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兄様に縁談を潰された
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自然ふれあい体験の準備も万端にして、兄様の帰りを待つ。
兄様はお仕事が終わると、今日もまっすぐに私の部屋に来てくれた。
でも雰囲気がピリピリしてる?
「キュー、ただいま」
「おかえりなさい、兄様」
「キュー、今日なにかあった?」
「え、あ、えっと。うん」
兄様に嘘をつくのは忍びないので正直に頷く。
「なにがあったか言ってごらん」
「釣書をもらったの」
「よし、よく正直に言えたね。偉い偉い」
頭を撫でられる。
ボディーガードの彼は私から目をそらす。
いつのまにやら告げ口されていたらしい。
そういうところ、ボディーガードの彼は真面目だ。
「さて、その釣書をもらえるかな」
「うん」
ここで兄様に逆らう理由がないので、兄様に釣書を渡す。
兄様はにっこり笑って回収した。
「じゃあ、あのジジイに…ごほん。あのお爺ちゃんにちょっとお手紙書いてくるから」
お叱りのお手紙だろうなぁと半ばお爺ちゃんに同情しつつ、自室に向かう兄様を見送った。
お爺ちゃん教徒にはとても理不尽な災難だろうけれど、兄様のシスコンぶりはもはやパラディース教でも有名なのに頑張ってしまったお爺ちゃんが悪い。
許して、許して…!
心の中でお爺ちゃん教徒に合掌していると、ボディーガードの彼が珍しく口を開いた。
「申し訳ございません、キューケン様」
「え」
「告げ口をしたのは私です」
しょんぼり肩を落とす彼を見て微笑ましくなる。
「大丈夫、私は怒ってないよ」
「いいのでしょうか」
「いいんだよ、お仕事だもの」
ちなみに、兄様以外の前ではさすがに一人称は私にしている。
兄様の目があるとキューと名乗るけども。
「しかし私は心配です。キューケン様が嫁ぐのは一体いつになるやら…」
「そうだね」
「相手は良い男でないといけませんし、その他の条件も難しいでしょう」
「うん」
「キューケン様はゴッドリープ様の妹御で、ましてその美しさ。引く手数多なのは違いありませんが、こういうことを決めるのなら早い方が良いかと」
普段喋らない割に、口を開けば私か兄様の褒め言葉が出てくる。
ボディーガードの彼は、案外と口が上手い。
あるいは天然の人誑しなのだろうか。
「…すみません、無駄口を叩きすぎました」
「え?ううん、私は大丈夫。むしろお話できて嬉しいよ」
「いえ、私のことは置物とでもお思いください」
その後お爺ちゃん教徒への手紙を新しい側仕えに託した兄様が戻ってきて、自然ふれあい体験が予定より遅れて始まった。
まさかボディーガードの彼がその様子を「てぇてぇ」と心の中で唱えながら見守っていたとは私は気付きもしなかった。
兄様はお仕事が終わると、今日もまっすぐに私の部屋に来てくれた。
でも雰囲気がピリピリしてる?
「キュー、ただいま」
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「キュー、今日なにかあった?」
「え、あ、えっと。うん」
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「なにがあったか言ってごらん」
「釣書をもらったの」
「よし、よく正直に言えたね。偉い偉い」
頭を撫でられる。
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いつのまにやら告げ口されていたらしい。
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「さて、その釣書をもらえるかな」
「うん」
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「じゃあ、あのジジイに…ごほん。あのお爺ちゃんにちょっとお手紙書いてくるから」
お叱りのお手紙だろうなぁと半ばお爺ちゃんに同情しつつ、自室に向かう兄様を見送った。
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「申し訳ございません、キューケン様」
「え」
「告げ口をしたのは私です」
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「大丈夫、私は怒ってないよ」
「いいのでしょうか」
「いいんだよ、お仕事だもの」
ちなみに、兄様以外の前ではさすがに一人称は私にしている。
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「しかし私は心配です。キューケン様が嫁ぐのは一体いつになるやら…」
「そうだね」
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「いえ、私のことは置物とでもお思いください」
その後お爺ちゃん教徒への手紙を新しい側仕えに託した兄様が戻ってきて、自然ふれあい体験が予定より遅れて始まった。
まさかボディーガードの彼がその様子を「てぇてぇ」と心の中で唱えながら見守っていたとは私は気付きもしなかった。
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