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本編
14 解き放たれた日(マルゲリータ視点)
しおりを挟む私はマルゲリータ・ラドルファスと申します。
ラドルファス大公女として生を受けました。
父は健在ですが、母は私が3歳の時に病気で亡くなってしまわれてほとんど記憶はありません。
母が亡くなってからはずっと独身を貫いてきた父ですが、最近気になる女性ができたようです。
そう、私と兄の家庭教師のケイトリン先生です。
とても素晴らしい女性で、ケイトリン先生がお母様になってくれるのなら私は父の再婚に賛成します。
でも実は、少し前までの私は新しいお母様が欲しいなんて思いもしませんでした。
私にとって大人の女性は、厳しく、意地悪で、悪魔のような存在でした。
どうして私がそんなふうに感じていたのか、そしてケイトリン先生が私に何をくださったのか、それを語るには、5歳の頃の辛い記憶からお話しせねばなりませんね。
「マルゲリータ、今日からお前に家庭教師をつけることにした」
「フランチェスカと申します。マルゲリータ様、今日からよろしくお願い致します」
5歳の誕生日を迎えたばかりの私の前に、あの悪魔が現れました。
フランチェスカ・キューブリック。
亡き母の親戚筋の女性だということでした。
父は成長が周りに比べてのんびりしていた私を心配し、いずれ来る社交デビューに向けて早めに淑女教育を始めることにしたようです。
少し前からグリフィンお兄様が家庭教師による教育を始めていたため、勉強というものに多少のあこがれを抱いていた私は特に抵抗なく受け入れました。
まさかこの日から、地獄が始まるなんて…。
最初の三日は、特に何事もなく過ぎました。
フランチェスカは座っているときの姿勢や礼をするときの角度など、優しく丁寧に教えてくれました。
今から思えば、私の性格や周囲の視線を注意深く観察していたのでしょう。
そして私がどちらかといえば内向的な性格であることに気づくと、彼女は本性を現したのです。
「こんなこともできないの?!」
大声ではないですが、耳元で意地悪く叱責され、私は身を竦めました。
フランチェスカは教鞭を両手に持ち、私の前に立ちます。
「さあ、後ろを向いて早く捲りなさい」
「せ、先生…。ごめんなさい…もっときをつけます。もっとがんばりますから」
びしっ、と空気を切る音に口を閉じます。
「言い訳はいいのよ。早くスカートを捲りなさい。下着も脱ぐのよ」
「は…い…」
私は諦めて、言われた通りにしました。
あらわになった尻に、フランチェスカの教鞭がばしり、ばしり、と叩きつけられます。
「いたっ…っ、いたいっ、いたいっ!」
「大きな声を出すと、もっとぶつわよ!」
「…っっ」
悲鳴を上げることさえ許されず、私のお尻は叩かれ続けました。
見ることはできませんが、きっと真っ赤になっているはずです。
ようやく解放され、床に座り込んだ私をフランチェスカは嘲りました。
「本当に物覚えが悪い子だこと」
「ご、ごめんなさい…」
今日はお茶を頂く際のマナーを勉強していました。
まだ字を読むのもおぼつかない私に分厚い教本を渡し、一日で暗記するようにと無理な要求をされました。
そして彼女の質問に答えられなかったら折檻です。
最初の淑やかそうな様子が嘘だったかのように、フランチェスカは意地の悪い顔で私を嬲ってきました。
そうして私に言い聞かせるのです。
お前はできの悪い、大公家の恥だ。
父親も兄も、使用人たちもお前を恥ずかしく思っている。
私はお前を親切に矯正してやっているのだ。
ありがたく思いなさい。
何度も何度も繰り返し囁かれ、5歳だった私はすっかり彼女の奴隷になっていました。
成長した今だからこそわかります。
あれは、私を言いなりにするためのマインドコントロールでした。
フランチェスカは私という存在を利用して、お父様の後妻の座に収まろうとしていたのでした。
この地獄は半年も続きました。
お兄様や侍女長など、様子がおかしいと気が付いてくれた人たちもいたのですが、フランチェスカは狡猾に立ち回っていて、尻尾を掴めなかったようです。
そしてとうとうあの日がやって来ました。
「この薬をアーロン様の飲み物に入れなさい」
「え…」
「断ったらどうなるか分かっているわよね?」
「は、はい。言われた通りにします」
晩餐の前、フランチェスカは白い粉薬を私に手渡しました。
私は何も考えられず頷いていました。
いうことを聞かなければ、またぶたれてしまう。
悪い子の私は先生の言うことを聞かなきゃ…。
そればかりが頭の中をぐるぐると巡っていました。
そして晩餐が始まる直前、テーブルのセッティングをしていた侍女に「水が飲みたい」と頼みました。
侍女が水を取りに行っている間、お父様が使うワインのピッチャーに薬を入れます。
今日はお客様はいないので、ワインはお父様しか飲みません。
ピッチャーはガラス製でしたが半透明だったので、だれも私が薬を入れたことに気が付きませんでした。
そのまま食堂で待っているとお父様とお兄様が入ってきて、晩餐が始まりました。
「薬は入れたの?」
「はい。ワインの中に…」
「いいわ、よくやったわね」
私は驚いてフランチェスカを見上げました。
彼女に褒められたのは初めてです。
私の視線に気づくこともなく、フランチェスカは悠々と自分の部屋へと戻っていきました。
その後姿を見ながら、私はようやく大変なことをしたのかもしれないと気が付きました。
お父様に、訳の分からない薬を飲ませるなんて…。
あれが毒だったらどうしよう。
無意識のうちに自室に戻ったものの、私はベッドに腰かけたままぼんやりとしていました。
どれくらい経ったのか、私は廊下に人の気配があることに気が付きました。
時計を見ればとっくに日付は変わっていて、使用人たちも寝静まっている時間です。
ドアを少しだけ開けてそっと隙間から覗けば、案の定廊下を歩いていたのはフランチェスカでした。
彼女が向かった先は…。
私はフランチェスカが見えなくなると同時に、使用人の居住区へ走りました。
お父様が危ない。
フランチェスカがお父様に何か良くないことをしようとしているのだけは分かります。
そして居住区に足を踏み入れると、運よく執事長が自室に入ろうとしていたところに行き当たりました。
たまたまお不浄に出ていたようです。
「マルゲリータお嬢様、こんなところへどうされたのですか?」
「お、お父様が…大変なの!」
「旦那様がいかがなさいました?」
執事長の顔つきがすぐに変わる。
今縋れるのは彼しかしません。
なんとしてもお父様の部屋の前まで連れて行かなくては!
私は必死に仮初の理由を考えました。
「眠れなくて…お父様の部屋の前をたまたま通ったの。そうしたら、苦しそうな声がして…。お部屋の中で倒れているのかもしれないわ」
執事長の行動は早かったです。
すぐにお父様の二人の従者をたたき起こし、三人とも身だしなみもそこそこにお父様の部屋へと向かったのでした。
そこで目にした光景は…。
当時の私には教えていただけませんでした。
ただ次の日、「フランチェスカは解雇した。もう二度とこの屋敷の門をくぐることはない」というお父様の言葉を聞いて、とてもほっとしたものです。
でも私はこの時、してはいけないことをしてしまいました。
フランチェスカに命令されたとはいえ、お父様のワインに薬を入れたのは私です。
なのにそのことをどうしてもお父様に伝えることができませんでした。
言ったら最後、お父様に見放されるかもしれない。
そんな恐怖がずっと私を縛り付けていました。
そして真実を隠したまま、フランチェスカに虐げられない日常が戻ってきました。
何もかも元通りににはなりません。
お父様には隠し事をしていますし、私は大人の女の人がすっかり恐ろしくなってしまっていました。
成人女性独特のあの匂いを嗅ぐだけで身が竦み上がります。
侍女長やずっと世話をしてくれていた乳母ですら、私は拒絶していました。
お父様やお兄様が様子がおかしい私にやんわりと理由を聞きに来ましたが、それでも私はフランチェスカにされたことや、自分の罪を告白することができませんでした。
恐ろしいフランチェスカはもういないのに、私は心の中に自分自身で牢獄を作って立てこもってしまったのです。
「マルゲリータ、新しい家庭教師が決まったよ」
お父様のその言葉に、私はとうとうその時がやって来たのだと思いました。
フランチェスカが去ってから一年半。
部屋に閉じこもったままの私に、お父様は新しい家庭教師をつけることにしたのです。
私もこのままでは行けないということはぼんやりと分かっていました。
でもその新しい家庭教師の存在こそが、あの悪魔からの呪縛を解いてくれたのです。
「お初にお目にかかります。グリフィン様、マルゲリータ様。ケイトリン・ウォーターハウスでございます。本日より、お二人の教師を住み込みでさせていただきます」
ケイトリン先生は、すみれ色の瞳が特徴的な、とても美しい女性でした。
貴族出身で美人だという点ではフランチェスカと同じはずなのに、「先生」と呼ぶにふさわしい落ち着きと、匂い立つ気品はあの女にないものでした。
すでに結婚を経験されていて、二人もお嬢さんがいるからでしょうか。
子持ちだということは事前に聞いていましたが、どちらの娘さんも私より年上だったので驚きました。
「お二人とも、こちらへ来てお座りになってください。明日からの授業のために、色々と話を聞きたいのです」
ケイトリン先生は外国の血を引かれていて、その国の語学や礼儀作法にも精通しているということで、今回はグリフィンお兄様も一緒に授業を受けることになっています。
私がおどおどしている横で、ケイトリン先生とお兄様は語学の話で盛り上がっていました。
話がいち段落すると、ケイトリン先生が私の方へ意識を向けたのを感じ取りました。
「マルゲリータ様、お好きな本はございますか?」
「本…ですか?」
「ええ。物語でも、図鑑でも、何でもいいですわ」
「…何でも好きです」
「最近では何を読まれましたか?」
「今は『アリステア』を読んでいるところです」
「まあ、あの長編小説ですか?どこまで読まれましたの?」
「今は十五巻目です」
「アリステア」は、とある富豪に妾として嫁いだ女性が、正妻や他の妾のいじめに耐えながら、最後は主人の愛を勝ち取り、追放された正妻に代わってその座に座るというサクセスストーリーです。
後日談として彼女の娘の話もあるので、全部で十八巻にも及ぶ長編となっています。
とにかく時間を潰したくて手に取った小説でしたが、もともとは海を隔てた東の国の話らしく、文化の違いなどに驚きながら読んでいるうちにのめりこんでしまっていました。
「その前はどんな本を?」
「あ、あとは…『ミカの冒険』などでしょうか」
「まあ!あれは物語仕立てにしてあるとはいえ倫理の本ですよ。大人でも難しい本なのに」
「お父様が王宮図書館の館長ですから、色んな本を借りてきてくださいます」
ケイトリン先生はお話しが上手で、私はいつの間にかこれまで自分が読んだ本のことをぺらぺらと話していました。
饒舌な私を見てお兄様が驚いています。
私もこんなに口を動かしたのは久しぶりな気がしました。
こうして新しい先生がやってきて、私の引きこもり生活は劇的に変化したのです。
ケイトリン先生は、私が大人の女性が苦手なことにすぐに気が付いたようです。
フランチェスカの時とは違い、決して私と二人きりにならないように気を使って下さっているのがすぐに分かりました。
淑女教育はひとまず後にまわされ、お兄様と共に外国の語学や文化を学ぶところから始まりました。
社交デビューが終わっているお兄様が留守の時には、授業はお休みです。
引きこもりから急に勉強付けになった私は、ここぞとばかりに自室に籠って本を読んだりしました。
そんな生活が一か月ほど続き、私もお兄様も、ケイトリン先生のいる生活に慣れてきました。
ケイトリン先生の授業は淡々としていますが分かりやすく、声を荒げることがありません。
それでも私はフランチェスカの豹変ぶりがまだ記憶に強く残っていて、グリフィンお兄様ほどケイトリン先生を信用することができていませんでした。
その日もグリフィンお兄様がお友達に誘われて出かけていました。
お父様は仕事が忙しいのか、ここ数日は王宮に泊まり込む日々が続いています。
これまでは午前中はお屋敷の執務をして、午後から王宮に向かわれていたのに…どうされたのでしょうか。
ケイトリン先生が今日も授業はお休みだとおっしゃいましたので、私は今日も部屋で読書をしようかと思っておりましたら、「今日は中庭でお茶でもしませんか?」と先生に誘われました。
私は一瞬迷いましたが、中庭なら近くに厨房があって人の目もありますし、屋内ではないので解放感もあります。
ケイトリン先生が気を使いつつも、私のために誘ってくれたことを察し、了承したのです。
「今日はいい天気になりましたね」
「…はい」
「グリフィン様は今日は狐狩りでしたかしら。お土産が楽しみですね」
「…はい」
「きょ、今日のおやつはぶどうケーキですのね。お、おいしいですわね」
「…はい」
「…」
いざお茶会になってみると、私はがちがちに緊張してしまいました。
ケイトリン先生には申し訳ないですが、受け答えするだけで精一杯です。
こんなにみっともない姿を見せて、ケイトリン先生に失望されていませんでしょうか。
私は急に不安になり、下に向けていた視線を少し上げました。
すると、裏門がある方から人が歩いてくるのが視界の端に映りました。
裏門は見張りの門番と、月に一回やってくる庭師くらいしか使いません。
誰だろうかと何気なく顔を向けて…。
私の呼吸は止まりました。
フランチェスカ!
一年半ぶりでしたが、忘れるはずもないあの女でした。
病的なほど青白い肌で頬はこけ、目の下には茶色いくまがあります。
顔はそんな状態なのに、まとっているのは毒々しい真っ赤なドレス。
亜麻色の髪も艶をなくしてぼさぼさで、こちらに向かって歩いてくる様子は幽鬼に他なりませんでした。
隣のケイトリン先生も、私に少し遅れてフランチェスカの存在に気づいたようです。
「な、な…な、なに…なに、あなた…?」
ケイトリン先生の声が遠くに聞こえます。
私は金縛りにあったように体が動きませんでした。
「アーロン様は…どこなの?」
ぞろっとした声がします。
ケイトリン先生が息をのんでいますが、間違いなく、その問いは私に向けられたものでした。
「私のアーロン様…あなたが隠したの!?」
「ち、ちが…ごめん、なさい」
怖い、怖い、怖い…!
ごめんなさい、ごめんなさい…お願い、ぶたないで!!
痛いのは嫌よ!
「さあ、一緒に来るのよ。アーロン様に言うのよ…私が妻に一番ふさわしいって…。できたら今までのこと、全部許してあげるわ」
いう通りにしなくちゃ。
でも…でも…体が動かない。
ごめんなさい、ごめんなさい、許してください。
もう私は気を失いそうでした。
「てぇいっ!」
「…ぎゃあっ!」
その時、聞いたことのないような悲鳴が響きました。
「おりゃっ!…このっ!!」
「ひっ、な、なにっ」
顔は上げられないが、食器が割れる音が耳の端でしました。
ケイトリン先生が皿やフォークなどをフランチェスカに投げつけているようでした。
「マルゲリータ様、早く逃げて!誰か呼んできて!!」
そこでようやく私は正気に戻りました。
誰かを呼んでこなくては。
フランチェスカを追い出してもらわなくては。
なのに相変わらず足は動きません。
体はガタガタ震え、息をするのでさえ難しいのです。
そうこうしているうちにケイトリン先生は儚い見た目と裏腹に椅子を使ってフランチェスカに突進し、組み伏してしまいました。
しかしフランチェスカも負けていません。
華奢なケイトリン先生を押しのけようと必死に暴れています。
「誰か、だれか来てーーーーー!早く!!ヴァレンティーナ!ティファニー!!侍女長様ーーー!大公閣下ーーー!!!」
どうすれば…どうすればいいの?
このままではケイトリン先生が危ない。
どうして私の体は動かないの!?
「マルゲリータ!!無事か!?」
助けは唐突に現れました。
声をかけられてから数秒遅れて、私はゆっくり顔を上げます。
待ち望んだ父の姿でした。
私は父に飛びつきました。
「お父様…っ。ごめんなさい、ごめんなさい…」
「マルゲリータ…無事でよかった」
私は安心のあまりそのまま気を失ってしまいました。
次に目が覚めたのはもうその日の真夜中でした。
自室ではなく父の寝室で目覚めた私に父と兄が駆け寄ります。
「マルゲリータ、マルゲリータ…ああ、よかった…」
「お兄様…」
いつも明るいお兄様が、青い顔をして涙ぐんでいました。
「マルゲリータ、恐ろしい思いをさせたね。すまなかった」
「お父様」
お父様もつらそうな顔をしながら私の手を握ります。
「私のせいだ。フランチェスカがあんな行動をとるとは思わなかった。ウォーターハウス夫人にも申し訳ない」
「…、先生!ケイトリン先生はご無事なのですか?!」
「腕に傷を負われているが、命に別状はない。少しショックを受けているから、今日はもう自室に下がってもらっている」
「先生が…怪我を…」
「フランチェスカは王宮の騎士が拘束した。大公の屋敷に乗り込んで、家人の命を危険にさらしたのだからね。恐らく死罪になるだろう」
フランチェスカの処遇は私の頭には入って来ませんでした。
思い出すのは、私を守ろうと必死に闘ってくれたケイトリン先生の姿です。
「…わたしのせいだわ」
「マルゲリータ?」
「ごめんなさい、ごめんなさい…お父様…ケイトリン先生」
「マルゲリータ、どうしたんだい?何を謝るんだ」
「そうだよ、マルゲリータ。悪いのはフランチェスカだ。お前が謝る必要がどこにあるんだ?」
お父様もお兄様も怪訝な顔をされます。
でも私はもう黙っては居られませんでした。
「お父様…、私なの!一年半前、お父様のワインに薬を入れたのは、私なの!」
「マルゲリータ…」
「ごめんなさい、ごめんなさい。フランチェスカが怖くて…どうしても逆らえなかったの…ごめんなさい」
「本当なのか?」
父の問いに、私はこくりと頷きました。
はずみで溢れていた涙がぽろぽろと零れます。
そのまま私は、フランチェスカとの間にあったことをゆっくりと話し始めました。
お尻を叩かれていたことを口にするのは辛かったですが、だからこそ父は私が当時訴えられなかったことを理解したようです。
「マルゲリータ、そんなことがあったのか。気づいてやれなくてすまなかった」
「許して、お父様…」
「もちろんだよ。誰がお前を責めたりなどするものか」
お父様は私を優しく抱きしめて下さいました。
「ケイトリン先生も許して下さるかしら?家庭教師を辞めたりなさらないわよね?」
「先生には私からもよくお願いしておくよ。あとで一緒に謝りに行こう」
「はい、はい…」
この日、私はようやく囚われていた心の牢獄から抜け出すことができました。
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