乙女ゲームに転生したと思ったら、前世の幼馴染が攻略対象で俺はサポートキャラだった。~そうだ。推しの幸せのために、こいつを利用しよう~

焼けるような腹部の痛み、自分の名前を必死で叫ぶ声───。
それが、深山律(みやま りつ)の最期の記憶だった。


「おいっ、リツ!起きろ!」

自分の名前を呼ぶ声で目を開けると、どこか見覚えのある少年が見下ろしていた。
あたりを見回しても、そこは見知らぬ洋風の部屋。混乱のなか告げられたのは、自分が3日間も意識不明の状態だったという事実だった。周囲の人たちの言葉から状況を飲み込みつつ、鏡の前に立ったリツは息を呑む。そこに映ったのは、自分とは程遠い見知らぬ少年の姿だった。

「でもこの顔、どこかで見たことあるような⋯?」

既視感のある顔を見ていると、自分を「リツ」と呼んだあの少年から、思いもよらない言葉が告げられる。
それは生前プレイしていた、恋愛ゲーム<DAHLIA BLANC(ダリア・ブラン)>の攻略対象とサポートキャラの名前だった。

は?嘘だろ?俺がサポートキャラ?

ゲーム世界に転生し、サポートキャラの『リッカルド』となったことを自覚したリツは、前世の記憶を辿るなかで転生したオタクなら誰もが抱くであろう願望を抱く。

それは、“推しを近くで愛で、破滅から守り、そして幸せにする”こと。

どう転んでも悲惨な結末を迎える推しのために、リッカルドはある計画を立てる。
サポートキャラに転生したのなら、シナリオを操ることなんて造作もない。前世の知識で不要なフラグをへし折り、主人公を特定の攻略対象とくっつけてしまえばいい。だから───。

「───お前には、俺の推しのために犠牲になってもらう」

『推し救済』のために奔走するリッカルド。しかし、攻略対象の突然の告白を皮切りに、事態は予想外の方向へ⋯⋯⋯。


⋯⋯ん?これ、乙ゲー⋯だよな?


※毎週火・木・日の21時に更新予定です。

※センシティブな内容が含まれる回は「*」が付いてます。
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