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新婚生活編
16.夏風邪(攻め視点)
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ピピピピと体温計が鳴る音が部屋に響き渡る。俺は脇から抜いたばかりのそれをぼんやりと見つめた。
「38.5°C……」
昨晩から喉の痛みとだるさを感じてはいたが、まさか真夏に風邪を引くとは。
風呂上がりにエアコンの効いた部屋で寝落ちしていたのが原因だろうか。それとも連日の猛暑のせいで疲れが出てしまったのか……理由は定かではないが、とにかく体調が悪いことは間違いなかった。
今日は土曜日だし仕事が休みで良かったと心底思う。
「彗、調子どうだ?」
ガチャリとドアを開ける音と共に瞬ちゃんが入ってくる。
「うん、今日1日休めば良くなりそう」
俺はへらりと笑ってみせた。
本当は起き上がるのも辛いくらい身体中が怠かったのだが、瞬ちゃんを心配させたくなくてついそう言ってしまった。
「そっか。今から買い出し行ってくるけどなんか欲しいもんあるか?」
「んー…」
食欲は無いし、今はただ眠りたい気分だったので俺は首を横に振った。
「…分かった。じゃあ適当にゼリーとか買ってくるわ」
「うん。ありがとう」
「ちゃんと大人しく寝てろよ」
「はいはーい」
俺が布団の中からヒラヒラと手を振ると、瞬ちゃんは苦笑いを浮かべて出かけていった。
玄関の鍵が閉まる音を遠くに聞きながら俺は大きなため息を吐く。
「あー、しんどい……」
1人になった途端、どっと疲労感が押し寄せてくる。
瞬ちゃんに迷惑をかけたくない一心でなんとか平静を装っていたが、やはり無理をしていたようだ。
以前の瞬ちゃんなら「夏に風邪引くなんてバカだろ」とか言ってきそうなものだが、今日の彼は少し様子が違っていた。
きっと俺が無理してる事に気がついていて、あえて何も言わずに買い物に出かけて行ったのだろう。
そんな彼の不器用な優しさが嬉しかった。
「早く元気にならないとなぁ」
俺はポツリと呟くと目を閉じた。
それからどれぐらい眠っていたのだろう。
ふと人の気配を感じ、ゆっくり瞼を開くとそこにはベッドの淵に腰掛け俺を見下ろす瞬ちゃんの姿があった。
「あ、帰って来てたんだ…」
まだ半分微睡んでいる頭で瞬ちゃんを見上げる。
額にはひんやりとした感触があり、寝ている間に冷却シートを貼ってくれたのだと理解した。
「悪い。起こしたか?」
「んーん、平気」
「そうか。じゃあとりあえずこれ飲め」
瞬ちゃんはスポーツドリンクの入ったペットボトルのキャップを少し緩めると俺に差し出してきた。
「ありがと……ごめんね。せっかくの休みなのに看病させちゃって」
「気にすんなって」
普段は俺に対して冷たい態度ばかり取る癖に、こういう時だけは優しくしてくれるのだからズルいとしか言いようがない。
俺は渡されたペットボトルを手に取り、ゴクリと中身を飲み干した。
冷たい液体が食道を通り抜ける感覚が心地よくて、俺はほっと息をつく。
「…結構汗かいてるみたいだから着替えた方が良いな。ちょっと待ってろ」
瞬ちゃんはそう言って立ち上がると部屋を出ていった。
しばらくして戻ってきた彼が手に持っていたのは蒸しタオルと着替えだった。
「体拭いてやるから脱げ」
「やだ~しゅんちゃんのすけべー」
「はいはい、すけべで結構。ほらバンザイ」
まさかこの歳になってこんな風に看病される日が来るとは……
正直ここまで世話を焼かれるのは恥ずかしいし申し訳ないのだが、熱のせいで抵抗する気力も無かったので俺は素直に従うことにした。
「ほれ、背中拭くから向こう向け」
「それくらいなら自分でできるから大丈夫だよ」
「病気の時くらい甘えて欲しいんだよ」
「……でも…うん」
俺は抗議の声を上げつつも言われた通り瞬ちゃんに背中を向ける。
温かな蒸しタオルで体を拭かれていく感触が気持ち良い。
「彗ってやっぱ良い体してるよな」
不意に耳に飛び込んできた瞬ちゃんの言葉に俺は思わず振り返る。
「ふふ、急にどーしたの」
「なんとなく。この前銭湯行った時も思ったけどさ」
そう言って瞬ちゃんはタオルを持っていない方の手で俺の背中を撫でる。
「しっかり鍛えててすげーなーって」
その手つきがなんだか妙に艶かしく感じられて、触れられたところがじんわり熱を帯びて行く気がした。
「もー、くすぐったいってば~」
俺はそれを誤魔化すように瞬ちゃんの手から逃れようとするが、彼は楽しそうに俺の体をまさぐってくる。
「じっとしてろって」
次の瞬間、スルリと瞬ちゃんの手が俺の腹部に伸びてきた。
そしてゆっくりと指先でなぞるように下へと降りていき、腰骨の辺りに触れたところでピタリと動きが止まった。
「え…?」
瞬ちゃんの指先が俺の下着のゴムに引っかかっている。
「えーっと、あの、瞬ちゃん…?」
「なに」
「さ、さすがにそこは自分でできる…から…」
突然の事に戸惑いながらもやんわりと制止すると、瞬ちゃんは俺の耳元で囁いた。
「ほんとに?」
「え…」
まるで何かを確かめるような、試しているかのような声色に背筋がゾクリとする。
「どうせ一緒に暮らし始めてからろくに発散できてないんだろ?」
「え、な、何の話…?」
「彗」
大好きな瞬ちゃんの声がいつもより低く響く。
有無を言わせない圧のようなものを感じ、俺は言葉を詰まらせた。
「答えろよ」
心臓がバクバクと脈打ち呼吸が浅くなっていく。
これは一体どういう状況なのだろう? 瞬ちゃんは何をしようとしているんだろう? 思考が全く追いつかない。
「…ぃ、」
遠くでなにか声が聞こえる。
「おい、彗。起きろ」
誰かに何度も肩を揺さぶられ、そこで俺はハッと目が覚めた。
瞼を開くと目の前には眉間に皺を寄せてこちらを見つめている瞬ちゃんがいた。
「……あれ、瞬ちゃん……」
「大丈夫か?なんかすごいうなされてたけど」
何のことだろうと一瞬考えたが、すぐに自分が風邪を引いていたことを思い出した。
確か瞬ちゃんは買い出しに行っていたはず…俺はいつのまにか寝てしまったのだろうか。
そんなことを考えているうちにだんだん頭が冴えて来た。
「うん、平気」
俺がそう言うと瞬ちゃんは少しだけホッとしたように息を吐いて「よかった」と言った。
「怖い夢でも見たのか?」
「…んー…なんか…変な夢見たような…」
「まぁ、発熱してる時っておかしな夢見るもんだしな」
思い出そうとしてみるが、どんな内容だったかぼんやりとしか覚えていない。
ただひとつわかるのは、なんとなく嫌な予感がするという事だ。
「とりあえずこれ飲んどけ」
瞬ちゃんはそう言ってスポーツドリンクを差し出してくる。
「ありがと……あ、寝てる間に貼ってくれたんだ」
俺は額に手をやるとそこには冷却シートの感触があった。
「ああ」
「へへ、瞬ちゃんやさしー」
「別に普通だろ」
俺はペットボトルを受け取りキャップを開けて喉に流し込む。
冷たい液体が渇いた体に染み渡るようで心地が良い。
「今朝より顔色良くなったな」
「へへ、お陰様で」
「でも結構汗かいてるみたいだし着替えた方が良いかもな」
そう言われて初めて自分の着ていたTシャツがびっしょりと濡れていることに気付いた。
確かにこの不快感のまま眠りにつくのはあまり良いとは言えなさそうだ。
「タオルと着替え持って来るわ」
「ありが…」
瞬ちゃんのその言葉で突然先程の夢の内容が鮮明に蘇ってきた。
「……あの、瞬ちゃん」
「ん?」
「………なんかお腹空いたかも」
「お、食欲戻ったか!美味いおかゆ作ってやるから待ってな」
「うん、お願い」
嬉しそうに部屋を出て行く瞬ちゃんの背中を見送ったあと、俺はそっとベッドを抜け出してトイレへ駆け込んだ。
そして恐る恐るボクサーパンツの中を確認する。
「……セーフ…」
あんな夢を見てしまった時点でアウトなのかもしれないが、とりあえず最悪の事態は免れたようだ。
俺は安堵のため息を漏らすと、しばらく扉にもたれかかって気持ちを整理していた。
それにしても妙にリアルな夢だった。
高校の頃はあの手の夢を見ることも何度かあったが、ここ数年はめっきりなくなっていた。
あれは俺の願望なのだろうか。
思い返すとまたドキドキと心臓の鼓動が激しくなってきた。
夢の中で瞬ちゃんに触れられた場所がズキズキと熱い。
『これ以上の関係を望むつもりはなかった』だなんて言っておきながらなんて有様だ。
「はぁ~…」
いや、あんないかがわしい夢を見たのはきっと熱のせいに違いない。
俺は自分に言い聞かせるように心の中で呟いてなんとか平常心を取り戻そうとした。
大量に汗をかいたおかげで思いの外早く熱が下がってくれたのは不幸中の幸いだったが、結局俺は瞬ちゃんに夢の内容を伝えることはできなかった。
「38.5°C……」
昨晩から喉の痛みとだるさを感じてはいたが、まさか真夏に風邪を引くとは。
風呂上がりにエアコンの効いた部屋で寝落ちしていたのが原因だろうか。それとも連日の猛暑のせいで疲れが出てしまったのか……理由は定かではないが、とにかく体調が悪いことは間違いなかった。
今日は土曜日だし仕事が休みで良かったと心底思う。
「彗、調子どうだ?」
ガチャリとドアを開ける音と共に瞬ちゃんが入ってくる。
「うん、今日1日休めば良くなりそう」
俺はへらりと笑ってみせた。
本当は起き上がるのも辛いくらい身体中が怠かったのだが、瞬ちゃんを心配させたくなくてついそう言ってしまった。
「そっか。今から買い出し行ってくるけどなんか欲しいもんあるか?」
「んー…」
食欲は無いし、今はただ眠りたい気分だったので俺は首を横に振った。
「…分かった。じゃあ適当にゼリーとか買ってくるわ」
「うん。ありがとう」
「ちゃんと大人しく寝てろよ」
「はいはーい」
俺が布団の中からヒラヒラと手を振ると、瞬ちゃんは苦笑いを浮かべて出かけていった。
玄関の鍵が閉まる音を遠くに聞きながら俺は大きなため息を吐く。
「あー、しんどい……」
1人になった途端、どっと疲労感が押し寄せてくる。
瞬ちゃんに迷惑をかけたくない一心でなんとか平静を装っていたが、やはり無理をしていたようだ。
以前の瞬ちゃんなら「夏に風邪引くなんてバカだろ」とか言ってきそうなものだが、今日の彼は少し様子が違っていた。
きっと俺が無理してる事に気がついていて、あえて何も言わずに買い物に出かけて行ったのだろう。
そんな彼の不器用な優しさが嬉しかった。
「早く元気にならないとなぁ」
俺はポツリと呟くと目を閉じた。
それからどれぐらい眠っていたのだろう。
ふと人の気配を感じ、ゆっくり瞼を開くとそこにはベッドの淵に腰掛け俺を見下ろす瞬ちゃんの姿があった。
「あ、帰って来てたんだ…」
まだ半分微睡んでいる頭で瞬ちゃんを見上げる。
額にはひんやりとした感触があり、寝ている間に冷却シートを貼ってくれたのだと理解した。
「悪い。起こしたか?」
「んーん、平気」
「そうか。じゃあとりあえずこれ飲め」
瞬ちゃんはスポーツドリンクの入ったペットボトルのキャップを少し緩めると俺に差し出してきた。
「ありがと……ごめんね。せっかくの休みなのに看病させちゃって」
「気にすんなって」
普段は俺に対して冷たい態度ばかり取る癖に、こういう時だけは優しくしてくれるのだからズルいとしか言いようがない。
俺は渡されたペットボトルを手に取り、ゴクリと中身を飲み干した。
冷たい液体が食道を通り抜ける感覚が心地よくて、俺はほっと息をつく。
「…結構汗かいてるみたいだから着替えた方が良いな。ちょっと待ってろ」
瞬ちゃんはそう言って立ち上がると部屋を出ていった。
しばらくして戻ってきた彼が手に持っていたのは蒸しタオルと着替えだった。
「体拭いてやるから脱げ」
「やだ~しゅんちゃんのすけべー」
「はいはい、すけべで結構。ほらバンザイ」
まさかこの歳になってこんな風に看病される日が来るとは……
正直ここまで世話を焼かれるのは恥ずかしいし申し訳ないのだが、熱のせいで抵抗する気力も無かったので俺は素直に従うことにした。
「ほれ、背中拭くから向こう向け」
「それくらいなら自分でできるから大丈夫だよ」
「病気の時くらい甘えて欲しいんだよ」
「……でも…うん」
俺は抗議の声を上げつつも言われた通り瞬ちゃんに背中を向ける。
温かな蒸しタオルで体を拭かれていく感触が気持ち良い。
「彗ってやっぱ良い体してるよな」
不意に耳に飛び込んできた瞬ちゃんの言葉に俺は思わず振り返る。
「ふふ、急にどーしたの」
「なんとなく。この前銭湯行った時も思ったけどさ」
そう言って瞬ちゃんはタオルを持っていない方の手で俺の背中を撫でる。
「しっかり鍛えててすげーなーって」
その手つきがなんだか妙に艶かしく感じられて、触れられたところがじんわり熱を帯びて行く気がした。
「もー、くすぐったいってば~」
俺はそれを誤魔化すように瞬ちゃんの手から逃れようとするが、彼は楽しそうに俺の体をまさぐってくる。
「じっとしてろって」
次の瞬間、スルリと瞬ちゃんの手が俺の腹部に伸びてきた。
そしてゆっくりと指先でなぞるように下へと降りていき、腰骨の辺りに触れたところでピタリと動きが止まった。
「え…?」
瞬ちゃんの指先が俺の下着のゴムに引っかかっている。
「えーっと、あの、瞬ちゃん…?」
「なに」
「さ、さすがにそこは自分でできる…から…」
突然の事に戸惑いながらもやんわりと制止すると、瞬ちゃんは俺の耳元で囁いた。
「ほんとに?」
「え…」
まるで何かを確かめるような、試しているかのような声色に背筋がゾクリとする。
「どうせ一緒に暮らし始めてからろくに発散できてないんだろ?」
「え、な、何の話…?」
「彗」
大好きな瞬ちゃんの声がいつもより低く響く。
有無を言わせない圧のようなものを感じ、俺は言葉を詰まらせた。
「答えろよ」
心臓がバクバクと脈打ち呼吸が浅くなっていく。
これは一体どういう状況なのだろう? 瞬ちゃんは何をしようとしているんだろう? 思考が全く追いつかない。
「…ぃ、」
遠くでなにか声が聞こえる。
「おい、彗。起きろ」
誰かに何度も肩を揺さぶられ、そこで俺はハッと目が覚めた。
瞼を開くと目の前には眉間に皺を寄せてこちらを見つめている瞬ちゃんがいた。
「……あれ、瞬ちゃん……」
「大丈夫か?なんかすごいうなされてたけど」
何のことだろうと一瞬考えたが、すぐに自分が風邪を引いていたことを思い出した。
確か瞬ちゃんは買い出しに行っていたはず…俺はいつのまにか寝てしまったのだろうか。
そんなことを考えているうちにだんだん頭が冴えて来た。
「うん、平気」
俺がそう言うと瞬ちゃんは少しだけホッとしたように息を吐いて「よかった」と言った。
「怖い夢でも見たのか?」
「…んー…なんか…変な夢見たような…」
「まぁ、発熱してる時っておかしな夢見るもんだしな」
思い出そうとしてみるが、どんな内容だったかぼんやりとしか覚えていない。
ただひとつわかるのは、なんとなく嫌な予感がするという事だ。
「とりあえずこれ飲んどけ」
瞬ちゃんはそう言ってスポーツドリンクを差し出してくる。
「ありがと……あ、寝てる間に貼ってくれたんだ」
俺は額に手をやるとそこには冷却シートの感触があった。
「ああ」
「へへ、瞬ちゃんやさしー」
「別に普通だろ」
俺はペットボトルを受け取りキャップを開けて喉に流し込む。
冷たい液体が渇いた体に染み渡るようで心地が良い。
「今朝より顔色良くなったな」
「へへ、お陰様で」
「でも結構汗かいてるみたいだし着替えた方が良いかもな」
そう言われて初めて自分の着ていたTシャツがびっしょりと濡れていることに気付いた。
確かにこの不快感のまま眠りにつくのはあまり良いとは言えなさそうだ。
「タオルと着替え持って来るわ」
「ありが…」
瞬ちゃんのその言葉で突然先程の夢の内容が鮮明に蘇ってきた。
「……あの、瞬ちゃん」
「ん?」
「………なんかお腹空いたかも」
「お、食欲戻ったか!美味いおかゆ作ってやるから待ってな」
「うん、お願い」
嬉しそうに部屋を出て行く瞬ちゃんの背中を見送ったあと、俺はそっとベッドを抜け出してトイレへ駆け込んだ。
そして恐る恐るボクサーパンツの中を確認する。
「……セーフ…」
あんな夢を見てしまった時点でアウトなのかもしれないが、とりあえず最悪の事態は免れたようだ。
俺は安堵のため息を漏らすと、しばらく扉にもたれかかって気持ちを整理していた。
それにしても妙にリアルな夢だった。
高校の頃はあの手の夢を見ることも何度かあったが、ここ数年はめっきりなくなっていた。
あれは俺の願望なのだろうか。
思い返すとまたドキドキと心臓の鼓動が激しくなってきた。
夢の中で瞬ちゃんに触れられた場所がズキズキと熱い。
『これ以上の関係を望むつもりはなかった』だなんて言っておきながらなんて有様だ。
「はぁ~…」
いや、あんないかがわしい夢を見たのはきっと熱のせいに違いない。
俺は自分に言い聞かせるように心の中で呟いてなんとか平常心を取り戻そうとした。
大量に汗をかいたおかげで思いの外早く熱が下がってくれたのは不幸中の幸いだったが、結局俺は瞬ちゃんに夢の内容を伝えることはできなかった。
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