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姉アンジェラの仕返し
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「あははっ、でも本当にこんなに上手くいくなんて......やっぱり私って天才なのかも!」
アンジェラはお腹に手を当て、ニヤッと笑う。
「かもではなく、天才なのでしょうアンジェラ様は」
「ふふっ、キリは私を喜ばせるツボがわかってるんだからぁー。ねえ、これからもずっと側にいてくれるわよね?」
「もちろんです」
生真面目に頷く侍女に満足したアンジェラは、ここで媚びるような笑みを浮かべる。
「ねえキリ、この子が生まれたら、乳母になってくれる?」
尋ねる形を取っているが否とは言いがたい雰囲気に、キリは歯切れ悪く答える。
「そうしたいのは山々ですが......あいにくわたくしは母乳がでませんので......」
「あー、あー、良いの良いの!そこは気にしないでっ。何とでもするから。第一、母乳なんて一時のことじゃない。それよりキリに、この子の教育を任せたいの。だって、ねえ?」
アンジェラはキリに向け含み笑いをする。
妹リリーナへの仕返しは、ただ嫌いな婚約者を押し付けるだけじゃない。これまで奪われたものを奪い返すまで終わらない。
「産まれてくるこの子は、男の子でも女の子でもネリム家の次期当主になるんですから。だから一番信頼できるキリに、この子の教育を任せたいの」
リブロスの子を身籠ったアンジェラは、一先ず他家へ嫁ぐことになる。
しかしこれまで女当主になるべく、血の滲むような努力を重ねてきた時間は、ちゃんと返してもらう。
そのために産まれてくる子供をネリム家の当主にするという約束は既に父親に取り付けてある。
その約束を貰うためにアンジェラは、ついさっき自殺未遂までやってのけたのだ。
あと少しの嘘も伝えた。「婚約者を寝取るような妹に、ネリム家は任せられない」と。
父親は長女の狂言自殺をまんまと信じ、嘘を鵜呑みにした。そしてその場に居ないリリーナに向けて、侮蔑の言葉を吐いた。
だからリリーナはセルードと否が応でも結婚する流れとなるだろう。家を追い出されるという形で。
アンジェラは心に決めている。
リリーナとセルードが今後どんな未来を歩もうとも、絶対にネリム家の財産を渡す気はないと。
出来損ないの男と、人の物ばかり欲しがる強欲な女は、それ相応の末路を歩むべきなのだ。
「ああっ、もう国中の人間に向けて言ってやりたいわ!......私ね、何でも欲しがる妹に嫌いな婚約者を押し付けてやりましたわ。ざまぁみなさい!!って。あははっ」
アンジェラはケタケタと壊れたように笑う。これまでの鬱憤を晴らすかのように。
対してキリは凶気を帯びた主の言動に若干背中に冷たいものを感じてはいるが、愛想良く頷きお茶を淹れ始める。
つわりに効く、異国から取り寄せた高価なお茶を。
***
そのころ扉一枚を挟んだ廊下側では......二人の男女がこの一連の会話を耳にしてしまい立ちすくんでいた。
アンジェラはお腹に手を当て、ニヤッと笑う。
「かもではなく、天才なのでしょうアンジェラ様は」
「ふふっ、キリは私を喜ばせるツボがわかってるんだからぁー。ねえ、これからもずっと側にいてくれるわよね?」
「もちろんです」
生真面目に頷く侍女に満足したアンジェラは、ここで媚びるような笑みを浮かべる。
「ねえキリ、この子が生まれたら、乳母になってくれる?」
尋ねる形を取っているが否とは言いがたい雰囲気に、キリは歯切れ悪く答える。
「そうしたいのは山々ですが......あいにくわたくしは母乳がでませんので......」
「あー、あー、良いの良いの!そこは気にしないでっ。何とでもするから。第一、母乳なんて一時のことじゃない。それよりキリに、この子の教育を任せたいの。だって、ねえ?」
アンジェラはキリに向け含み笑いをする。
妹リリーナへの仕返しは、ただ嫌いな婚約者を押し付けるだけじゃない。これまで奪われたものを奪い返すまで終わらない。
「産まれてくるこの子は、男の子でも女の子でもネリム家の次期当主になるんですから。だから一番信頼できるキリに、この子の教育を任せたいの」
リブロスの子を身籠ったアンジェラは、一先ず他家へ嫁ぐことになる。
しかしこれまで女当主になるべく、血の滲むような努力を重ねてきた時間は、ちゃんと返してもらう。
そのために産まれてくる子供をネリム家の当主にするという約束は既に父親に取り付けてある。
その約束を貰うためにアンジェラは、ついさっき自殺未遂までやってのけたのだ。
あと少しの嘘も伝えた。「婚約者を寝取るような妹に、ネリム家は任せられない」と。
父親は長女の狂言自殺をまんまと信じ、嘘を鵜呑みにした。そしてその場に居ないリリーナに向けて、侮蔑の言葉を吐いた。
だからリリーナはセルードと否が応でも結婚する流れとなるだろう。家を追い出されるという形で。
アンジェラは心に決めている。
リリーナとセルードが今後どんな未来を歩もうとも、絶対にネリム家の財産を渡す気はないと。
出来損ないの男と、人の物ばかり欲しがる強欲な女は、それ相応の末路を歩むべきなのだ。
「ああっ、もう国中の人間に向けて言ってやりたいわ!......私ね、何でも欲しがる妹に嫌いな婚約者を押し付けてやりましたわ。ざまぁみなさい!!って。あははっ」
アンジェラはケタケタと壊れたように笑う。これまでの鬱憤を晴らすかのように。
対してキリは凶気を帯びた主の言動に若干背中に冷たいものを感じてはいるが、愛想良く頷きお茶を淹れ始める。
つわりに効く、異国から取り寄せた高価なお茶を。
***
そのころ扉一枚を挟んだ廊下側では......二人の男女がこの一連の会話を耳にしてしまい立ちすくんでいた。
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