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第四章 世界との関わり
第34話 王都の変化
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一週間後、ようやく死にかかった姿で、美葉は帰ってくる。
「あれ? あっああ。そうか。修行に行っていたんだ。おかえり」
「ひど。ひっ何、その力?」
俺を見て、いきなり美葉の顔が引きつる。
「ああ、そうか。修行して、相手の力が分かる様になったのか」
その時、ぼへっとした感じで微笑んでいる幼馴染み。
見た目は昔と変わらず、平和な幼馴染みだが、いま美葉の目には、白い光が体中から立ちのぼり、それが、体からあふれ出す魔力だと理解ができる。
退治したモンスターなど、望に比べると、か弱い生き物。
いま、足には力が入らず。自分の意思に反して、からだが勝手に負けを認めている。
「こんなに」
いま、望は威厳を出すため、威圧を常時少し出している。
好実と伽羅に言われた結果だ。
美葉が修行中。父さん達が帰った数日。
多少動きが、王都であった。
「王としての威厳を出していきましょう。民から舐められます」
そう言われて、力を少し解放した。
「そう、それ」
そう言った二人だが、解放した望の力は強かった。
実好と伽羅は、勇者補正を甘く見ていた。
この前、好実の力を見て驚いた望だが、自分はそれに輪を掛けてひどかった。
そう非常識の方に。
そうそれよ、そう言った好実は、思わず体に力が入る。
気を引き締めていないと、漏らしてしまいそうになる。
これは、参ったわ。慣れないと、望君に近づけない。
でもこれは、虫除けになる。
慣れる。
その晩から、どうしても恐怖を感じて眠れず。
慣れるために望を求める。だが、力が入るのか何かの力か、ころころと意識を手放す。
これは、駄目だわ。望君が強くなりすぎ。
でも威圧は、必須。
好実は、公と私の狭間で葛藤することになる。
そして、民向けの教科書が配布される。
国語の教科書を元に、文字の勉強と実践的な算数の勉強を開始する。
夕方、市場で宿題を配り、朝、回収する。
昼間に総出で採点をする。
その中で、高得点者を集め、採点側に回す。
そして真面目に提出する、上位五〇人を城に招き、基本的な教育を詰め込む。
そして、この宿題のおかげで、必要だとわかり、民に対してブレスレット型の市民証を配布する。
通信と、亜空間収納。非常時にシールド展開とモンスター攻撃用攻撃魔法。
体内の魔力と、周辺にある空間魔力。
そして、王都周辺では、王都のオリフィスから魔力が供給される。
そんな中に、クリスティーヌとマリー=アンジュはこそっと巻き込まれ、字の読み書きが出来るため、どんどん頭角を現していく。
必然的に、先生となっていく。
マリー=アンジュはなんとなく、望んでいた形になり満足。
だが、クリスティーヌは欲求不満。
運動がしたい。
だが、この王国。上位の最低限レベルが高く、兵団の必要性を感じていない。
ヒト族において、この世界の基本はまだ、上位は騎士団。
その下に、一般兵と魔法師団が存在する。
そう、魔法はあるが、強力な使い手は少ない。
例外が、勇者のチーム。
それにしても、魔王からすると取るに足りない。
そう、魔力適応性の高い魔族に比べ、人間の魔法使いは弱い。
そして、力も獣人にはかなわない。
「あー。体を動かしたい」
採点途中、とうとうクリスティーヌは切れる。
「農作業なら、参加はご自由ですよ」
「いやそれは、まあ重要だろうが、そうではなく。剣技は日々行わないと枯れるのだ」
「そうですね。では、王に指導を行っていただけますか?」
そう言って現れたのは、彩。
この時はまだ、碧は帰ってきていなかった。
「良いのか? では」
「今はまだ、採点を行ってください。王に話しもするし、鍛錬は夜半だけでも出来ます」
半分期待した、採点から逃れる期待はぶった切られる。
「剣の鍛錬? まあ良いけれど、近接でも魔法で対応できるよ」
話を聞いた望の反応。
「まあ人間、運動が必要なようです。座りっぱなしなら、デブになるそうですよ」
そう、最近王都で囁かれてきた噂。
食べることにも困り、省エネな行動をしていた民達。安定して食べることが出来るようになって、腹回りに、非常食を蓄える体型が増えてきた。
力仕事など、大変な作業は精霊が行う王都。
そう、採点作業から逃げたいクリスティーヌが発した一言から、王都の民は健康のために、剣技の修行と、魔法の修行を始めることになっていく。
そして、その環境により、国に対する忠誠と相まって最強の民へと育っていく。
国の上位も、ここまで思っていなかったが、時と共に、神民は神民と言われるのにふさわしい武と、知性を獲得していく。
その内、他国から留学も始まるが、その話は随分先の話。
「それでは、剣技を見せて貰おう」
伽羅と彩。そして、王と王妃??
「あれ、そなた達は、あの時の?」
「あー。ああそうか、騎士の人だ。おひさしぶりです」
「そなた達が、王と王妃」
「まあそうです」
そういって、ヘラヘラする望むから伝わる力。
出る間際に見た、勇者とは比べものにならない。
こわい。足がすくむ。
「あの、ミドルサイズで良いので、剣をください」
「ふむ。これを使え」
伽羅が空間へ創り出した剣。
受け取った、クリスティーヌは息をのむ。
軽く、誰も居ない方向に向け振ってみる。
横薙ぎの剣先から、見えない刃が飛び、通路の天井を支える石柱を切り飛ばす。
「こここ。こんなすごくなくて良い。普通のものを」
だが渡されたものも、かなり鋭いものだった。
気がつけば、望も剣を持っている。
生きて帰れるのだろうか?
「ああ。ちょっとくらい手足が切れても治るけど、首はやめてね」
違う。私はもっと気楽な鍛錬をしたかったんだ。
手足が切れても治る? なにか、ちがうぞぉ。
クリスティーヌは後悔する。
「あれ? あっああ。そうか。修行に行っていたんだ。おかえり」
「ひど。ひっ何、その力?」
俺を見て、いきなり美葉の顔が引きつる。
「ああ、そうか。修行して、相手の力が分かる様になったのか」
その時、ぼへっとした感じで微笑んでいる幼馴染み。
見た目は昔と変わらず、平和な幼馴染みだが、いま美葉の目には、白い光が体中から立ちのぼり、それが、体からあふれ出す魔力だと理解ができる。
退治したモンスターなど、望に比べると、か弱い生き物。
いま、足には力が入らず。自分の意思に反して、からだが勝手に負けを認めている。
「こんなに」
いま、望は威厳を出すため、威圧を常時少し出している。
好実と伽羅に言われた結果だ。
美葉が修行中。父さん達が帰った数日。
多少動きが、王都であった。
「王としての威厳を出していきましょう。民から舐められます」
そう言われて、力を少し解放した。
「そう、それ」
そう言った二人だが、解放した望の力は強かった。
実好と伽羅は、勇者補正を甘く見ていた。
この前、好実の力を見て驚いた望だが、自分はそれに輪を掛けてひどかった。
そう非常識の方に。
そうそれよ、そう言った好実は、思わず体に力が入る。
気を引き締めていないと、漏らしてしまいそうになる。
これは、参ったわ。慣れないと、望君に近づけない。
でもこれは、虫除けになる。
慣れる。
その晩から、どうしても恐怖を感じて眠れず。
慣れるために望を求める。だが、力が入るのか何かの力か、ころころと意識を手放す。
これは、駄目だわ。望君が強くなりすぎ。
でも威圧は、必須。
好実は、公と私の狭間で葛藤することになる。
そして、民向けの教科書が配布される。
国語の教科書を元に、文字の勉強と実践的な算数の勉強を開始する。
夕方、市場で宿題を配り、朝、回収する。
昼間に総出で採点をする。
その中で、高得点者を集め、採点側に回す。
そして真面目に提出する、上位五〇人を城に招き、基本的な教育を詰め込む。
そして、この宿題のおかげで、必要だとわかり、民に対してブレスレット型の市民証を配布する。
通信と、亜空間収納。非常時にシールド展開とモンスター攻撃用攻撃魔法。
体内の魔力と、周辺にある空間魔力。
そして、王都周辺では、王都のオリフィスから魔力が供給される。
そんな中に、クリスティーヌとマリー=アンジュはこそっと巻き込まれ、字の読み書きが出来るため、どんどん頭角を現していく。
必然的に、先生となっていく。
マリー=アンジュはなんとなく、望んでいた形になり満足。
だが、クリスティーヌは欲求不満。
運動がしたい。
だが、この王国。上位の最低限レベルが高く、兵団の必要性を感じていない。
ヒト族において、この世界の基本はまだ、上位は騎士団。
その下に、一般兵と魔法師団が存在する。
そう、魔法はあるが、強力な使い手は少ない。
例外が、勇者のチーム。
それにしても、魔王からすると取るに足りない。
そう、魔力適応性の高い魔族に比べ、人間の魔法使いは弱い。
そして、力も獣人にはかなわない。
「あー。体を動かしたい」
採点途中、とうとうクリスティーヌは切れる。
「農作業なら、参加はご自由ですよ」
「いやそれは、まあ重要だろうが、そうではなく。剣技は日々行わないと枯れるのだ」
「そうですね。では、王に指導を行っていただけますか?」
そう言って現れたのは、彩。
この時はまだ、碧は帰ってきていなかった。
「良いのか? では」
「今はまだ、採点を行ってください。王に話しもするし、鍛錬は夜半だけでも出来ます」
半分期待した、採点から逃れる期待はぶった切られる。
「剣の鍛錬? まあ良いけれど、近接でも魔法で対応できるよ」
話を聞いた望の反応。
「まあ人間、運動が必要なようです。座りっぱなしなら、デブになるそうですよ」
そう、最近王都で囁かれてきた噂。
食べることにも困り、省エネな行動をしていた民達。安定して食べることが出来るようになって、腹回りに、非常食を蓄える体型が増えてきた。
力仕事など、大変な作業は精霊が行う王都。
そう、採点作業から逃げたいクリスティーヌが発した一言から、王都の民は健康のために、剣技の修行と、魔法の修行を始めることになっていく。
そして、その環境により、国に対する忠誠と相まって最強の民へと育っていく。
国の上位も、ここまで思っていなかったが、時と共に、神民は神民と言われるのにふさわしい武と、知性を獲得していく。
その内、他国から留学も始まるが、その話は随分先の話。
「それでは、剣技を見せて貰おう」
伽羅と彩。そして、王と王妃??
「あれ、そなた達は、あの時の?」
「あー。ああそうか、騎士の人だ。おひさしぶりです」
「そなた達が、王と王妃」
「まあそうです」
そういって、ヘラヘラする望むから伝わる力。
出る間際に見た、勇者とは比べものにならない。
こわい。足がすくむ。
「あの、ミドルサイズで良いので、剣をください」
「ふむ。これを使え」
伽羅が空間へ創り出した剣。
受け取った、クリスティーヌは息をのむ。
軽く、誰も居ない方向に向け振ってみる。
横薙ぎの剣先から、見えない刃が飛び、通路の天井を支える石柱を切り飛ばす。
「こここ。こんなすごくなくて良い。普通のものを」
だが渡されたものも、かなり鋭いものだった。
気がつけば、望も剣を持っている。
生きて帰れるのだろうか?
「ああ。ちょっとくらい手足が切れても治るけど、首はやめてね」
違う。私はもっと気楽な鍛錬をしたかったんだ。
手足が切れても治る? なにか、ちがうぞぉ。
クリスティーヌは後悔する。
応援ありがとうございます!
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