出た。
その…はずだ。
「早いとこ気づくべきだったな…」
天を仰いで、自分の迂闊さを呪う。
気が付かなかったなんて…
いや、違う。
遊びのセックスしかしたことがないから、
気にしなかっただけだ。
「…今更、分かったところで…」
その時、扉をノックする音が聞こえた。
この音は…。
扉を開けると、訪問者はズカズカと中に入る。
「こんばんは、先生」
「…こんばんは」
「今日、また、息子が世話になったようだな」
「……」
「私では…足りないか?」
「足りるとか足りないとかそういうことじゃ、」
乱暴に唇を奪われる。
息が継げないくらい、激しいキス。
息子よりずっと上手な、大人のキス。
服を脱ぎ捨てながら、舌を絡め、追い詰めてくる。
そのまま壁に、押し付けられる。
彼の左手で、両手を頭の上で戒められる。
「あんたが足りるまで…抱いてやる。
私以外ではもう、物足りなくなるまで」
「ん…んっ」
巧妙なキスは、先生を乱すには充分なほど長い。
「んっ…、ふ……」
「今度はどんな風に…あいつに抱かれた?」
先生は顔を背ける。
顎を掴まれて目を合わせさせられる。
「……正直に、言ったほうがいい」
先生は固く口を閉ざし、俯く。
「まあいい…夜は、長いからな…」
じっくりその体に聞いてやる、と言いながら、彼は先生の耳から首筋に舌を這わせ、シャツの上から乳首に触れる。
壁に押し付けられたまま抱かれるのだ…と悟る。
慣れた手つきで愛撫され、声が漏れる。
「んっ…」
「私に溺れろ、シュン」
ああそうだ、もしかしたらあなたは僕の媚薬に溺れているのかも…と先生は思うが口には出さない。
彼は「息子の為に」していると…そう言っている以上は、それが彼の真実だろう。
その言葉の裏にあるのが、息子への愛なのか、自分への執着なのか…
分からないまま、今日も彼を受け入れる。
何十億年生きてても…
先生は「恋人」を作れない。
今日もただ、流れに任せて快楽を貪るだけ。
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