悪戻のロゼアラ

yumina

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月と悪戻 3

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 俺は王家の血を引くと言っても、十四歳で父に引き取られるまでは平民として市井で育った身の上だ。更に言うとロゼアラと父が番契約を結んだのは俺が王家に引き取られた後だが、その当時、俺はこの国にいなかった。隣国へ留学中だったのだ。だから俺は二人がどんな出会い方をしてどんな風に想いを通わせたのかは知らない。
 その留学先で国からの急使を受け、取るものもとりあえず早馬を駆け帰国した。
 十七歳の年だった。

 半年振りの王都はかつての活気が見る影もなくひっそりと静まり返っていた。
 頭に布を巻きつけた集団がそこかしこで周囲を監視するようにたむろする。その殺伐とした様子に嫌でも悪い予感が走る。
 急使からの報告は、父が怪しげな教団を城へ招き入れ、その信徒が城内を我が物顔で闊歩し幅をきかせだしたと言うこと。自分達では手に負えないと、俺は国へと呼び戻されたのだ。
 俺だって王太子といっても王族としては新米だ。その俺に助けを求めるのだから現場はよっぽど切迫しているのだろう。
 帰城を告げ、父への面会を申し出ると、通された玉座の間には醸し出す雰囲気が以前とは異なる高圧的な為政者然とした父が、ひどく淫らな服装の黒髪の少年を片手で抱き寄せ側に侍らせていた。
 虹色に光る虹彩。その目はこの世の絶望の淵を覗き込んだかのように昏く澱んでいた。

「久しぶり、シン…。また、会えたね」

 少年ロゼアラはただ呆然と佇むだけの俺に儚げに微笑んだのだ。

         ※ ※ ※ ※

 まだ希望を捨てきれなかった頃があった。
 父の乱心により国政が荒れ、ムルトフ・ロラと名乗る得体の知れない秘密結社が城を席巻し、各方面から国の方針転換の説明を求められる。
 俺が留学先から帰国して二月ふたつきが過ぎようとしていた頃か。
 議会に顔を見せずロゼアラと部屋へ篭りがちになった父の代わりに国政の場へ駆り出される事が日課になっていた。

「それでは殿下は大義はそちらにあるとおっしゃられるか!」
 レジオル伯の激昂は議会場を揺るがした。
「民達の窮状をその目で確かめたのか! 民あっての国。その民を苦しめるのがこの国のやり方などと、正気を疑いますぞ!」
 温厚で義に厚いと言われる人物だ。
「陛下はあの教団…いやあのロゼアラとかいうオメガに誑かされておられる。真っ当な判断ができるとは思えぬ。殿下ももう一度考え直されるがよい」
 貴族院議会の一幕だ。
 庶民と貴族の溝が深まるこの情勢だが、彼は優遇される貴族側の人間であるのに、王家への糾弾を弛めない。これぞ忠臣というものだろう。
「言葉が過ぎるぞ。父には深い考えがあっての事。そなたこそムルトフ・ロラの恩恵に与っている身。何がこの国の利となるかその耄碌した頭でよく考えるがいい」
 感情を込めない口上。俺は敢えて冷酷さを全面に押し出す。
「おのれっ、この小童が! 見損なうな、たとえ没落したとしてもこの矜持は最後まで捨てるつもりはない。お主らのいう恩恵など誰が享受するか。全て拒否しておるわ! 確かにわしは耄碌したな。シン王子、お主は聡明な人間だと信じておった」
 腰に下げている剣の柄に手をかけようとするレジオル伯。俺との間にじっとりとした緊張の時間が流れる。
「主君に刃を向けるか。血迷ったな、伯よ」
 レジオル伯のわずかに残った王家に対する忠義の逡巡。その躊躇いを見逃さず声高に側近に命じる。
「この者を捕えよ! 叛逆者だ。裁判の必要は無い。爵位を剥奪の上、財産を没収し牢屋に繋げ!」
「この国賊が! 王諸共地獄へ堕ちろ! そこで何が正しかったのか後悔をし続けるがいい!」
 腕を後ろ手に拘束されて尚、レジオル伯は警醒の声を上げ続ける。その胆力やいかに。
「まだそのような暴言を吐くか! 猿轡を噛ませろ!」
 側近がたまりかねたように部下へ指示を飛ばす。
「咎人に情けは要らぬ。ハリル渓谷へ収監せよ」
 
 議会はこの騒ぎで閉会した。
 ここにいる議員は全て爵位持ちの貴族だ。ムルトフ・ロラは彼らを選ばれた者達と言って神の慈悲を分け与える。彼らにムルトフ・ロラに反抗する理由は無いのだ。いつもは円滑に進む議会。今日は珍しい一悶着だった。

        ※ ※ ※ ※

「父はまだ部屋に篭っているのか」
 父の私室の前で立ち塞がる長身の茶髪の男へと問いかける。
「陛下へご用でしたら私が承ります。いつお伝えできるかは約束できませんが」
 いつも気難しい顔をしている二十代後半の従者アスター。ロゼアラの護衛で城内で帯剣を許されている。寵姫を片時も離そうとしない父に取り次ぐにはこの男にことづけをしなければならない。
「東エリーマ領。ここから正式に抗議の書簡が届いている。突然の接収と住民への弾圧。正当性を裁判の場で明らかにしろと」
 一旦言葉を区切り息を吐く。
「使者の方はこちらで預かる。一刻も早い回答を父…陛下へ」
 それだけ言い残し俺はその場を去った。この従者の立つ扉の向こうを苦々しく思いながら。

「上奏は上手くいきましたか?」
 執務室で待ち構えていた側近に首を振る。
「残念ながらこの件が父に届くのは明日以降だろう」
 この調子なら議会での一騒動も耳に届いていないだろう。東エリーマからの陳情といい面倒事は立て続けに起こるものだ。
「こうなっては殿下が王権を代行しては如何でしょうか? 差し出がましいですが今の陛下は物事を正しく判断する冷静さを失っています」
「………」
 側近はたまりかねたように進言するが、反応のない俺に肩を落とした。
「…この国はどうなってしまうのでしょう」
 大国ではないけれどそこに暮らす民を大切にする公平な国。いつのまにか得体の知れない教団に巣食われ、民たちに圧政を強いる生きにくい国となってしまった。
「あのロゼアラとかいうオメガを囲うようになってから全てがおかしくなった…。あの少年は何者です?」
 側近の失望まじりの質問に俺は言葉を返す事もできない。
「…アルファとオメガの引力は理屈を超えるとはよく言ったものだ」
 あれは王家傍系出身の少年。
 悲劇に見舞われ国の歴史から名前が取り除かれ滅びた家門。
 唯一の生き残りとなった息子はその悲劇の発端の事件を機に一時行方不明になった。一年経って従兄弟叔父である父に保護された時には、密教の神子となっていた。
 ムルトフ・ロラという胡乱げな宗教を城へ引き入れたのはロゼアラだ。
 ロゼアラは神の代弁者として偶像視され、崇め立てられ、父はそんなロゼアラへ傾倒した。父はロゼアラの誘導により教義に反する勢力の迫害を始めた。
 その頃には二人は番契約を交わし、ロゼアラは父の愛妾として部屋に召され離れ難い存在となっていた。
 俺が国へ戻ってきた時にはすでにムルトフ・ロラを拒絶した一地方を見せしめの為に壊滅させた後だった。

 この国は一人の少年の為に捧げられた供物となっていた。

 先代国王の治世は穏やかなものだった。百年ほど前の大陸大戦で疲弊した反動か、武力より高度な交渉術で国と渡り合う方針を打ち出した。大陸の国全てが足並みをそろえるのは不可能だから、国防に力を抜かず地道に改新を進めていた平和な時代。大きな戦争も起きず、この世代の人たちは安穏とした生活を送っていた。
 しかし父の代で暗雲立ち込めることになろうとは思わなかったろう。即位時の改革とは逆行するような選民主義に走り、特定の組織を手厚く遇し国を傾けさせている。
 それはロゼアラが推すムルトフ・ロラの理念を父が最大限に汲んだせいだ。
 レジオル伯のような憂国の志士たる気概を持つ人物がいることが救いだ。彼らのような忠臣がいる事にまだこの国が終わってないと安堵する。
 それもいつまで持つかわからない。
 俺自身がロゼアラと反目する存在と敵対する立場を取っているからだ。

 ただでさえ国の異変に国内は神経を尖らせているのに親子で対立していると周辺各国に思わせては要らぬ危険を招く。側近達のそんな嘆願から父に協力的に振る舞ってきた。その中でどうにか問題を解決できる糸口がないか模索していたのだ。十七歳の時分で背負うには重すぎる荷だったが、引き取られる前は君主として引き取られた後は人間として父のことを尊敬していたから一縷の希望を見出したかったのだ。
 ロゼアラとの事も容認していた。
 俺がロゼアラの『運命ではなかった』から。
 
「ロゼアラ」
「………」
「隣に座るぞ」
「……」
 寝椅子と大小様々なクッションを敷き詰めた異国織りの絨毯のみが置かれた元サロンだった簡素な一画。ロゼアラはそこから窓越しの風景をぼんやりと日がな一日見て過ごすことが多い。
「痩せたな。きちんと食べているのか」
 荒淫の影響か。
 父と部屋へ篭った後はやつれ細り、生気がない。搾り取られるだけ搾り取られるのだろう。父はロゼアラに一度触れるとなかなか離そうとしないのだ。いつも情事の跡を色濃く残し、疲弊しきった面持ちでぐったりとクッションの上へ身体を横たわらせている。
「俺がわかるか」
「シン……」
 か細い声でロゼアラは応えた。
 間違えられずいた事にホッとした。俺はこの金髪のせいでよく父と間違われる。今は現実に戻っている時間だ。
 それも複雑だが。
 つがいを持つオメガは番との交渉で乱れた心が整うものだ。オメガはそうやって番のアルファから活力を与えてもらい心身共に充実して健康を維持する。俗に言う、番効果というやつだ。
 けどロゼアラは心も身体も澱が溜まったように重いままなのだ。憑き物が落ちたように心が空っぽになるだけ。いつも狂気に揺らいでいるから、不足分を補えても心を癒すまでの相乗効果は期待できないようだ。それだけでもましなのだろう。父に癒されないとロゼアラは常に正体不明の恐怖と闘い心をすり減らして消耗する一方だから。
「たまには外に連れ出せ。髪の毛に艶がなくなって野良犬のようだぞ」
 ロゼアラの側に片膝をついて視線の高さを合わせる。ロゼアラはこちらを観察しているが特に反応を返さない。
「陛下のお許しが出ません」
 側付きの女官が目を伏せたまま静かに返事をした。名前はエマ。ロゼアラが彼女をそう呼んでいた。
「これが大事だというなら健康にも気を使うべきだろう。生命が損なわれては意味がないでは無いか」
「最低限の食事は摂って貰ってます。もともと食の細い方ですので十分とは言えませんが、無理強いもできず…」
 世話係を任されている立場としてはもどかしさもあるのだろう。俺の苦言にエマは微かに口を噛んだ。

 ロゼアラはベルン大公家の子息で、俺と多少の血の繋がりのある親戚だ。
 俺の父とロゼアラの父親が従兄弟。
 ただロゼアラが大公家の人間だということは伏せられている。ここでのロゼアラは、ただの神の使いロゼアラ、だ。
 俺の父と番だから。
 その年の差は二十。
 親子ほども離れているが百歩譲ってそこはどうでもいい。世間にはそれ以上に離れている夫婦はごまんといる。
 血が近いことを憚ってだろう。
 本能的に忌避される相手同士だ。けれど父はアルファでロゼアラはオメガ。第二性持ちの特別な引力は人の常識を軽く超越した。
 ロゼアラは幼少の頃からあまり屋敷の外へは出されず育った。王家主催のセレモニーにも陪席する事はなく、貴族社会で彼の顔はあまり知られてない。
 それはロゼアラにまつわるある噂のせいで大公家が彼を外に出したがらなかったからと言われている。だからロゼアラの人相風体は朧げながらに人の記憶に残す程度。
 それでも鼻の効く一部の貴族達は国王の番ロゼアラと大公家のロゼアラが同一人物だと勘付いている。
 表立ってそれを吹聴する者はいないが、裏ではどんな風にあげつらわれているか想像に難くない。
 

 父とロゼアラの生家、ベルン大公家の仲は微妙なものだった。
 大公家は先代王弟殿下のアンリ・ベルンが男爵令嬢との婚姻時に王家から賜った爵位。
 その男爵令嬢との間に産まれた子息、ラゼル・ベルン公の身辺は本人の高潔な人柄とは遠く離れた憶測と醜聞に塗れた薄汚れたものだった。
 先代国王の第一王子であったハール殿下の失脚や父の学院生時代の暗殺騒ぎの話はよく聞かされた。
 そのどれもに大公家が多少なりとも関わるからだ。父たちが消えて得をするのは直系の次に継承権を持つ大公家。王位が転がってくる。黒い噂が囁かれやすい立場だ。
 大公家当主のラゼル公自身は信頼に足る誠実な人物とも聞かされていた。アルファであるが傲慢なところのない実直で堅物な人物。彼自身の評価は決して悪くなかったのだ。そんな人物が簒奪を企てるのだろうか。
 そんな彼の唯一のというべき汚点。こちらもまた国の歴史から名前を消された公爵家の息子を伴侶に選んだことだろう。
 トワ・ベルン。旧姓ヴァレリア。ロゼアラの産みの親だ。
 激烈な性格の持ち主で周りを振り回し積み上げていた大公家の威光と面子を潰した。
 息子を産み落とすと、役目は終わったとばかりに我が子や夫を見向きもせず華やかな社交界で蝶の如く羽ばたいた。恋多きオメガ。そんな風に人々に揶揄されていた。
 彼の子供、ロゼアラは不義の子だと口さが無い噂が広がった。
 トワ・ベルンは希少種オメガだ。
 アルファと希少種オメガの組み合わせならアルファ性の子供。それが定説。二人の子供ならアルファであるはず。だが彼の産み落とした子供ロゼアラはオメガだった。
 例外だってあるのだ。それは過去に実例のある、取り立てて騒ぐほどのことではない事柄。それを知らないわけじゃ無いだろうに、けれど皆面白おかしく騒ぎ立てた。余程、伴侶の常日頃の行いが悪かったのだろう。ロゼアラはなんの罪も無いというのに産まれた時から常に人々に好奇の目で見られていたらしい。
 そんなロゼアラの足下をさらに危うくする大公家夫妻の不仲。
 彼らが国の為に結びついた二人だと言うことは有名だった。
 トワ・ベルンは学院生時代、俺の父への暗殺の嫌疑がかけられた人物だ。実家は三大公爵家の一つで国の中でその影響力は多大だ。大きな権力を持つ公爵家を抑える目的と動向を監視する為に大公家は歳が釣り合う嫡男ラゼル公を差し出し縁を結んだ。誰の目にも愚策だったが二人は婚姻を受け入れた。
 政略結婚の場合、役目を終えた二人がそれぞれ新しい人生を送るのは良くあることだが第二性持ち同士の場合は事情が異なる。特殊な繋がりを持てる彼らは以後の人生をなだらかにする為に番契約を結ぶ。けれど大公家の当主夫妻は契約を交わしていない。
 二人は子供の時からの付き合いがあったという。しかしあまり相性がいいとは言えない関係だったらしい。性格の不一致というか当時を知る人間は彼らの事を話す時は一様に苦笑いをする。それも相まって夫に見向きもされない意趣返しに他所で種を仕入れたのだと下品極まりない憶測を呼びロゼアラを貶める原因となってしまっていた。
 二人の事情は当人同士じゃないとわからない。はたから何を言っても真実はわからないけど、特殊な婚姻事由であるから第二性持ち同士でも番契約をしない結論に至ったのかもしれない。しかしそんな危うい均衡の上に成り立つ関係は些細な衝撃で亀裂が入るだろう。そして実際悲劇は起きたのだ。

 ロゼアラを産んだ大公家の伴侶とは一度だけ会ったことがある。
 綺麗な人だった。その顔に浮かべた高慢な微笑み以外は。

 その人の面影を残す忘れ形見は、定まらない目をしていた。
 何かに怯えているように黒い瞳は奈落のような深い闇を湛えていつも揺れ動いている。
 魔性の瞳だ。
 見つめていると吸い込まれて全てを呑み込まれてしまう錯覚に陥りそうだ。
 父はこの瞳に魅入られたのでは無いだろうか。
 父は大公家当主の伴侶へ特別な感情を抱いていたらしい。結局は恋に破れて身を引いたようだが、彼が産み落とした子供に彼を投影したとしたら。実らなかった恋心を彼の子供を代用することで昇華しようとしていたとしたら。ロゼアラは彼によく似ている。
「…馬鹿らしい」
 俺は独り言ちる。
 そうであってもロゼアラが父の気持ちに応えなければ成立しない関係だ。
 ロゼアラと父は従兄弟叔父・甥の関係。そこに無理強いがあれば、二人の関係は破綻しているはず。二人は誰の目から見ても求め合っている。
 ムルトフ・ロラを国に布教する為、父を利用する目的で近づいたのだというのがこの国の人々の一般的な認識。けどオメガのロゼアラがアルファの父を服従させることは不可能だ。俺が知っている父は、至極真っ当で良識ある人間でもあり、ロゼアラ如き若輩のオメガにいいようにされる様な惰弱な精神も身体もしていない屈強な男だった。
 実際にはロゼアラは父を従えてしまったけれど。

 全体的に華奢な肢体、少し力を入れればぽきりと折れそうな繊細な体付き。
 女性の柔らかさは無いけれど、男のような堅剛さも無い、中性的な身体を持つロゼアラ。筋肉とは無縁のそんな身体の何処に、屈強な男を屈服させる力があるのか。
 いつも伏せ目がちな目元と、ぽってりと赤く色づく唇。肌は抜けるように病的までに白い。
 男の本能を唆る物憂げな眼差し。その視線は今はひたむきに俺を見つめている。
 ロゼアラの顔へと手を伸ばす。
 頬へと指を滑らせてもロゼアラは嫌がらない。少し潤いの足りないカサついた頬。ああ、やはり、もっと手入れに気を配らなければ。
 ロゼアラはこちらの様子を窺っているが俺の手を避けたり不快を露わにしたりしない。むしろ気持ちよさそうに目を細めるのだ。番いを持つオメガなのに。番い以外のアルファに肌を触れさせている。
 普通はこんな反応はしないはずだ。オメガにとって番は唯一で絶対の存在。それ以外の者は排斥対象であるはずなのだから。
 それは俺が父と同じ波長のフェロモンを持っている所為なのだろうか。ロゼアラは俺に警戒をしない。嫌悪感を抱かない。
 頬へ滑らせた指をさらに耳の裏まで差し込む。黒い髪が俺の指に絡みついた。
 ロゼアラは毛繕いをされる動物のように気持ち良さげに大人しくしていた。
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