【完結】聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-

ジェルミ

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第1部 新しい世界

第13話 誰?

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「オバダリア侯爵様」
「なんでしょうか、ビッチェ王女様」
「イルマ様はこちらの世界に来たばかりだと、気を使っておりましたが。いつかは乗り越えなくてはいけません」

「どのような事でしょうか」
「魔物討伐です」

「しかし彼女には、まだ早いのでは?」
「オバダリア侯爵様の鑑定では魔力値は高く、申し分はなかったと伺っております」
「さようでございます。私の鑑定眼に間違いはございません」

「まずは実地から始めましょう。今は時間がありませんから」
「分かりました。それなら王都から近い東北にアウルの森というところがあります。そこなら魔素も弱く、出てくる魔物も大したことはありません」

「レーナ」
「はい、ビッチェ王女様」
「後でシャルエル教のロターリ司祭様に手紙を書くわ。それを届けて頂戴」
「わかりました」
「イルマ様、これから準備を致します。時間がありませんので魔物討伐を、実地で覚えて頂きます」



 ま、まずい展開だわ。
 タケシ君の言っていた通りにしないと。

「い、嫌です。私にはできません」
 取りあえず言ってみた。

「イルマ様。あなたは聖女として、ここに召喚されたのです。わかっていますか?」
「はい。でも好きで呼ばれた訳ではありません!」
「そうです。だから今まで下手に出ていたのです。ですがあなたは魔物を倒して、初めて聖女としての価値があるのです。それを示しなさい!」
 な、なんと言う変わり様なのかしら。
 別人28号だわ。
 な、なに今の寒いギャグは?

「で、できません」
「何を今さら言っているの?出来て当たり前、出来なければあなたの居場所は、この国のどこに行っても無いわ。この世界の住人ではないあなたは、私達の保護が無ければ生きていけないのよ。わかった?!」

 ビッチェ王女は向かいのソファから身を乗り出し、私の顔を覗き込む。
 嫌な女だわ。
 生まれながらに権力を持ち、周りの者がかしずくのが当たり前だと思っている顔だ。

「で、でも」
「大丈夫よ。討伐に行くときにはシャルエル教のロターリ司祭様に頼んで、聖魔法が使える神官様を何人かお借りするわ。出てくる魔物も弱いから何かあっても、その人達が対処してくれるから」

「ではタケシ君も一緒なら、私は行きます」
「タケシ君ですって?はんっ、あんな男がどうしたって言うのよ」
「私1人では不安です。でもタケシ君と一緒なら、出来る気がするんです」
「なにを色気づいているのかしら。まさかあの男とやったりしていないわよね?」
 お前たちと違うわい!

「なにを言っているのですか、ビッチェ王女様」
「聖女は純潔でいないと、能力が消えてしまうと伝承にあるのよ。だから処女でないと駄目なの。わかった?」
 ああ、なんと言う事なの。
 ここにいたら私は一生独身なのね。



「まあまあビッチ。そんな言い方をしなくても」
 オバダリア侯爵が、仲裁に入ってくれる。
「だってオバダリア様。この女が言う事を聞かないから」
 ビッチだって。
 思わず吹き出しそうになったわ。

 どうも王女の名前を聞いたり呼んだりする度に、違和感を感じていたけどビッチだったのね。

 でもこのの、オバダリア侯爵は知らないのでしょうね。
 まさか自分の女の愛称が『尻軽だなんて。

 それにすっかり2人共、普段モードなのね。

 え、待って。
 どう言うこと。

 この世界て?

 私は…誰。
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