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連載
隠れ里のエルフ達 伝説編~ダイジェスト~
エルフは魔法に愛されている。
それはもはや疑う余地もない真実だった。
一族の高い魔力の素養に加え、長い寿命。故に強い魔法と使い手に事欠かない。
いつしかエルフはこの世の真理に最も近いのは自分達だと信じるようになった。
しかしそんなある日、とある噂が耳に入る。
ある魔法使いが自分達よりも優れていると言うのだ。
エルフ達は話し合った。
「ならばどちらが優れているか、比べるのはどうだろうか?」
「魔法使いを自分達の里に招き、魔法で挑めばよい」
そうなればエルフは負けないだろう。
エルフは勝利を疑わなかった。
魔法使いはエルフの呼び出しに応じて現れた。
魔法使いが連れていたのは、虫と蛙と魔人である。
虫はエルフの心を惑わせ、エルフから物を巻き上げた。
蛙はエルフに嫌悪感を抱かせ、底なしの沼の様に心を沈ませた。
中でも特に魔人はすさまじく、かの者は十本の魔剣を携え暴れに暴れ、エルフの軍勢を蹴散らした。
エルフ達はそれでも魔法使いに挑み、自らの封じていた穢れさえ使って彼らを封じ込めようとした。
だが魔法使いは容易くそれを打ち破ると、エルフに言った。
「お前達は驕りが過ぎる。なぜそうやって自分達が大事なものを捨てていることに気がつかないのか?」
魔法使いは嘆き、そこにエルフを統べる者が現れ、魔法使いをなだめた。
「我々は自らに罰を与えよう。そして我々は汝の望むものを送ろう」
魔法使いは言った。
「何も欲しいものはない」
エルフを統べる者は尋ねた。
「なぜ? エルフと君が揃えば世界すらも与えられるだろう」
魔法使いは答えた。
「そんなものに興味はない。どうしてもというのなら、私は君達が穢れと呼ぶモノを貰い受けよう」
この時、エルフを統べる者にはわかっていた。
魔法使いが手を出していい存在ではない事を。
エルフは魔法使いの言う通りに自らの穢れを渡し、より清い存在になった。
だが魔法使いは言った。
「心得よ、エルフが私に渡した穢れこそ、エルフが見つめねばならないモノであったのだと」
魔法使いはエルフを統べる者と語らい、魔法の箱を残して去った。
エルフ達は考えた、アレはいったいなんだったのかと。
神か? それとも別の何かだったのか?
そして気がついた。
それがエルフの理解の外にあるものだと。
エルフは学んだ。自らにも理解が及ばない存在があるのだと。
だからこそエルフ達は魔法使いの箱を受け入れた。
自らが知らない何かを知るために。
そして魔法使いの言葉の意味を知るために。
エルフは箱を開ける。
箱は世界に繋がっていた。
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