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第5章 事業展開
第94話 シャンプーとボディソープ
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お風呂から出てみんな、くつろいでいる。
「シャンプーというのと、ボディソープでしたか?どれも良いです、ふぅ~」
「良い匂いね」
「本当、こんな香りは初めて」
「お肌もツルツルに…」
「凄いですね、このボディソープと言うのは」
キャシー子爵夫人やタニア伯爵夫人達が、自分の腕の匂いを嗅いでいる。
「ねえ、エリアス君。ちょっと」
「なんでしょうか、アリッサさん」
「今回から使ってと言われて渡されたシャンプーと、ボディソープて、なあに?」
「動植物の油脂と植物の灰です」
「なにそれ?」
「動植物の油脂と植物の灰を固めると、洗浄能力を持つ石鹸になります」
「意味が分からないわ」
「洗浄能力を持つもので体を洗ったと思ってください。シャンプーは頭を洗うので殺菌効果、髪の保湿、浸透力を考えハチミツを使っています」
「「「 ハチミツですって~!! 」」」
「ボディソープは臭い付けにハーブを入れています」
「エ、エリアス様。ハチミツが使われていたのですか?」
「えぇ、そうですキャシー子爵夫人」
「どうしましょう、そんな高価な物を私は…」
キャシー子爵夫人が絶望的な顔をしている。
「そうですね、もう私達の裸くらいでは足りませんね」
タニア伯爵夫人も何か言っている。
またそこの話ですか?
「いい、エリアス君。ハチミツはとても高価なの」
「そうなんですか?アリッサさん」
「私達がハチミツを採った時にも、1mはあるキラービーを何百匹も倒しながら巣から蜜を採ったでしょう」
「そうでしたね。あれは面倒でした」
「面倒でした、じゃないわよ。そう言う話ではないのよ。何百匹のキラービーを相手すること自体、普通ではないのよ。分かっているのエリアス君?!」
「そうなんだ、知らなかった」
「ふ~、だからどんなに欲しくても売っていない物なの。どんなにお金を積んでも買えないのよ。だって売っていないから。それを頭に付ける洗剤に使うなんて!!」
「カステラにも入っていましタヨ…」
「え?!カステラにも!!もう駄目私、お嫁に行けない…」
オルエッタさんが大きな声をあげる。
あの~、既婚者ですよねオルエッタさん?
ふと見るとアリッサさんの顔が鬼の形相に変わっていた。
ひぃ~!!
でも俺にしたら簡単に手に入り、無料だから惜しくない。
それに風呂上がりの、アリッサさんやオルガさんからは匂いがしない。
匂いがしないとムラっとこない。
これで綺麗になってもらって、風呂上がりの良い匂いに誘われれて俺は二人の…。
「ううっん!!」
アリッサさんが咳払いをしている。
「エリアス、また口に出ていたぞ。お前は舐めるのが好きだからな、そんなところまで舐めるの?というところまで舐めるから、私は普段から奇麗にしているんだぞ」
シ~~~~ン!!
「な・め・る・の・が・す・き」
侍女の1人が感情の無い無表情な顔でつぶやく。
性癖発表会か?!
「と、ところでエリアス様。あのドライヤーと言うのは素晴らしいですね」
ナイス!
オルエッタさんが空気を換えるかのように聞いてくる。
いいぞ!!助かった。
「あれは温風にするので魔力消費が激しく、この屋敷以外では使えませんよ」
「そうなのですか、残念です」
オルエッタさんが残念そうに言うので、可愛そうになった。
「でも術式を組み込めば、あるいは魔石タイプでも…」
「はい、そこまで!何か欲しいものがあれば、このアリッサを通してくださいね」
「「 全部ほしい~!! 」」
その場に居た全員の声がハモる。
彼女達にすればこの屋敷は、欲しい物ばかりある魔法の宝石箱だった。
「あぁ、それから喉が渇きましたね。飲み物をご用意しますね」
俺はそう言いながら飲食スペースの台所に入った。
「みなさん、何にしますか?今できるのは紅茶と緑茶とウーロン茶です」
「紅茶はわかりますが、緑茶とウーロン茶とはどのようなお茶でしょうか?」
さすが商人の奥様だけあって、オルエッタさんが食いついてくる。
「簡単に言えば茶葉を完全発酵させたものが紅茶。茶葉を加熱して発酵を止めたのが緑茶、ウーロン茶は紅茶と緑茶の中間、発酵を途中で止めたお茶です」
「発酵…、途中で止めた…」
「まあ、飲んでみればわかりますよ」
「どんな味なのでしょうか?」
「例えるなら紅茶が渋みなら、うま味の緑茶、香りのウーロン茶でしょうか?」
「そ、そうですか…。それでは私は緑茶でお願いします」
「私はウーロン茶!!」
「紅茶で!」
みんな好きなお茶の言う。
美味しい入れ方なんて分からないな。
面倒なので『創生魔法』で鉄の急須を3つ創った。
鉄の急須は鉄分補給、貧血防止にも良いと聞いたことがあるからだ。
その中に茶こし用の網を入れる。
3つの急須に葉を入れ、電気ポットならぬ魔道具ポットで適当にお湯を入れる。
そして『創生魔法』で創った11セットの、白いティーカップと受け皿に注ぐ。
「まあ、きれい!」
ティーカップを見て、誰かが声をあげる。
珍しいのかな?
「アリッサさん、これも…」
オルエッタさんが小声で、アリッサさんに何か言っている。
「さあ、どうぞ」
「では、さっそく」
そう言いながら、みんな自分のカップを手に取った。
「まあ、美味しい!!」
「風味が良い!!」
「独特の味わいね」
良かった、お気に召してくれたようだ。
「美味しいですわ、エリアス様。この紅茶はどこから?」
タニア伯爵夫人が聞いてくる。
「その茶葉はこの前、アスケルの森に行った時に探して摘んできたものです」
「え?手作りなのですか?」
「そうです。アスケルの森は恵みの森です。美味しい果物もたくさんあります」
「でもアスケルの森には、強い魔物が居ると聞きましたが…」
するとオルエッタさんが口を開く。
「奥様のオルガ様はAランクの冒険者です。それにアリッサ様も同様に、腕が良いと主人が言っておりました」
「ではエリアス様もでしょうか?」
「俺はEランクです」
「そうですか…」
タニア伯爵夫人がちょっとがっかりした顔をする。
ランクで差別するのか?
確かに俺はストレージを身に纏い魔物を止めている間に、オルガさんやアリッサさんが倒しているから何もしていないようなものだけど。
「しかしこの紅茶は美味しい!!こんなに美味しいのは、飲んだことがありません」
「それはタニア伯爵夫人。水の違いのだと思います」
「「「 水の違い?? 」」」
俺達の話を聞いていた、他の人も首を傾げる。
「では試しにこれを飲んでみてください」
そう言いながら俺は樹のカップに、水道水を入れタニア伯爵夫人に渡す。
「飲んでみてください」
「これをですか?」
「えぇ、そうです」
「では…」
ゴク、ゴク、ゴク、
「美味しい!!これはどういう?」
「私にも!!」
「私も!」
オルエッタさんやキャシー子爵夫人、侍女の人も飲みたいと言い出す。
仕方がないので人数分の樹のカップに水を入れて出した。
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
「美味しい!」
「美味しいわ、水がこんなに美味しいなんて!!」
「本当だわ」
みんな口々に美味しいと言っている。
「これが水の違いです。水か美味しければ、お茶も美味しくなりますから」
「そんな、どうすれば美味しくなるのでしょうか?」
「それはタニア伯爵夫人。みなさんが普段飲んでいる水は井戸水だと思います」
「えぇ、そうです」
「井戸水には臭みがあります。それを濾過すれば、美味しくなります」
「濾過でしょうか?」
「そうです。何種類かの濾材を使い、水の中の不純物を取り除いて綺麗にします」
「それは、お幾らなのでしょうか?」
「はい?」
「お幾らなのでしょうか?」
「それは…、考えていなかったので…」
「我が家でも利用可能でしょうか?」
「まあ、小型の浄水器を創れば…」
「アリッサさん、それもお願いします」
タニア伯爵夫人の小さい声が聞こえた。
妻が有能だと助かるよ。
これが内助の功てやつか。
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読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
「シャンプーというのと、ボディソープでしたか?どれも良いです、ふぅ~」
「良い匂いね」
「本当、こんな香りは初めて」
「お肌もツルツルに…」
「凄いですね、このボディソープと言うのは」
キャシー子爵夫人やタニア伯爵夫人達が、自分の腕の匂いを嗅いでいる。
「ねえ、エリアス君。ちょっと」
「なんでしょうか、アリッサさん」
「今回から使ってと言われて渡されたシャンプーと、ボディソープて、なあに?」
「動植物の油脂と植物の灰です」
「なにそれ?」
「動植物の油脂と植物の灰を固めると、洗浄能力を持つ石鹸になります」
「意味が分からないわ」
「洗浄能力を持つもので体を洗ったと思ってください。シャンプーは頭を洗うので殺菌効果、髪の保湿、浸透力を考えハチミツを使っています」
「「「 ハチミツですって~!! 」」」
「ボディソープは臭い付けにハーブを入れています」
「エ、エリアス様。ハチミツが使われていたのですか?」
「えぇ、そうですキャシー子爵夫人」
「どうしましょう、そんな高価な物を私は…」
キャシー子爵夫人が絶望的な顔をしている。
「そうですね、もう私達の裸くらいでは足りませんね」
タニア伯爵夫人も何か言っている。
またそこの話ですか?
「いい、エリアス君。ハチミツはとても高価なの」
「そうなんですか?アリッサさん」
「私達がハチミツを採った時にも、1mはあるキラービーを何百匹も倒しながら巣から蜜を採ったでしょう」
「そうでしたね。あれは面倒でした」
「面倒でした、じゃないわよ。そう言う話ではないのよ。何百匹のキラービーを相手すること自体、普通ではないのよ。分かっているのエリアス君?!」
「そうなんだ、知らなかった」
「ふ~、だからどんなに欲しくても売っていない物なの。どんなにお金を積んでも買えないのよ。だって売っていないから。それを頭に付ける洗剤に使うなんて!!」
「カステラにも入っていましタヨ…」
「え?!カステラにも!!もう駄目私、お嫁に行けない…」
オルエッタさんが大きな声をあげる。
あの~、既婚者ですよねオルエッタさん?
ふと見るとアリッサさんの顔が鬼の形相に変わっていた。
ひぃ~!!
でも俺にしたら簡単に手に入り、無料だから惜しくない。
それに風呂上がりの、アリッサさんやオルガさんからは匂いがしない。
匂いがしないとムラっとこない。
これで綺麗になってもらって、風呂上がりの良い匂いに誘われれて俺は二人の…。
「ううっん!!」
アリッサさんが咳払いをしている。
「エリアス、また口に出ていたぞ。お前は舐めるのが好きだからな、そんなところまで舐めるの?というところまで舐めるから、私は普段から奇麗にしているんだぞ」
シ~~~~ン!!
「な・め・る・の・が・す・き」
侍女の1人が感情の無い無表情な顔でつぶやく。
性癖発表会か?!
「と、ところでエリアス様。あのドライヤーと言うのは素晴らしいですね」
ナイス!
オルエッタさんが空気を換えるかのように聞いてくる。
いいぞ!!助かった。
「あれは温風にするので魔力消費が激しく、この屋敷以外では使えませんよ」
「そうなのですか、残念です」
オルエッタさんが残念そうに言うので、可愛そうになった。
「でも術式を組み込めば、あるいは魔石タイプでも…」
「はい、そこまで!何か欲しいものがあれば、このアリッサを通してくださいね」
「「 全部ほしい~!! 」」
その場に居た全員の声がハモる。
彼女達にすればこの屋敷は、欲しい物ばかりある魔法の宝石箱だった。
「あぁ、それから喉が渇きましたね。飲み物をご用意しますね」
俺はそう言いながら飲食スペースの台所に入った。
「みなさん、何にしますか?今できるのは紅茶と緑茶とウーロン茶です」
「紅茶はわかりますが、緑茶とウーロン茶とはどのようなお茶でしょうか?」
さすが商人の奥様だけあって、オルエッタさんが食いついてくる。
「簡単に言えば茶葉を完全発酵させたものが紅茶。茶葉を加熱して発酵を止めたのが緑茶、ウーロン茶は紅茶と緑茶の中間、発酵を途中で止めたお茶です」
「発酵…、途中で止めた…」
「まあ、飲んでみればわかりますよ」
「どんな味なのでしょうか?」
「例えるなら紅茶が渋みなら、うま味の緑茶、香りのウーロン茶でしょうか?」
「そ、そうですか…。それでは私は緑茶でお願いします」
「私はウーロン茶!!」
「紅茶で!」
みんな好きなお茶の言う。
美味しい入れ方なんて分からないな。
面倒なので『創生魔法』で鉄の急須を3つ創った。
鉄の急須は鉄分補給、貧血防止にも良いと聞いたことがあるからだ。
その中に茶こし用の網を入れる。
3つの急須に葉を入れ、電気ポットならぬ魔道具ポットで適当にお湯を入れる。
そして『創生魔法』で創った11セットの、白いティーカップと受け皿に注ぐ。
「まあ、きれい!」
ティーカップを見て、誰かが声をあげる。
珍しいのかな?
「アリッサさん、これも…」
オルエッタさんが小声で、アリッサさんに何か言っている。
「さあ、どうぞ」
「では、さっそく」
そう言いながら、みんな自分のカップを手に取った。
「まあ、美味しい!!」
「風味が良い!!」
「独特の味わいね」
良かった、お気に召してくれたようだ。
「美味しいですわ、エリアス様。この紅茶はどこから?」
タニア伯爵夫人が聞いてくる。
「その茶葉はこの前、アスケルの森に行った時に探して摘んできたものです」
「え?手作りなのですか?」
「そうです。アスケルの森は恵みの森です。美味しい果物もたくさんあります」
「でもアスケルの森には、強い魔物が居ると聞きましたが…」
するとオルエッタさんが口を開く。
「奥様のオルガ様はAランクの冒険者です。それにアリッサ様も同様に、腕が良いと主人が言っておりました」
「ではエリアス様もでしょうか?」
「俺はEランクです」
「そうですか…」
タニア伯爵夫人がちょっとがっかりした顔をする。
ランクで差別するのか?
確かに俺はストレージを身に纏い魔物を止めている間に、オルガさんやアリッサさんが倒しているから何もしていないようなものだけど。
「しかしこの紅茶は美味しい!!こんなに美味しいのは、飲んだことがありません」
「それはタニア伯爵夫人。水の違いのだと思います」
「「「 水の違い?? 」」」
俺達の話を聞いていた、他の人も首を傾げる。
「では試しにこれを飲んでみてください」
そう言いながら俺は樹のカップに、水道水を入れタニア伯爵夫人に渡す。
「飲んでみてください」
「これをですか?」
「えぇ、そうです」
「では…」
ゴク、ゴク、ゴク、
「美味しい!!これはどういう?」
「私にも!!」
「私も!」
オルエッタさんやキャシー子爵夫人、侍女の人も飲みたいと言い出す。
仕方がないので人数分の樹のカップに水を入れて出した。
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
「美味しい!」
「美味しいわ、水がこんなに美味しいなんて!!」
「本当だわ」
みんな口々に美味しいと言っている。
「これが水の違いです。水か美味しければ、お茶も美味しくなりますから」
「そんな、どうすれば美味しくなるのでしょうか?」
「それはタニア伯爵夫人。みなさんが普段飲んでいる水は井戸水だと思います」
「えぇ、そうです」
「井戸水には臭みがあります。それを濾過すれば、美味しくなります」
「濾過でしょうか?」
「そうです。何種類かの濾材を使い、水の中の不純物を取り除いて綺麗にします」
「それは、お幾らなのでしょうか?」
「はい?」
「お幾らなのでしょうか?」
「それは…、考えていなかったので…」
「我が家でも利用可能でしょうか?」
「まあ、小型の浄水器を創れば…」
「アリッサさん、それもお願いします」
タニア伯爵夫人の小さい声が聞こえた。
妻が有能だと助かるよ。
これが内助の功てやつか。
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読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
応援ありがとうございます!
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