文字の大きさ
大
中
小
169 / 197
連載
隠れ里のエルフ達 伝説編~ダイジェスト~
エルフは魔法に愛されている。
それはもはや疑う余地もない真実だった。
一族の高い魔力の素養に加え、長い寿命。故に強い魔法と使い手に事欠かない。
いつしかエルフはこの世の真理に最も近いのは自分達だと信じるようになった。
しかしそんなある日、とある噂が耳に入る。
ある魔法使いが自分達よりも優れていると言うのだ。
エルフ達は話し合った。
「ならばどちらが優れているか、比べるのはどうだろうか?」
「魔法使いを自分達の里に招き、魔法で挑めばよい」
そうなればエルフは負けないだろう。
エルフは勝利を疑わなかった。
魔法使いはエルフの呼び出しに応じて現れた。
魔法使いが連れていたのは、虫と蛙と魔人である。
虫はエルフの心を惑わせ、エルフから物を巻き上げた。
蛙はエルフに嫌悪感を抱かせ、底なしの沼の様に心を沈ませた。
中でも特に魔人はすさまじく、かの者は十本の魔剣を携え暴れに暴れ、エルフの軍勢を蹴散らした。
エルフ達はそれでも魔法使いに挑み、自らの封じていた穢れさえ使って彼らを封じ込めようとした。
だが魔法使いは容易くそれを打ち破ると、エルフに言った。
「お前達は驕りが過ぎる。なぜそうやって自分達が大事なものを捨てていることに気がつかないのか?」
魔法使いは嘆き、そこにエルフを統べる者が現れ、魔法使いをなだめた。
「我々は自らに罰を与えよう。そして我々は汝の望むものを送ろう」
魔法使いは言った。
「何も欲しいものはない」
エルフを統べる者は尋ねた。
「なぜ? エルフと君が揃えば世界すらも与えられるだろう」
魔法使いは答えた。
「そんなものに興味はない。どうしてもというのなら、私は君達が穢れと呼ぶモノを貰い受けよう」
この時、エルフを統べる者にはわかっていた。
魔法使いが手を出していい存在ではない事を。
エルフは魔法使いの言う通りに自らの穢れを渡し、より清い存在になった。
だが魔法使いは言った。
「心得よ、エルフが私に渡した穢れこそ、エルフが見つめねばならないモノであったのだと」
魔法使いはエルフを統べる者と語らい、魔法の箱を残して去った。
エルフ達は考えた、アレはいったいなんだったのかと。
神か? それとも別の何かだったのか?
そして気がついた。
それがエルフの理解の外にあるものだと。
エルフは学んだ。自らにも理解が及ばない存在があるのだと。
だからこそエルフ達は魔法使いの箱を受け入れた。
自らが知らない何かを知るために。
そして魔法使いの言葉の意味を知るために。
エルフは箱を開ける。
箱は世界に繋がっていた。
感想 3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
「お姉様の刺繍は素人ね」と笑った義妹の婚礼衣装——裏地を見た女官十二人が、一斉に針を置いた
歩人(あゆと)「お姉様の刺繍は、素人の手習いに見えますわね」――王太子妃となる異母妹アデリーナは、王宮女官たちの前で姉ローゼを笑った。翌週の婚礼の朝。式典装の最終確認のため、十二人の女官が衣装の裏地を検めた瞬間――一人、また一人と、針を置いた。裏地に縫い込まれていたのは、女官たちが十二年間ずっと探していた一筆の銀糸。即位式の絹外套、二人の王女の婚礼ドレス、亡き王太后の弔意の喪服。王家儀礼衣装のすべての裏地に、同じ手で、同じ糸で、同じ銀の花が縫い込まれていた。「アデリーナ様、これは――あなた様の手では、ございません」縫い手は、ずっと一人だった。それを十二年間、誰の名でも呼べなかっただけのこと。
【老化返却】聖女の若さは俺の寿命だった〜回復魔法の代償を肩代わりしていた俺を追放した報いだ。回復のたびに毛が抜け、骨がスカスカになるが良い〜
寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった「寿命を削って回復してやってたのに……感謝すらしないんだな」
聖女パーティの荷物持ち兼回復術師だった俺は、ある日突然パーティを追放された。
理由は「回復魔法のコストが寿命で、もうすぐ死ぬ無能はいらない」という勝手な思い込み。
だが、彼らは知らなかった。
俺の正体が、この世界の生命を司る世界樹の根源そのものだったことを。
俺の寿命は無限であり、俺がパーティにいたからこそ、彼らは「若さ」と「健康」を維持できていたのだ。
「俺がいなくなったら、誰が君たちの老化を止めるの?」
俺がいなくなった途端、聖女たちの身体に異変が起きる。
回復魔法を唱えるたびに、自慢の金髪はバサバサと抜け落ち、肌は土色に。
若さに溺れていた彼女たちは、骨がスカスカになり、杖なしでは歩けない老婆のような姿へと変わり果てていく。
一方、解放された俺は隣国の美少女皇女に拾われ、世界樹の力で枯れた大地を森に変える「現人神」として崇められていた。
「今さら戻ってきて? ……悪いけど、そのハゲ散らかした老婆、誰だっけ?」
すべてを失ってから「俺」の価値に気づいても、もう遅い。
これは、恩を仇で返した連中が、自らの美容と健康を代償に破滅していく物語。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
妹ばかり愛した家族へ。私が王太子妃になった日、皆さんは謝りました。けれど、もう遅いのです
由香【全一話完結】
幼い頃から妹の引き立て役として生き、婚約者まで奪われて家を追放された侯爵令嬢エレナ。
傷ついた彼女が助けた青年は、身分を隠した王太子だった。
一年後、王太子妃となったエレナの前に現れたのは、今さら「家族だから」と擦り寄ってくる両親と妹。
けれど彼女は、もう二度と振り返らない。
凱旋した英雄は聖女を選びました。~冬の補給路を守っていた私は静かに軍を去ります~
握夢(グーム)「君は後方にいただけだ」――
凱旋した英雄の婚約者からそう切り捨てられた私は、
静かに軍を辞職しました。
――冬の補給路管理。
――兵糧配分。
――医薬品輸送。
――損耗率管理。
全部、私の仕事だったのですが。
三週間後、
王国軍は補給崩壊。
「なぜ食糧が届かない!」
「なぜ兵が飢える!」
……逆にお聞きしますが、
今まで“なぜか全部上手く回っていた”理由を、
一度でも考えたことはありましたか?
これは、
誰にも評価されなかった兵站官(へいたんかん)が、
隣国の辺境伯にだけ価値を見抜かれ、
人生を取り戻す物語。
今更「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、
私は隣国の最高機密ですので――!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中




