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じゅういち
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彼はラトナの手から素早く紙を奪い、その紙を見て、彼はニヤついた。
「ほほぅ、これがサローナ嬢の子供の頃の寝顔か可愛な。これ俺にくれっ!」
「嫌です! これは私の宝物ですので、ダメです」
「お前の宝物かぁ、それは奪ってはダメだな。それ全部を複製してくれって言ったら、やってくれるか?」
馬車の中。私の隣で変な交渉が続く、ユバ様は何故? 私の子供の頃の寝顔が欲しいの?
好意がある彼に欲しいと言われて、嫌な気はしないけど、白目とよだれのがあるわ。
「考えておきます、複製は高いですよ」
「そうくるか。お前の好きなチョコチップクッキーでどうだ?」
ーーチョコチップクッキー?
どうしてユバ様がラトナの好物を知っているの? やきもきする。
そんな私を横目に交渉は続いた。10枚、20枚……ラトナが頷く、チョコチップクッキー50枚でガッチリと交渉は成功した。
「かしこまりました、複製いたします」
「早めに頼む。それと、さっき仕留めたサングリアの肉を焼いて昼飯にしよう!」
お肉! 昼食だと言われて馬車の外に出ると石を使ったかまどに、枝が積まれて火が焚かれていた。
その薪の上には大きな鉄板が乗り、いい匂いを出して先程の猪の肉が焼かれていた。
ーーバーベキューだ!
お一人様キャンプが流行っていたわ。私も一時期ハマったのよね。テントと寝袋。
ランタンの灯りの下で焚き木台で薪を燃やし、スキレットでこんがりソーセージか厚いステーキ肉を焼くの、その片手には冷えたビールは格別だった。
「各自箸を持ったな。食うぞ! 早い者勝ちだ!」
男3人はおー! と声を上げて猪肉に食らいついた。
「凄い食欲だわ」
音にしたらガツガツガツ! ね。ユバ様は見た目が素敵な方なのに、食べ姿は野生的ね。
「サローナお嬢様、お肉です」
ラトナは焼き肉の山が乗ったお皿を渡してきた。
猪のお肉って癖があるんじゃなかった? 恐る恐る口にした。え? 生姜とニンニクでお肉の臭みがとれてるし、全体に焼肉のタレのようなものが、かかっていた。
「美味しい、ラトナも食べてみて」
「はい、お嬢様」
一口食べて、んんっと唸り箸が止まらないラトナ、やはり食べてる時のあなたは可愛い。
夢中で食べるラトナを見ながら、隣でちまちま食べているとユバ様が隣に座った。
「肉、口にあったみたいだな。サローナ嬢が狩ったサングリアの肉だ。遠慮せずに食べろ!」
「えぇ、いただきますわ!」
「いい返事だ。そうだ! 飲み物が必要だな、ちょっと待ってろ」
ユバ様が人差し指で何か操作を始める。
次の瞬間、ユバ様の目の前にぽんと液体の入ったガラスの器とコップが現れた。
アイテムボックスね。
「これ、国で取れたセーメの実をつけた酒だ。サローナ嬢は酒を飲めるか?」
「嗜む程度なら飲めます」
ユバ様はコップに注ぎ渡してくれた、一口飲んで驚く、このお酒は梅酒の味がした。
「美味しいですわ」
「そっか、うちの母が喜ぶよ」
そう言ってユバ様もコップに注いだ梅酒をあおった。
「ほほぅ、これがサローナ嬢の子供の頃の寝顔か可愛な。これ俺にくれっ!」
「嫌です! これは私の宝物ですので、ダメです」
「お前の宝物かぁ、それは奪ってはダメだな。それ全部を複製してくれって言ったら、やってくれるか?」
馬車の中。私の隣で変な交渉が続く、ユバ様は何故? 私の子供の頃の寝顔が欲しいの?
好意がある彼に欲しいと言われて、嫌な気はしないけど、白目とよだれのがあるわ。
「考えておきます、複製は高いですよ」
「そうくるか。お前の好きなチョコチップクッキーでどうだ?」
ーーチョコチップクッキー?
どうしてユバ様がラトナの好物を知っているの? やきもきする。
そんな私を横目に交渉は続いた。10枚、20枚……ラトナが頷く、チョコチップクッキー50枚でガッチリと交渉は成功した。
「かしこまりました、複製いたします」
「早めに頼む。それと、さっき仕留めたサングリアの肉を焼いて昼飯にしよう!」
お肉! 昼食だと言われて馬車の外に出ると石を使ったかまどに、枝が積まれて火が焚かれていた。
その薪の上には大きな鉄板が乗り、いい匂いを出して先程の猪の肉が焼かれていた。
ーーバーベキューだ!
お一人様キャンプが流行っていたわ。私も一時期ハマったのよね。テントと寝袋。
ランタンの灯りの下で焚き木台で薪を燃やし、スキレットでこんがりソーセージか厚いステーキ肉を焼くの、その片手には冷えたビールは格別だった。
「各自箸を持ったな。食うぞ! 早い者勝ちだ!」
男3人はおー! と声を上げて猪肉に食らいついた。
「凄い食欲だわ」
音にしたらガツガツガツ! ね。ユバ様は見た目が素敵な方なのに、食べ姿は野生的ね。
「サローナお嬢様、お肉です」
ラトナは焼き肉の山が乗ったお皿を渡してきた。
猪のお肉って癖があるんじゃなかった? 恐る恐る口にした。え? 生姜とニンニクでお肉の臭みがとれてるし、全体に焼肉のタレのようなものが、かかっていた。
「美味しい、ラトナも食べてみて」
「はい、お嬢様」
一口食べて、んんっと唸り箸が止まらないラトナ、やはり食べてる時のあなたは可愛い。
夢中で食べるラトナを見ながら、隣でちまちま食べているとユバ様が隣に座った。
「肉、口にあったみたいだな。サローナ嬢が狩ったサングリアの肉だ。遠慮せずに食べろ!」
「えぇ、いただきますわ!」
「いい返事だ。そうだ! 飲み物が必要だな、ちょっと待ってろ」
ユバ様が人差し指で何か操作を始める。
次の瞬間、ユバ様の目の前にぽんと液体の入ったガラスの器とコップが現れた。
アイテムボックスね。
「これ、国で取れたセーメの実をつけた酒だ。サローナ嬢は酒を飲めるか?」
「嗜む程度なら飲めます」
ユバ様はコップに注ぎ渡してくれた、一口飲んで驚く、このお酒は梅酒の味がした。
「美味しいですわ」
「そっか、うちの母が喜ぶよ」
そう言ってユバ様もコップに注いだ梅酒をあおった。
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