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二 ※
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「愛しい愛しい元婚約者様か」
ヘインズが立ち去りその背を見つめるウルスラにベルトルドは声をかけた。
「あら、ベル」
「どうも」
「本日訪問の予定はあったかしら」
「…」
先程までの熱は冷めて、適当にあしらわれる。
「一応俺、君の夫になる予定なんだけど」
「一応ではなく決定ですけど」
「はぁ…貴族だから心が伴わない結婚もあるとはわかっているけど…」
「?そうですわね。ですが、私はちゃんとベルを好いていますよ?」
ヘインズに愛を伝える程の熱さはなく、それでもベルトルドには好意を伝えた。
ベルトルドは、未だにウルスラのその心が理解できていない。
「つまり、ヘインズ様は推しなのです推し!ベルとは違うジャンルでの愛なのです。わかりますか?」
ヘインズ様は外から愛でるのが丁度良い。
一旦は婚約して近くで萌え散らかしていたが、一歩引いて外から眺めるのが至高だと気づいた。
推しに愛する者が出来れば、仲を睦まじくするその様を見てニヤニヤしたい。その空間に私という存在は必要ない。
そして、推しからの要望なら一ファンとしてできる限り応えたいのだ!
伝われ!この想い!
毎回、そう熱烈に語られるが、ベルトルドには全く伝わらない。
可哀想な子を見る目でウルスラを見ている。
ベルトルトとウルスラの出会いの切欠も、ヘインズのあの発言とウルスラの突飛な行動から始まった。
ーーー
二人が通っていた学園は小さな社交界だ。
本格的なデビューを前に作法や規則、エスコートやダンスを学ぶための施設だった。
学園入学の条件は、婚約者又はパートナーが居ること。
園内では基本的に二人一組で行動することになる。
ヘインズが魅了された男爵令嬢と良い仲になったせいで、余り物だった者同士のベルトルドとウルスラで行動することになった。
「ベルトルト様。お願いがあります。私を淫乱淫婦にして下さい!」
茶会作法の席で、含んでいたお茶を対面していたウルスラに盛大に吹きかけてしまった。
あらあら。減点ですよ?などと宣うウルスラに対し、自分は悪くないだろうと思っていた。
変わった令嬢だとは思っていたが想像以上にぶっとんでいた。
「どうせ婚約者には相手にされていないのでしょうから、構わないでしょう?」
それはお互い様だと思ったが口にはしなかった。
ベルトルドは実家からほぼ無理矢理学園に押し込まれた。長子なのに剣の道を諦めきれずにいたからだった。
どこからつれてきたのかもわからないような男爵令嬢をパートナーに当てられて学園に入れられたのだ。反発しかなかった。
当然、学園内で問題を起こすことにも抵抗がない。
他者の公爵子息の婚約者に手を出す。そうなれば、最弱の実家は吹き飛ぶだろう。
ウルスラ自身がそれを望んでいるなら構わないだろう。
侯爵家の子息は、一時の遊びを楽しんでいるようだし。
「んっ…んん、ベル、トルド、さま」
「っなんだ」
「いたい、です」
ベルトルドは寮の部屋にウルスラを連れ込み、寝台に押し倒した。
まだ抵抗のある其処を潤わせ解し、ぐっぐと起立を押し当て入り込もうとする。
狭いとは思ったが、まさか純潔だったとは思わなかった。
ベルトルトを挑発して閨に誘う女がまさか、と。
「止めよう」
「は?なに、いってくれてるのですか?りっぱないんらんに、してくれるって」
「そんなことは一言も言っていない」
腰を引けば、背に腕を回されて抱きつかれる。
逃さないと必死に掴んでくる。
爪を立てるな。
「離せ」
「いやでーす」
「ふざけるな」
「本気です」
此方を見上げるウルスラの瞳は真剣だった。
しかし…
「あなたごのみのいんらんまんこにしてください」
…やっぱりふざけている。
胡乱な目でウルスラを見下ろし、ため息を吐いた。
ヘインズが立ち去りその背を見つめるウルスラにベルトルドは声をかけた。
「あら、ベル」
「どうも」
「本日訪問の予定はあったかしら」
「…」
先程までの熱は冷めて、適当にあしらわれる。
「一応俺、君の夫になる予定なんだけど」
「一応ではなく決定ですけど」
「はぁ…貴族だから心が伴わない結婚もあるとはわかっているけど…」
「?そうですわね。ですが、私はちゃんとベルを好いていますよ?」
ヘインズに愛を伝える程の熱さはなく、それでもベルトルドには好意を伝えた。
ベルトルドは、未だにウルスラのその心が理解できていない。
「つまり、ヘインズ様は推しなのです推し!ベルとは違うジャンルでの愛なのです。わかりますか?」
ヘインズ様は外から愛でるのが丁度良い。
一旦は婚約して近くで萌え散らかしていたが、一歩引いて外から眺めるのが至高だと気づいた。
推しに愛する者が出来れば、仲を睦まじくするその様を見てニヤニヤしたい。その空間に私という存在は必要ない。
そして、推しからの要望なら一ファンとしてできる限り応えたいのだ!
伝われ!この想い!
毎回、そう熱烈に語られるが、ベルトルドには全く伝わらない。
可哀想な子を見る目でウルスラを見ている。
ベルトルトとウルスラの出会いの切欠も、ヘインズのあの発言とウルスラの突飛な行動から始まった。
ーーー
二人が通っていた学園は小さな社交界だ。
本格的なデビューを前に作法や規則、エスコートやダンスを学ぶための施設だった。
学園入学の条件は、婚約者又はパートナーが居ること。
園内では基本的に二人一組で行動することになる。
ヘインズが魅了された男爵令嬢と良い仲になったせいで、余り物だった者同士のベルトルドとウルスラで行動することになった。
「ベルトルト様。お願いがあります。私を淫乱淫婦にして下さい!」
茶会作法の席で、含んでいたお茶を対面していたウルスラに盛大に吹きかけてしまった。
あらあら。減点ですよ?などと宣うウルスラに対し、自分は悪くないだろうと思っていた。
変わった令嬢だとは思っていたが想像以上にぶっとんでいた。
「どうせ婚約者には相手にされていないのでしょうから、構わないでしょう?」
それはお互い様だと思ったが口にはしなかった。
ベルトルドは実家からほぼ無理矢理学園に押し込まれた。長子なのに剣の道を諦めきれずにいたからだった。
どこからつれてきたのかもわからないような男爵令嬢をパートナーに当てられて学園に入れられたのだ。反発しかなかった。
当然、学園内で問題を起こすことにも抵抗がない。
他者の公爵子息の婚約者に手を出す。そうなれば、最弱の実家は吹き飛ぶだろう。
ウルスラ自身がそれを望んでいるなら構わないだろう。
侯爵家の子息は、一時の遊びを楽しんでいるようだし。
「んっ…んん、ベル、トルド、さま」
「っなんだ」
「いたい、です」
ベルトルドは寮の部屋にウルスラを連れ込み、寝台に押し倒した。
まだ抵抗のある其処を潤わせ解し、ぐっぐと起立を押し当て入り込もうとする。
狭いとは思ったが、まさか純潔だったとは思わなかった。
ベルトルトを挑発して閨に誘う女がまさか、と。
「止めよう」
「は?なに、いってくれてるのですか?りっぱないんらんに、してくれるって」
「そんなことは一言も言っていない」
腰を引けば、背に腕を回されて抱きつかれる。
逃さないと必死に掴んでくる。
爪を立てるな。
「離せ」
「いやでーす」
「ふざけるな」
「本気です」
此方を見上げるウルスラの瞳は真剣だった。
しかし…
「あなたごのみのいんらんまんこにしてください」
…やっぱりふざけている。
胡乱な目でウルスラを見下ろし、ため息を吐いた。
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