【完結】聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-

ジェルミ

文字の大きさ
47 / 55
第3部 聖女降臨

第46話 魔物討伐隊再び

しおりを挟む
 私達は王都に戻って来た。

 帰り道、ランランに言われた。

 王女様、マジック・バッグは凄いですね!
 私、初めてみました、て。

 どうやら買い物をしたら物を入れようと下げて行ったポーチを、マジック・バッグだと勘違いしたらしいわ。
 
 それはそうね。
 あんな大きな肉を突然、何もないところから出したらそう思うわよね。

 書斎に戻り妖精フェアリーのミリアちゃんに聞いてみた。
「ねえ、ミリアちゃん。あのお肉はなんの肉だったの?」
「あぁ、あれは恐竜の肉よ」

「恐竜?ドラゴンなの?」
「う~ん、ドラゴンみたいなものかな?この世界には背中合わせにたくさんの世界がある、て話したことがあるわよね」
「えぇ、最初に出会った時に聞いたわ」

「その世界の1つに体長7~10mくらいの巨体を持つ、恐竜だけの世界があるのよ」
「ドラゴンしかいない世界?!」
「その世界では色んな種類の恐竜がいるの。そして弱い者が強い者の犠牲になるような、実力の違いがそのまま結果にでる弱肉強食の世界なのよ」
「そんな世界があるのね?!」

「まず神様養成学校に入ると、戦闘訓練の課外授業があるの。その恐竜のいる世界に転移して、魔法で倒してレベルを上げていくの」
「レベルを上げる?」

「そうよ。魔法は使えば使うほど威力が増し、魔力量も増えスキルも多くなるから」
「えっ、そうなの?!」

「そうよ。でも普段魔法を使う機会なんて、中々ないでしょう?だから練習相手になってもらうのよ」
「練習相手になってもらうて?どういう風に?」

「まず彼らは巨大で大きいでしょう。そして私達妖精フェアリーは小さく15cmくらい。それを利用して大きな草木の陰に隠れ、待ち伏せして恐竜が通りかかると陰から最大魔法を放つのよ~」

「それなら普通に何もないところに、魔法を放てばいいのではなくて?」
「うっ、それをいっちゃあ、お終いだよ~。相手が居るから良いのよ!」
「でも、なんだか可哀そう」

「なにが可哀そうなの、安易な同情が不幸を呼ぶのよ。あ、この子、うちの子になりたがってる、家に来る?とか。目が合ったから飼う事にしたの、なんて。そりゃあ、じっと見てれば目ぐらい合うわ!!そんなこと思ってる訳ないでしょう!!そんな思い込みは迷惑よ。一時の衝動で、この子達を不幸にしないで。飼うなら最後まで、責任を持って飼ってよ!!」
「ミ、ミリアちゃん。何の話をしているの?」

「と、言う訳なのよ。そして私達は恐竜を倒した証拠として、ストレージに収納して持ち帰るの」
「はい?さっきの話は?」

「この世界にもマジック・バッグはあるでしょう?」
「え、えぇ、あるわ…」
「ストレージは時空間魔法で空間に穴を開けて、そこに色んなものを収納しておけるの。マジック・バッグは、その術式を付与したバッグのことね」
「そうだったんだ!」

「それだけじゃなくて時間を操ることが出来るから、止めておくことが出来るのよ。だからいつ出しても鮮度そのままなの」
「だからあのお肉は、今切ったような感じだったのね。それは凄いわ!とても便利」
「そうよ。食事をたくさん作って収納すれば、いつ出しても出来立てホヤホヤよ」

「食料や荷物の運搬に役立ちそうな魔法ね」
「まあ無属性魔法だから、中々覚えられないけどね」

「なんだ、そうなんだ。でもお肉はまだ、たくさん入っているのかしら?」
「まだまだ、たくさんあるわよ。なんせ課外授業は200年くらい続くからね」
「200年も?!」

「そうよ、そのくらいの年月、最大魔法を放ってなんぼなのよ。魔法のレベルを上げるのは」
「そんなにかかるんだ。それなら無理ね」
「何が無理なの?」
「私の魔法のレベルアップよ」
「できるわよ。これから魔物討伐で、どんどん魔法を打てばいいのよ」

「そう言われてもなんだか怖いわ。私は魔物と戦ったことなんてないから」
「それは、慣れよ、慣れ」
「大丈夫よ、ビッチェは私が守るからね」
「頼りにしてるからね」

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  

 そして魔物討伐の日の朝がやって来た。

 今回は前回のことを踏まえ、騎士団先鋭50名。
 内、歩兵30名、弓兵20名、馬の世話係5人。

 シャルエル教より神官6人。

 私と戦闘メイドのリンリン、ランラン。
 シャルエル教の神官6人は馬車3台に分かれて向かう。

 今回の討伐隊を率いているのが、前回の惨劇から無事に生き残った男達だった。
 騎士団長アーガス・リベラは、30代半ばの口髭を貯えた金髪。
 そして20代後半、補佐のコニーだった。

 今回の討伐でも無事に戻って来れるようにと、国王の配慮だった。
 だが態度がどこかおかしい。
 怯えているような、不安そうな顔をしている。


 私と同じ馬車に乗るリンリン、ランランは、ロングの黒髪をお下げにしている。
 防具は要所要所を金属で覆い、動きやすそうなプレートアーマーを着ている。
 そして腰にはバスターソードを提げている。
 初めて彼女達の戦闘服を見たが、とても似合っていた。

 私は白いフード付きのローブを着ている。
 これは下半身は蜘蛛、上半身は人型の女性の姿をしている、アラクネーという魔物の出す糸を織り込んだ作った軽くて防御力が高いものだ。



 そして3時間馬車に揺られ目的地、アウルの森に着いた。

「さあ、着きました。馬車から降りてください」
 騎士団リベラ団長の補佐をしている、コニーさんの声が聞こえる。

 私達3人は馬車を降りた。
 シャルエル教の神官も、馬車を降りた降りたところだった。

 馬の世話係5人が残り、馬車の世話をする。

 そして私達は森の入口に入り進んで行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光
ファンタジー
魔物討伐を生業とする冒険者に憧れる俺は、十五歳の誕生日を迎えた日、一流の冒険者になる事を決意して旅に出た。 旅の最中に「魔物を自在に召喚する力」に目覚めた主人公が、次々と強力な魔物を召喚し、騎士団を作りながら地域を守り続け、最高の冒険者を目指します。 主人公最強、村人の成り上がりファンタジー。 ※小説家になろうにて、990万PV達成しました。 ※以前アルファポリスで投稿していた作品を大幅に加筆修正したものです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...