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1章 物語のあらすじは分かりやすい方がいい
第2話 回想は長くなるものだ
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おどおどしながらも手際よく暗殺の任務をこなす子って可愛くないか?……ああ、その話はいいって?仕方ないな。
目が覚めると……と言う表現が適切なのかはわからないが、気がつくと俺は自分の部屋の椅子に腰掛けていた。部屋の時計を見ると時刻は20時を回ったところで、カーテンの隙間から見える外はある程度の暗さを保っている。満点の星空が俺を出迎えてくれれば、気分も良いのかもしれないが、残念ながら、俺の住むこの街は通学にも通勤にも便利なそこそこの都会だ。星空なんて見えやしない。せいぜい、月明かりがぼんやりとあたりを包んでいる程度。
「やっぱり、今回もここからか」
毎回、このボタンを使って戻されるのは俺が高校2年の冬、12月20日の20時7分ぐらい。こうも何度も戻っていると言うのに誤差なく、この日に連れてこられる。
あの時、弟に時間指定機能も付けさせればよかったなーとボタンをカチカチいじってはみるが、何も変化は起きない。どうにも、このボタンは俺が本気でヤバい!だとか次行こ!と思わない限りは何も機能しないようで、これは新手の主人公補正と割り切ってはいるが、正直、一応やり直しはできる程度のもので、あまり役には立たない。
俺が弟に殺されでもしたら、世界が終わるのか……と思うと、少しだけ物語の主人公になれたような優越感を抱けなくもないが、生憎、こちとらソロプレイだ。気の置ける仲間もいなければ、協力を仰ぐことすらできない。ん?なんだよ、24回もループしてて、ぼっち乙とでもいいたいのか?いや、俺なりに試してはみたが、結局――
コンコン、と響き渡るノックの音に思わず、肩を竦める。はっとしたように時計を見ると、秒針は20時12分を指し示していた。
「兄さん、少し良いですか?」
声の主が誰かなんて、言わなくとも分かるだろう。先程まで絶賛闇堕ちをしていた我が弟、明だ。
「……どうした?」
「少し、相談事がありまして」
切り出された言葉は何度も聞いているはずなのにやけに俺の心臓ばバクバクと音を立てる。ループしていて気づいたことだが、ここが物語のスタート地点、つまりは起承転結の起にあたるらしい。
このイベントさえ、回避出来れば世界はいつも通り平穏に過ぎていくのかと思わなくもないが、どうにも、あのポンコツボタンはこれよりも前には戻してくれない。さすが我が弟のボタンだ。ボタンさえも性根が腐ってる。……俺ほどでは無いが。
「相談ごとねえ。……恋愛相談とか言うなよ?」
「はは、すごい、やっぱり、兄さんは私のことをよく分かっているんですね」
さも、嬉しそうに笑う弟。毎回俺はフラグ回避のために釘を刺しているのだが……どうにも、この弟は刺した釘を全力で引っこ抜きにくる。
そうだな、こいつの嫌いなところは沢山あるが、こうやって、ド底辺の俺をやたらと持ち上げるところも大嫌いだ。なんなら、自分が俺に好かれていると思い込んでいるところも、嫌いだ。
「兄さん、私、好きな人が出来たんです」
来ましたよ。闇落ちフラグ確定ワード。どうすんだよ。……なあ、そこのお前、俺とちょっと世界を救わないか?ほら、画面を叩き割りでもして、こちらに干渉してくれ。俺もこうやって、そちらに干渉できてるんだ。お前だってやれば出来るはずだよ。なあ、頼むよ。ダメか。
「好きな人って、あー……同じクラスの、ええと、吹雪さんだっけ?すんごい美形って評判の」
「兄さん、吹雪さんではなく、冬樹さんですし、彼なら隣のクラスですよ」
――何もかもがあってなかった。
ほら、確か13週目ぐらいの時に陽キャの連中が廊下で屯ってやたら、美形美形言ってたんだよ。面は拝んだことすらないってか、俺は立体物には興味が無いからな、どこの誰とも知らないが、そうか、男か。ヒロイン枠ですらなかったよ。
「じゃあ、ええと、」
言葉を濁そうとする俺と相反して、弟は珍しく瞳を輝かせながら、話を続ける。
「父さんに頼まれて、イラキまで行っていたのですが……」
「ああ、そういえば、そうだったな」
――やめろ、地名を出すな、覚えられないだろう。
“イラキ”ってのは……まあ、簡単に言えばここからかなり離れた田舎町だ。ファンタジーにありがちな活気溢れる市場はあれど、正直、ネット回線が通ってるのかさえ、疑うような場所だ。
俺達の暮らす街よりも、竜人だとか、人型から離れた種族の多い印象がある。安心しろ、美少女かは知らないがエルフの村も近くにあるぞ。焼かれてなきゃな。
「そこの市場に……その、」
恥じらうな、市場のくだりも、もう説明済みなんだから、これ以上、話を長くしないでくれ。
「好みの子がいたと。お前がそんなこと言い出すなんて、熱でもあるのか?」
「ないですよ。ただ、如何せん、誰かに好意的に思っていただくことはあれど、自分からと言うのは初めてで……」
この物語が俺の冒険譚だとか、魔王討伐物語だとか、大それたものではないのはお察しだろう。全てはここから始まってしまうんだ。――無知な弟が一目惚れをしてしまった。それだけなんだよ。
“兄さん、私、どうしたら良いんでしょう?”
耳に響く弟の声は否が応でも“1周目”の結末を思い出させる。1周目の俺は弟の話に興味なんてなくて、適当に答えたんだ。
“お前の好きにしろよ”――と。
思い返せば種を巻いてしまったのは俺だったのかもしれない。俺の言葉を鵜呑みにした弟が“赤い髪の少女”を連れて帰るまでに日は掛からなかった。むしろ、日数の差さえあれど、弟は俺が何と言おうがその少女を招いてしまう。過程は違えど、物語は必ず集約するのだ。
少女はどこにでもいるような普通の子だ。腰までの赤い御髪は艶やかなように見えなくもないが、だからと言って、弟が強く惹かれる理由は見当たらない。けれども、どうして、弟は――
「……それで、連れ帰ってきたと」
「ええ、だから、これから、彼女と暮らすんです」
赤い血は少女の髪によく馴染み、怯えきった少女は俺と弟を交互に見ては、ガタガタと身を震わせた。弟の笑みと相反するようにこびり付いた赤い染みは弟がしでかしたことを口よりも明確に物語る。
そういえば、何周目かの時に“この子の兄貴はどうした!?”と訊ねたら、物凄い剣幕で弟に問い詰められたな。……て、今はそんな話は良いか。1周目の回想を続けよう。
酷く嬉しそうな弟をみて、あの時の俺はこう思ったんだ。思ってしまったんだ。
――やっと、弟が俺より劣った。
ずっと、ずっと、ずっとずっと苦痛だった。いつでも他人は俺と弟を比べて、弟は凄いのに、弟は天才なのに、弟は、弟は!
小さい頃から、弟は何もしなくても100点が当たり前だった。何もしなくても誰からも好かれて、何もしなくても、何でもできた。
一方の俺はどうだ。同じ顔、同じ声、同じ親から産まれたはずなのに何もできない。人並みのことすら、できやしない。無我夢中で、食らいついて、漸く弟よりも劣る程度の学力。運動だって、ビリから数えた方が早いし、何をするにも失敗ばかりだ。
けれども、俺の家族は変わらぬように俺にも弟にも分け隔てなく愛情とやらを注いで、弟も、こんな出来損ないで何一つできやしない俺を“兄”だからと慕って!
だから、やっと、弟に勝てたと思ったんだ。だって、俺は誰も殺したことなんてない。血の匂いもこの時、初めて知ったし、怯えきった人間だって初めて見た。
――嬉しかったんだ。弟が自分よりも劣る様を見て、嬉しくて、嬉しくて。
だから、俺は放置した。狂っていく弟が少女を殺して、吸血鬼として起き上がらせたことも、何もかもを。
意外なことに弟は途中までは上手くやってたんだ。少女を洗脳して、偽りの学園生活を送って。……ああ、そうだ。その時、こんな俺にも友達はできたし、弟のことを差し引いても楽しい学園生活とやらを送れていた。
――だが、やはり、そう上手くはいかない。
気づけば、1人、また1人と殺されていって、最後に残ったのは弟と俺だった。
「なんで俺だけ生かした?」
「だって、私たち、家族じゃないですか」
話の通じない相手を初めてみたのもこの時だったと思う。
「なんででしょうね、なぜ、レイは私のことを好きになってくれなかったのか」
「そりゃ、人殺しを好きになるやつなんて、早々いないだろうよ」
「私、何を間違えてしまったんでしょう」
「さあな」
格好つけたい癖に足はガタガタと震えたし、横にころがっている俺を助けた友達の亡骸に泣いてる暇すらなかった。
「俺、帰るわ」
「どこへ?」
「家だよ家、自宅」
この時の俺がなんですんなり見逃されたのか、わからない。家に帰った俺はどうして良いか、何もわからなくて、ただ何かないのかと、荒らすように家中、目的もなく何かを探していた。
「あ、……」
押し入れの奥深く。もう使わないであろうガラクタばかりの箱にそれはあった。弟にノリで強請ったものの、使うことなく、放置していたボタン。確か、作らせてすぐに押して、何も起きなかったから、捨てたんだ。けれど、この時の俺はどうしようもなくて、縋るようにそれを押した。“皆”を助けてくれと願いながら――
「兄さん、私の相談、少しは真剣に聞いてくれても良いんですよ」
こうして、俺のループ物語は始まった。気が向いたら、1周目の過程や、他の週の回想もしていこう。
「とは言ってもなあ、俺に恋愛相談って……ああ、アレだ。親父にでも相談してみたらどうだ?」
「嫌ですよ、あんな色ボケジジイ」
「お前、相変わらず親父にキツいな!?」
さて、今回は何日後にこいつは赤髪の少女を連れてくるのだろうか?
目が覚めると……と言う表現が適切なのかはわからないが、気がつくと俺は自分の部屋の椅子に腰掛けていた。部屋の時計を見ると時刻は20時を回ったところで、カーテンの隙間から見える外はある程度の暗さを保っている。満点の星空が俺を出迎えてくれれば、気分も良いのかもしれないが、残念ながら、俺の住むこの街は通学にも通勤にも便利なそこそこの都会だ。星空なんて見えやしない。せいぜい、月明かりがぼんやりとあたりを包んでいる程度。
「やっぱり、今回もここからか」
毎回、このボタンを使って戻されるのは俺が高校2年の冬、12月20日の20時7分ぐらい。こうも何度も戻っていると言うのに誤差なく、この日に連れてこられる。
あの時、弟に時間指定機能も付けさせればよかったなーとボタンをカチカチいじってはみるが、何も変化は起きない。どうにも、このボタンは俺が本気でヤバい!だとか次行こ!と思わない限りは何も機能しないようで、これは新手の主人公補正と割り切ってはいるが、正直、一応やり直しはできる程度のもので、あまり役には立たない。
俺が弟に殺されでもしたら、世界が終わるのか……と思うと、少しだけ物語の主人公になれたような優越感を抱けなくもないが、生憎、こちとらソロプレイだ。気の置ける仲間もいなければ、協力を仰ぐことすらできない。ん?なんだよ、24回もループしてて、ぼっち乙とでもいいたいのか?いや、俺なりに試してはみたが、結局――
コンコン、と響き渡るノックの音に思わず、肩を竦める。はっとしたように時計を見ると、秒針は20時12分を指し示していた。
「兄さん、少し良いですか?」
声の主が誰かなんて、言わなくとも分かるだろう。先程まで絶賛闇堕ちをしていた我が弟、明だ。
「……どうした?」
「少し、相談事がありまして」
切り出された言葉は何度も聞いているはずなのにやけに俺の心臓ばバクバクと音を立てる。ループしていて気づいたことだが、ここが物語のスタート地点、つまりは起承転結の起にあたるらしい。
このイベントさえ、回避出来れば世界はいつも通り平穏に過ぎていくのかと思わなくもないが、どうにも、あのポンコツボタンはこれよりも前には戻してくれない。さすが我が弟のボタンだ。ボタンさえも性根が腐ってる。……俺ほどでは無いが。
「相談ごとねえ。……恋愛相談とか言うなよ?」
「はは、すごい、やっぱり、兄さんは私のことをよく分かっているんですね」
さも、嬉しそうに笑う弟。毎回俺はフラグ回避のために釘を刺しているのだが……どうにも、この弟は刺した釘を全力で引っこ抜きにくる。
そうだな、こいつの嫌いなところは沢山あるが、こうやって、ド底辺の俺をやたらと持ち上げるところも大嫌いだ。なんなら、自分が俺に好かれていると思い込んでいるところも、嫌いだ。
「兄さん、私、好きな人が出来たんです」
来ましたよ。闇落ちフラグ確定ワード。どうすんだよ。……なあ、そこのお前、俺とちょっと世界を救わないか?ほら、画面を叩き割りでもして、こちらに干渉してくれ。俺もこうやって、そちらに干渉できてるんだ。お前だってやれば出来るはずだよ。なあ、頼むよ。ダメか。
「好きな人って、あー……同じクラスの、ええと、吹雪さんだっけ?すんごい美形って評判の」
「兄さん、吹雪さんではなく、冬樹さんですし、彼なら隣のクラスですよ」
――何もかもがあってなかった。
ほら、確か13週目ぐらいの時に陽キャの連中が廊下で屯ってやたら、美形美形言ってたんだよ。面は拝んだことすらないってか、俺は立体物には興味が無いからな、どこの誰とも知らないが、そうか、男か。ヒロイン枠ですらなかったよ。
「じゃあ、ええと、」
言葉を濁そうとする俺と相反して、弟は珍しく瞳を輝かせながら、話を続ける。
「父さんに頼まれて、イラキまで行っていたのですが……」
「ああ、そういえば、そうだったな」
――やめろ、地名を出すな、覚えられないだろう。
“イラキ”ってのは……まあ、簡単に言えばここからかなり離れた田舎町だ。ファンタジーにありがちな活気溢れる市場はあれど、正直、ネット回線が通ってるのかさえ、疑うような場所だ。
俺達の暮らす街よりも、竜人だとか、人型から離れた種族の多い印象がある。安心しろ、美少女かは知らないがエルフの村も近くにあるぞ。焼かれてなきゃな。
「そこの市場に……その、」
恥じらうな、市場のくだりも、もう説明済みなんだから、これ以上、話を長くしないでくれ。
「好みの子がいたと。お前がそんなこと言い出すなんて、熱でもあるのか?」
「ないですよ。ただ、如何せん、誰かに好意的に思っていただくことはあれど、自分からと言うのは初めてで……」
この物語が俺の冒険譚だとか、魔王討伐物語だとか、大それたものではないのはお察しだろう。全てはここから始まってしまうんだ。――無知な弟が一目惚れをしてしまった。それだけなんだよ。
“兄さん、私、どうしたら良いんでしょう?”
耳に響く弟の声は否が応でも“1周目”の結末を思い出させる。1周目の俺は弟の話に興味なんてなくて、適当に答えたんだ。
“お前の好きにしろよ”――と。
思い返せば種を巻いてしまったのは俺だったのかもしれない。俺の言葉を鵜呑みにした弟が“赤い髪の少女”を連れて帰るまでに日は掛からなかった。むしろ、日数の差さえあれど、弟は俺が何と言おうがその少女を招いてしまう。過程は違えど、物語は必ず集約するのだ。
少女はどこにでもいるような普通の子だ。腰までの赤い御髪は艶やかなように見えなくもないが、だからと言って、弟が強く惹かれる理由は見当たらない。けれども、どうして、弟は――
「……それで、連れ帰ってきたと」
「ええ、だから、これから、彼女と暮らすんです」
赤い血は少女の髪によく馴染み、怯えきった少女は俺と弟を交互に見ては、ガタガタと身を震わせた。弟の笑みと相反するようにこびり付いた赤い染みは弟がしでかしたことを口よりも明確に物語る。
そういえば、何周目かの時に“この子の兄貴はどうした!?”と訊ねたら、物凄い剣幕で弟に問い詰められたな。……て、今はそんな話は良いか。1周目の回想を続けよう。
酷く嬉しそうな弟をみて、あの時の俺はこう思ったんだ。思ってしまったんだ。
――やっと、弟が俺より劣った。
ずっと、ずっと、ずっとずっと苦痛だった。いつでも他人は俺と弟を比べて、弟は凄いのに、弟は天才なのに、弟は、弟は!
小さい頃から、弟は何もしなくても100点が当たり前だった。何もしなくても誰からも好かれて、何もしなくても、何でもできた。
一方の俺はどうだ。同じ顔、同じ声、同じ親から産まれたはずなのに何もできない。人並みのことすら、できやしない。無我夢中で、食らいついて、漸く弟よりも劣る程度の学力。運動だって、ビリから数えた方が早いし、何をするにも失敗ばかりだ。
けれども、俺の家族は変わらぬように俺にも弟にも分け隔てなく愛情とやらを注いで、弟も、こんな出来損ないで何一つできやしない俺を“兄”だからと慕って!
だから、やっと、弟に勝てたと思ったんだ。だって、俺は誰も殺したことなんてない。血の匂いもこの時、初めて知ったし、怯えきった人間だって初めて見た。
――嬉しかったんだ。弟が自分よりも劣る様を見て、嬉しくて、嬉しくて。
だから、俺は放置した。狂っていく弟が少女を殺して、吸血鬼として起き上がらせたことも、何もかもを。
意外なことに弟は途中までは上手くやってたんだ。少女を洗脳して、偽りの学園生活を送って。……ああ、そうだ。その時、こんな俺にも友達はできたし、弟のことを差し引いても楽しい学園生活とやらを送れていた。
――だが、やはり、そう上手くはいかない。
気づけば、1人、また1人と殺されていって、最後に残ったのは弟と俺だった。
「なんで俺だけ生かした?」
「だって、私たち、家族じゃないですか」
話の通じない相手を初めてみたのもこの時だったと思う。
「なんででしょうね、なぜ、レイは私のことを好きになってくれなかったのか」
「そりゃ、人殺しを好きになるやつなんて、早々いないだろうよ」
「私、何を間違えてしまったんでしょう」
「さあな」
格好つけたい癖に足はガタガタと震えたし、横にころがっている俺を助けた友達の亡骸に泣いてる暇すらなかった。
「俺、帰るわ」
「どこへ?」
「家だよ家、自宅」
この時の俺がなんですんなり見逃されたのか、わからない。家に帰った俺はどうして良いか、何もわからなくて、ただ何かないのかと、荒らすように家中、目的もなく何かを探していた。
「あ、……」
押し入れの奥深く。もう使わないであろうガラクタばかりの箱にそれはあった。弟にノリで強請ったものの、使うことなく、放置していたボタン。確か、作らせてすぐに押して、何も起きなかったから、捨てたんだ。けれど、この時の俺はどうしようもなくて、縋るようにそれを押した。“皆”を助けてくれと願いながら――
「兄さん、私の相談、少しは真剣に聞いてくれても良いんですよ」
こうして、俺のループ物語は始まった。気が向いたら、1周目の過程や、他の週の回想もしていこう。
「とは言ってもなあ、俺に恋愛相談って……ああ、アレだ。親父にでも相談してみたらどうだ?」
「嫌ですよ、あんな色ボケジジイ」
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