世界は万華鏡でできている

兎杜唯人

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同じようで違う立ち位置。 2

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パーティの用意と称して、リューイはメイドたちに身支度をされた。
ウィリディスが買ってきたスーツを着て首輪を隠すスカーフを巻く。慣れない自分の姿にリューイは姿見の前で戸惑った。

「本来であればネクタイか蝶ネクタイが主流ですがリューイ様はまだお若いのでスーツに合わせたスカーフもお似合いだと思います」
「少しボタンをはずしてもよいかもしれませんね。失礼致します」

首もとまで止めたボタンを二つはずされスカーフを直される。
耳元にはウィリディスの瞳と同じ緑の宝石のついた小振りのイヤリングが光る。
メイドたちが楽しそうにリューイを飾り付ける。
リューイの髪に丁寧に櫛をいれ整える。スタイリング剤をつけて癖をつければ、鏡の前にたつのは今までのリューイとは違った。
良家の子息だろうかというような姿だ。

「…すごいね」
「がんばりました。奥さまからリューイ様のスタイリングを任されましたのでみんなでどんな風にしようかと相談しましたから」

リューイをきせかえたメイド二人は部屋を出ていく。
鏡にうつる自分をみては息をのむ。
これなら少しはウィリディスの隣にいてもおかしくはないだろうか。

「リューイ、準備はできたか?」

ドアの開く音とともに声がした。
振り向けば、髪をオールバックにしたスーツ姿のウィリディスがいた。
ウィリディスはリューイをみて少し目を丸くした。
似合わなかっただろうかと心配する。むしろ見慣れないウィリディスに目を奪われた。

「よかった。スーツのサイズはちょうどだな」

近づき、リューイの着たスーツに満足そうにする。
顔を見上げれば普段とは異なる印象に言葉がでない。
手が伸びてきてリューイの耳に触れた。イヤリングを撫で、ウィリディスは目を細める。心臓が大きく跳ねた。
わずかに視線を伏せたリューイに顔を寄せ、ウィリディスは静かに口付ける。体が跳ねるもリューイはウィリディスのスーツの裾を握りそれを受け入れた。
角度を変え、何度も口付ける。吐息の隙間からリューイの小さな喘ぎが漏れた。
リューイは舌を吸われ足を震わせる。ようやく離れたと思えば耳元にウィリディスの吐息が触れる。

「せんせ…また、マーキング?」
「そうだな」

荒く息をつきながら問えば体を放しつつウィリディスも荒く返す。
リューイは苦笑し、ウィリディスのネクタイを引っ張る。近づいた唇に自分からも口付け首に腕を回した。
自分とは異なりむき出しの首筋に顔を埋めればシャツで隠れるかギリギリのラインに噛みついた。
リューイの耳に小さく息を飲む音が聞こえた。
口をはなせば小さな歯形が残った。すぐにきえてしまうだろうが満足であった。

「リューイ?」
「せんせーは、俺のパートナーなんでしょ?メイドさんたちが言ってた。今夜のパーティは招待客はみんなパートナーがいるって。番もちの人しかいないみたいだけど、せんせーは俺のパートナーだってわかるようにした」

足らない、もっと痕を残したい。誰の目からみてもわかるように、自分も満足できるようにしたい。
リューイはウィリディスの左手をとれば少し皮膚の固い手のひらに口付けた。そのままウィリディスを見れば目を丸くしている。
そんなことをされるとは思わなかったようだ。
リューイは次に軽く薬指の根本を噛んだ。ぺろっ、と一度舐めれば満足する。
呆然としてウィリディスは自分の手を見つめた。

「これでせんせーに俺の匂いたくさんついたかな?」
「十分すぎるほどだろう」

リューイに自分の香りは移ったし、自分にはリューイの香りが移った。自分でやったことだが、母になんと言われるだろうか。
リューイが番のいないΩであることがわからぬようにと思って強めに香りを残したがまずかっただろうか。
リューイはこちらをみて首をかしげている。

「行かないの?」
「行く」

気を取り直せばウィリディスはリューイを伴って部屋を出た。
今日のパーティにはウィリディスの研究に投資するものも多く招待されている。挨拶をしないわけにはいかない。
気が重かった。

「せんせー…やっぱり嫌だった?」
「いや、違う」

表情の暗い様子にリューイがやりすぎただろうかと声をかけてくる。
問題はない。首を振り、客室のある棟とは反対の棟へと渡る。
パーティのためだけにある場所だった。
すでにパーティは始まっていた。
なかにはいれば色とりどりのドレスに身を包む女性、仕立てのよいスーツを纏った男性がいたるところにいる。
給仕担当のメイドや執事が銀の盆にのせたカクテルを客に配っている。今回は立食式らしい。

「あら、教授じゃない」

最初に声をかけてきたのは実験器具の多くを提供する女αだった。真っ赤なドレスの胸元を大きなダイヤが飾っている。一礼し、挨拶すれば彼女は傍らにたつリューイに目をやった。

「教授、ついに番を持ったのね。いつ?」
「想像に任せる。それよりお前の方の番は?」
「あっちで顔見知りのΩと話してるわ」
「子供はどうだ」
「もうかわいいのよー。このまえ三歳になったんだけどね」

リューイは異なる世界の会話を聞いている気分だった。
αのほうが多いのだろうか。少しだけ息苦しい。しかしそれを悟られないようにウィリディスのあとをついて歩く。
ウィリディスを呼び止めるものは皆同じようにリューイをみては、番なのか、と問いかけた。
それを否定も肯定もせず場内を歩いていたウィリディスはアクティナとアカテスを見つけた。

「…息子くん、あなたパーティ前にリューイくんを抱いたの?」 

顔を合わせてのいきなりの問いかけにリューイの顔が真っ赤になる。
ウィリディスは首を振った。

「あら、そう。強く息子くんの香りがしたし、息子くんにもリューイくんのかお」
「ティナ、それ以上話したらリューイくんが湯だってしまうよ」
「まぁ」

アカテスが止めに入った。
リューイは赤くなったほほを隠す。

「ひとまずは隅にいる。あまりリューイを見られたくはない」
「いいじゃない。リューイくんにいい番を紹介できるかもよ?」
「…俺の番と思われているのだから無理だろうな」

リューイの肩を抱いたウィリディスは会場隅のソファへとリューイを連れていく。
会場にいくつかできている集団から少し距離があるからかとたんに静かになったように感じる。
ソファに座ればリューイは肩から力を抜いた。知らず知らずのうちに力が入っていたらしい。

「なにか食べるか」
「あるの?」
「あぁ。なにがいい」
「おいしそうなもの!」

抽象的な言葉に苦笑が漏れる。わかったとうなずかれ、リューイはひとりソファに取り残された。
遠くにウィリディスの姿を見つめながらリューイはソファに深く沈み込んだ。
自分の唇に触れて先ほどのふれあいを思い出す。どうせ番もちばかりなのだからあんなことをする必要はなかっただろう。
だが、今この体にはウィリディスの香りがそうとわかるほどについているらしい。
肘置きにもたれ目を閉じる。深く息を吸い込み、そして吐き出した。

「…ウィルのばか…抱かれたくなるじゃん」

小さくつぶやいた。
昨日パメラにまた薬を塗ってもらったわけだが、順調に治ってきているらしい。
あと数日ほど毎日薬を塗れば治りきるだろうと言われた。
もし、今夜ウィリディスとそういった空気になったら抱かれてしまっても構わないだろうか。
もしかしたら部屋に連れて帰られて、そのままおやすみ、という空気になるかもしれない。

「待たせたな。一応お前が食べられそうなハムとチーズと……リューイ?」

一人考え事をしていたリューイは突然の声に顔を上げた。
両手に皿を持ったウィリディスが戻ってきた。
片方に小さなケーキやマドレーヌが乗っているかと思えば、反対側にはハムで巻かれた野菜やもちもちとした薄い皮で巻かれた肉類が乗っている。
ケーキの皿を受け取り、真っ赤なジュレの乗ったゼリーを食べる。口いっぱいにキイチゴの香りが広がった。
リューイの隣に腰かけて一つ一つをかみしめる姿にもう少し持ってくるべきだったかと考える。
クラッカーの上にパテを乗せたものを指でつまみ口に運びかけたところで視線を感じる。横を見ればリューイがじーっと見つめていた。
自分の手元とリューイを交互に見て、その口元にクラッカーを運ぶ。

「食べるのか?」

問いかければリューイは目を合わせてからクラッカーに食らいつく。クラッカーを持っていた指まで口に含めば舌で指をなめられる。
もの言いたげな視線に指を引き抜いた。

「いたずらが過ぎる」
「いたずらじゃないし」
「次は持ってこないぞ」
「え、いやだ。もっと食べたい。ほら、せんせーも」

リューイは自分が持っていたケーキの皿から四角いケーキをつまんで差し出してきた。
動かずに見ていたが、ん!とリューイはさらにケーキを差し出してくる。食べるまで辞めるつもりはないようである。
仕方ない、と思いリューイの指ごとケーキを頬張った。リューイは指を引き抜かない。
舌を指に絡めた。リューイの瞳がわずかに蕩ける。細い手首をつかみ口から指を引き抜けば手のひらに唇を押し当てる。パーティの前、リューイが自分に行ったのと同じ行為である。

「せんせ…」
「誰かに見られるようなところですべきではないな」

すぐに手を放しては何事もなかったかのように薄皮に入った肉を噛む。
香草が入っているのか独特の香りがした。

「いじわる」
「先にやったのはリューイだろう」
「そうだけど」

不満そうにリューイは見つめた。ウィリディスは意に返さない。
リューイは不貞腐れてそっぽを向いた。そのうちウィリディスは自分の名前が呼ばれたことに気づいた。
いつまでも座っているな、ということらしい。

「リューイ」
「行かない」

拗ねてしまったらしい様子に呆れつつ、動かないように、と告げて立ち上がる。
皿を片手にパーティの賑わいへと戻っていった。
リューイはその後ろ姿を見つめる。子供過ぎただろうか。
皿を膝においてぼんやりとする。涼しい風が入ってくるな、と思えばソファのそばにはテラスがあった。
手にしていた皿を静かにソファの座面へと置いて立ち上がりテラスに出る。
外は薄暗くよくは見えないが池とその中心に東屋があった。
どうやら庭園になっているらしい。庭園に降りることもできそうで、テラスの端に階段もあった。
降りてもいいだろうかと考える。しかしウィリディスは動くなと言っていた。

「いなくなったら驚くよね…心配させたいわけじゃないんだよな」

庭園に降りるのは断念した。
ソファへ戻れば誰もいないと思われたのかトレーを持った執事がいた。トレーの上にはオレンジ色の液体の入った小さなガラスの入れ物がある。

「リューイ様がおられましたか」
「あ…うん。下げないで。残ってるの食べるから」
「かしこまりました。一緒にカクテルはいかがですか」
「カクテル…?」
「はい。そばの農場でとれた新鮮なオレンジを使っております」
「甘い?」
「甘めに作ってます」

リューイは少し考えてから一つ、そのカクテルを受け取った。
ふたたびソファに腰かけて客を眺める。ウィリディスの姿が時折確認できた。
いろいろな相手に囲まれて動けないでいるようではあった。
カクテルを一口飲んだ。甘酸っぱい味がする。しかしアルコールの度数は高いようで頭がまわった。
グラスを落とさないうちに一気に飲み干してしまう。くらくらした。
そばを通りかかった執事にグラスと皿を預ければひじ掛けにもたれた。のどが熱い。頬も火照る。

「待ったか、リューイ」

少し遠く聞こえたウィリディスの声に顔をあげた。
彼も顔が赤らんでいる。
ソファに腰を下ろしたウィリディスは額に手をやった。

「お酒飲んだ?」
「飲まされた、だ。挨拶していたら次々にグラスに注がれた。断るわけにもいかないからな」

ソファに座ったウィリディスは額に手をやる。リューイとは反対の肘おきにもたれて息を吐き出す。
リューイは横目で様子をうかがいつつ体を起こす。自分はわりと酒には強いらしく先程のふらつきは今はない。

「せんせー、部屋戻る?」
「そうだな。一通り挨拶はした」

ウィリディスの前に立てば気だるげに見つめられた。
顔を覗き頬に手を伸ばせば手首を掴まれて体を引き寄せられる。
ソファの背もたれに片手をついて倒れこむのを防ぎウィリディスに覆い被さる。
しばらく見つめあった。ウィリディスの呼気からアルコールの香りがする。弱いのだろうか。

「少し頭冷やす?そこにテラスあるじゃん」
「それもいいかもな」

手が離れればリューイも体を起こした。
少しふらつく彼を支えて二人一緒にテラスに出る。先程よりも冷たい風が体をなでた。
手すりにもたれてリューイは火照る頬を冷やす。隣にたつウィリディスはどこかぼんやりしたまま外を見つめていた。

「ねぇ、あの池の東屋って行ける?」
「…行きたいのか」
「うん」
「あそこは母と父が子供を孕むためにセックスした場所だ」

ウィリディスの言葉にリューイは絶句した。
聞かなければよかったと後悔する。ウィリディスはそんなリューイを尻目にテラスから庭園へと降りていく。
足元が若干ふらつく様子を見てリューイはそのあとを追いかけた。
ウィリディスは池へと向かう。近づけば東屋に向かう飛び石があることがわかった。
二人ならんで渡れるほどの幅がある。間隔もさほど広くはない。
止めようにもウィリディスは先に行ってしまうためリューイはあとを追いかける他なかった。
酔っぱらっているとわかっているから一人にはできないのだ。

「ここ、特別な場所じゃないの?俺なんかが入っていいの?」
「かまわない」

飛び石をわたりきった先にある東屋には、幅の広いソファがあった。東屋の周囲は腰ほどの高さのある柵で囲まれている。転落防止用だろうか。
ソファがあることからもともとは池を眺める場所なのかもしれない。円形の東屋は庭園を広く見渡せた。
柔らかそうな毛皮がソファにかけられている。ウィリディスはそこに近づけばソファに腰かけて池を眺めた。
リューイもソファに近づけば隣に腰かけた。

「ここは父が母のために作った場所だ。αとΩのあいだに生まれた母を悪く言うものも少なからずいたから少しは気を抜いて過ごせるようにと」
「それでここで?」
「テラスからこの東屋は見えるが、このソファはあの場所からはうまい具合に死角になっている」
「へぇ…」

ふわふわの毛皮にさわりながら話を聞いていたがウィリディスが少し眠たそうなことに気づけばむっとする。
このままでは本当に部屋前で別れてそのままお休みなさい、である。

「せんせ…いたずらしていい?」
「なんだ」

ソファを降りてウィリディスの足の間にしゃがむ。
眠たそうな眼を向けられて苦笑するものの腹部に手を当てなでればなにをするのか察したのかわずかに眉が上がる。

「ここにいるのは今夜が最後だから。ここで抱いて」

静かにベルトをはずしチャックを下げてくつろげる。
まだ固さを持たないそれを下着から恭しく取り出せば顔を寄せる。
自分を奥まで突き上げこするその熱にリューイは奉仕したことはない。

「ねぇ、せんせー?今までΩを抱いてこなかったわけじゃないよね」
「溜まるものは溜まるからな」
「せんせー、舐められたことある?」
「ない」
「そっか。なら、せんせーのをはじめて舐めるのは、俺だね」

少し嬉しそうな顔をしてリューイはいまだ固くならないそれを静かにしごいた。
わずかに固さを帯びるとリューイは先端に口付けた。
そのまま先端を口に含み頬をすぼめる。口のなかで固さを帯びるそれが愛しい。
喉まで口に含めば涙目になるも、舌を丹念に絡ませて濡らしていく。くわえこめなかった根本は手でしごき、指で浮かび上がった筋をなぞる。
上目でウィリディスを見れば耐えるかのように目を閉じていた。
鼻に雄臭い臭いが広がる。

「…えほっ……せんせーの、こんなに太くなるんだ。気持ちいい?」
「…あぁ」

口をいったん放してから幹に唇を寄せてたずねた。返答に満足すれば亀頭を指でいじりつつ、根本まで舌を這わせて膨れ上がった袋を唇で食む。
リューイ自身も興奮してきていた。鼻先をくすぐるαの香りと、野外であること、アルコールを接種したこと、何よりウィリディスからかすかに漏れ聞こえる声がリューイを煽る。
ウィリディスの育った熱をなめながら片手でスーツを脱ぐ。膝までズボンを下ろせば下着は盛り上がっていた。

「だめだ…ほしい」

呟いた言葉にいじくりまわしていた熱が跳ねた。
先端から蜜が溢れリューイの指を濡らす。太く熱く育ったものを再度口いっぱいに頬張り頭を動かしてしごいた。
溢れてくる蜜を喉を鳴らして飲み込み、その合間に自分の下着を下ろして片手で自分のものもしごく。
ぱんぱんになったそれは早く吐き出したくてたまらないと言うようにリューイの手に蜜を絡み付かせた。

「せんせーのにおい…くらくらする。俺も興奮してきた」

己をしごいて蜜を絡ませた指を臀へと滑らせウィリディスを受け入れるために孔をほぐす。
中指をいれれば内部からじわりと愛液がしみだす。リューイは孔の入り口を広げるため指をさらに増やした。
その間にもウィリディスへの奉仕は止めない。筋ばった幹を舐め、先走りを飲み込む。

「リューイ…」
「せんせー…気持ち良さそう」
「あぁ…そうだな…」

リューイの髪にふれ、かきあげれば赤い舌が己を舐める顔がよく見える。
リューイの舌がはうたびにたぎった。
やがてリューイは指を引き抜けば立ち上がり、下着もズボンも脱ぎ捨てる。
たらたらとリューイ自身からも蜜がこぼれていた。
リューイはウィリディスに背中を向け、足に座る。ウィリディスの固いものをつかめばそれを固定しつつ自分の腰をあげた。

「いれるね、せんせー」

リューイが告げ、自分で昂りに腰を落としていく。痛みはなかった。
孔はすんなりと亀頭を飲み込む。太い部分を飲み込めばあとは簡単である。
リューイのそこは待ち望んでいたものに歓喜の声をあげるかのように愛液を溢れさせた。
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