世界は万華鏡でできている

兎杜唯人

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運命 3

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「……めっちゃすっきりした」
「だろうな」

ベッドに転がったリューイは腰から下が動かないままつぶやいた。
枕を抱えて、たっぷりと愛されたことを思い出せば笑みを浮かべたまま、隣で座って本を読んでいるウィリディスを見た。

「ねぇ、ウィル、おなかすいた」
「ようやくか…何か軽いものを作って」
「ミルク粥がいい」
「……わかった。時間がかかるぞ」
「いいよ」

一度タオルで体をきれいに拭かれたが体はまだべたついている気がした。
浴室で二度、ベッドに戻ってから三度、ウィリディスに絶頂させられた体は昨日からの発情も相まってリューイの言うことを聞きはしない。
枕に顔を埋めていればウィリディスが部屋を出ていく気配を感じた。
体中にウィリディスがつけたキスの跡が残っている。体の奥にも先ほどまでつながっていた証に熱が残されている。
薬を飲んでいなければリューイは容易くウィリディスとの子供を孕んでいたのだろう。

「無理…全部ウィルのせいだ…あー…くそう…」

ごろごろとベッドを転がり頭を抱える。
リューイは発情していた間の記憶がちゃんとある。だから浴室で口にしたあまりにも淫らな言葉も、それに対してウィリディスが返してきた言葉も覚えている。
ウィリディスはリューイに記憶が残っていると思うのだろうか。だとしたら、発情期が明けた後どんな顔をして会えばいいのだろうか。
布団を頭かぶりリューイはもやもやとしたものを整理すべく体を丸めた。

「…ふぅ」

ウィリディスはキッチンでリューイが希望したミルク粥のレシピを調べて調理を進める。その間にも先ほど浴室で目の当たりにしたリューイの痴態がよみがえる。
湧き上がってきた欲情を抑え込み、焦がさないように粥をかき混ぜるほうに意識を集中する。



『ウィルのせーし、俺の子宮にいっぱい入ってる…』



がんっ、とコンロをこぶしで叩いた。
意図して言っているわけではないだろう。だが、好いている相手にそのようなことを言われて冷静でいられるはずもないことは確かである。
大きなため息をつけば火を止めた。器に粥をよそって持って行こうとする。

「せんせ…」

小さな呼び声に足を止めれば階段でレックスとシルバがこちらをうかがっていたことに気づいた。
目を丸くすれば器を一度置いて階段に近寄った。

「リュー兄は?大丈夫?」
「大丈夫だ。明日には動けるようになると思う」
「そっか。よかった」
「先生のご飯?」

レックスの目がコンロに乗せられたままの鍋に向く。
首を振ればリューイのものであることを伝えた。

「全部は食べないだろうから、もしレックスたちが食べたいのなら代わりに食べてくれるだろうか」
「うん」
「また明日ね」
「あぁ」

うなずけば二人に対し鍋がまだ熱いため火傷に気をつけるように言い残す。
二人はうなずけば器を出して二人で分け合う。
ウィリディスは部屋に戻った。リューイは布団を被りくるまっている。何度かレックスやシルバも同じようにして寝ているのを見ている。
兄弟ゆえに思考も似るのか、それともリューイが何か教えたのだろうか。

「リューイ、希望のミルク粥を作ってきたが起きられるか」
「ん…起きる」

もそもそと布団の山が動いて少し髪を乱したリューイが顔を出す。
まだ裸のままであることがわかれば、一度机に器を置いてからシャツを取りにベッドを離れた。
リューイはベッドの端に座れば器に手を伸ばす。
その前にウィリディスがリューイに頭からシャツを被せた。
すぽっと頭を出せばウィリディスに唇を奪われる。
触れるだけの優しいものだった。

「火傷はするなよ」
「ん…」

シャツから腕を出せば器を抱える。手のひらからじんわりと暖かさが染み出してくる。
ほっと息をついてから木製のスプーンで一掬いし、息を吹きかける。ミルク粥を頬張ればほんのりと甘く、幸せな気持ちになれた。

「おいしい…」
「そうか、ならよかった」

リューイに水の入ったボトルも渡す。
蓋を開けてのどを潤したリューイはほっと一息つきながら再び隣に座って本を読みだしたウィリディスを見た。
本を開いて真剣な表情で読み進めている。
粥を一口食べてリューイはその手元を覗き込んだ。だが、発情期中で頭がまともな思考などできるはずもなく、文字の羅列を見ただけでそっぽを向いてしまった。

「どうした、リューイ」
「難しいの読んでる」
「発情以外の時はお前も見ているだろう」
「今わかんない」
「……そうだな」
「ウィル、本じゃなくて俺を見てよ」
「見ているだろう?」
「本、をね」

器を空にすればリューイは不満げにウィリディスの腕をつつく。
少し子供っぽいしぐさに読んでいた本から顔を上げた。
リューイはほほを膨らませてウィリディスを見つめている。

「つまらないか」
「当たり前じゃん」
「すまない。来月になったら治験ができると聞いて少し…」
「治験…」
「あぁ。とはいってもΩ病ではない。ほかの病気の治験を見せてもらえることになったんだ。もしかしたらそれを代用できるかもしれないと思ってな」

リューイの顔色がわずかに変わる。治験はいつなのだろうか。
発情でかすみがかっていた頭がはっきりする。

「いつ?」
「来月の中頃を過ぎたあたりだ」
「その前に俺が研究所行ったらだめ?」
「構わない。いつでも来るといい」

うなずいたリューイはほっとする。
ウィリディスはリューイの様子を気にすることはなく本を閉じてから抱きかかえてベッドにそのまま転がった。
優しい手つきで髪を撫で額に口づける。ただそうしているだけでも幸せだった。
指を絡めてほほ笑みあえばより幸せを感じる。

「ウィルと会ったときはこんな風になるなんてかけらも思わなかった」
「そうだな。俺もお前も、互いに興味などなかったのにな」
「幸せだなって思う…」
「本当に?」
「うん。こうやってウィルに会って、俺の大事な弟たちも家が決まって仲良くなれて、俺も…こんなに大事に思える人に会えた…愛してるって言ってくれる存在がいるだけで幸せになる」

リューイははにかんだ。
クロエを喪ってからのウィリディスはただ夢中で研究を行い、長い時を過ごしてきたがリューイたちがきたことで世界がまた変化した。
楽しい、と思う日々が続く。
幸せだ、と口にしないまでも思った。
ウィリディスの腕の中でリューイはあくびをこぼす。
布団を引き寄せ自分と彼にかければリューイはウィリディスに抱きついたまま眠る。粥で腹が膨れたのもあるのだろう。
ウィリディスももう一眠りするために目を閉じた。

「あ、リュー兄だ!おはよう」
「ん、おはよー。ごめんな二日間放りっぱなしで」

リューイの声が遠くからする。
うっすら目を覚ましたウィリディスは眠る前に腕の中にいたはずのリューイの姿を探した。
ベッドにはいない。声の先を辿ればリビングである。
少し重たく感じる体を起こしたウィリディスはシャツをはおり直し手ぐしで軽く髪を整えてから部屋を出た。
朝の光にリビングが照らされ、キッチンのそばでリューイとレックス、シルバが話をしていた。

「おはよう、せんせー」
「先生だ!おはよう!」
「先生、昨日のお粥美味しかったよ」
「二人も食べたの?」
「余るだろうからって」

賑やかな声に目を細める。リューイの具合はすっかりと良くなったらしい。
少しホッとしながらもキッチンに行けばグラスに水を入れてそれを煽る。

「クラルスとフィーディスは?」
「クラルスがまだ寝てるからフィーちゃんは上にいるよ。フィーちゃんもリューちゃんのことを心配してた」
「そっか。あと少ししたら上に行くよ。二人とも着替えてるし、先にパンだけ焼いておいてくれるか?」
「わかった!」

競ってフロアを上る姿を見つめてからリューイはウィリディスを向いた。
笑顔を浮かべているし顔色もいい。無事に発情期は過ぎたらしかった。

「ありがとう、ウィル」
「なにがだ」
「二日間付き合ってくれて。それでさ…発情中の俺が言ったこと全部忘れて」

ウィリディスはリューイの言葉に目を瞬いた。
リューイは顔を真っ赤にしており、ウィリディスを真っ直ぐに見られないでいる。
発情中の言葉など熱に浮かされて発したものであり本気にするものではないと思っているが、忘れてしまうのはいささかもったいない。
リューイの痴態も忘れたくはないし、どうしたものかとウィリディスは考えた。

「忘れて」
「……例えばどんなことを言ったのだったか」
「はっ?!」

とぼけてリューイに尋ねてみた。リューイは口をぱくぱくと開閉させてウィリディスを見つめる。
素面の状態で言える内容ではないのをわかっているのだろうか。逃げようとしたリューイの腕をつかみシンクに囲う。
リューイはウィリディスの瞳を直視できない。あまりにも恥ずかしすぎる。

「リューイ?」
「いえるわけないだろ…あんな…そんなこと」
「浴室でどれだけ淫らに俺を煽ったか忘れたのか?お前が忘れろというのならば忘れる努力はするが」
「わ…忘れてよ…」

リューイはウィリディスの胸元に手を当てる。
落ち着いたはずの発情がぶり返しそうになる。ウィリディスに顎をつかまれ口づけられる。
自分よりもよっぽどウィリディスのほうが発情しているのではないだろうか。
逃げることができずリューイはされるままになる。

「リューイ、聞かせてくれ」
「どれをだよ…俺、ウィル相手にいろんなこと言ったのちゃんと覚えてるんだからな…!めちゃくちゃ恥ずかしいんだからなっ」
「全部…と言いたいが、朝食の時間も過ぎてしまう。一つだけ、お前がもう一度口にしていいと思う言葉があるのならそれを聞きたい」

リューイは恥ずかしいやら何やらで顔を正面に向けることができない。何を口にしたらいいのかわからないというのもある。
だが、もう一度口にしていい、と思う言葉ならある。
リューイはそろそろとウィリディスを向いた。

「俺……男のΩが子供産むの、本当は気持ち悪いって思ってた…でも、あんたとの子供なら、きっと誰よりもかわいがれる……だから、"俺のこと孕ませて"…」
「よりによって…」

自分からリューイに強請ったというのにウィリディスもダメージを受けるようなことを言われてしまった。
大きく息を吐き出してリューイの肩に頭を預けた。
抱きしめれば静かに自分の背中にもリューイの腕が回ってくる。

「決めた…」
「え、なにを?」
「お前がフィーディスのもとにどうしても行くのなら、お前をこんなにも求めてしまう理由を見つけ出して奪いに行ってやる」
「……できるわけないだろ。その前にちゃんと研究終わらせろよ」
「できないと思うか」

ウィリディスは体を起こす。
その瞳は真剣そのもので、リューイは首を縦に振ることができなかった。
きっとウィリディスのことだから有言実行するだろう。何年かかったとしてもきっとリューイを迎えに来る。

「…その時には俺もう首輪外してるかもよ」
「外してない。お前も俺以外の番にはならないだろう」

そうかもしれない。
ウィリディスの首に腕を回して引き寄せればどちらからともなく口づけあう。
好き、と囁けば返事もなく口をふさがれる。

「待っていろ、リューイ…お前がどこに行っても必ず俺の番にして見せるから」
「……早くしないとウィルはおじいちゃんになっちゃうもんな」

軽口をたたきあえば小さな物音に気付く。
音がしたほうを見れば、まじまじと階段から身を乗り出してウィリディスとリューイを見つめていたシルバとレックスと目があう。
いちゃいちゃしてる、ラブラブだ、と言葉を交わす二人に返事ができない。
ウィリディスの胸元に赤くなった顔を埋めてしまえば二人は階段を勢いよく降りてきてリューイの服を引っ張る。

「リュー兄、先生とラブラブするのはいいけど朝ごはんにしようよ。パンが焼けたよ」
「先生もごはん食べよう?クラルスが起きてきたし、フィーちゃんも降りてくるよ」
「わかった…わかったから、今の俺を見ないで」
「リューちゃん、耳真っ赤」
「触りたい!」
「だめだ。今のリューイに触れたら溶けてしまうだろう」
「溶けないし」

ウィリディスの腕の中で小さく反論をしてからリューイはようやく顔を上げた。
まだ見られていた恥ずかしさがあるのだが、こほん、と咳払いをすればレックスとシルバの手を握った。

「行こう、二人が焼いてくれたパン食べないと」
「うん」
「先生も早くー」
「あぁ」

リューイたち三人が先に階段を上がっていく。
リューイに告げた言葉は嘘ではない。口にしたその言葉を自分で反復して苦笑する。
欲張りになったものだ。研究の結果もリューイもどちらも手に入れたい。
手に入らないというのなら壊してしまえという人もいるらしい。だが、それはしたくない。
だから自分もリューイもフィーディスも納得できる結果を見つけ出して迎えに行く。

「悪いな、フィーディス…お前との賭けに負けるつもりは一切ない…っ」
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