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やってみようか、ポリネシアンセックス
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龍大の家に帰ると、玄関に上がってからリビングまで龍大が後ろから抱きついてあまり離れてくれない。どうやらくっついていたいらしい。前々から隙をみてはくっついてくる感じはあったが、今日はなんだかいつもよりくっつく時間が長い。手を洗っている間も抱きしめる腕が緩まない。
「今日のごはんは?」
鈴夏は顔をグッと上に向けた。すると龍大の唇が降ってきて、口を塞いだ。
「んっ! もう、首が持たなくなっちゃいそう」
身長差があると、いちいち顔を上げなくちゃいけない。でもそのしんどさが愛おしい。
「今日は生姜焼き」
「やった」
そして夕食を食べて、お風呂に入る。いつもの生活、いつもの流れ。3日も一緒に過ごしていると、龍大の存在が日常の当たり前になってくる。
布団に座り、向かい合ってタイマーをセットするのもルーチンワークのようになってきた。服を脱がせる恥ずかしさも、初日よりはなくなっている。脱がせるときに龍大のアレが硬くなっているのも見慣れてきた。
「じゃあ、今日も30分見つめ合いからね」
「うん」
タイマーをオンにして、今日も見つめ合う時間が始まる。今までの照れくささはなくなってきて、じっと龍大の目を見られるようになってきた。
「たっちゃん仕事頑張ってる?」
「うん。鈴夏は?」
「順調」
「でも仕事中むらむらしない?」
「あー……意外と大丈夫かも」
会社に行けば他の人の視線があるし、作業に没頭すれば気にならない。トイレに長居するのも好きじゃないから、ひとりになる時間が少ない。鈴夏の場合、今のところは仕事にも影響はなかった。
「たっちゃんは?」
「不意にぼーっとしたら思い出すから無心でパン生地成形してる」
「あはは、それはいい影響なんじゃない?」
「仕事中勃ってるのバレたくないから大変」
龍大がそう言って照れくさそうに微笑んだ。
確かに性欲を我慢しなければいけない大変さはあるが、鈴夏は環境や仕事内容が良かったのかもしれない。龍大は工場内で黙々と作業するタイプの仕事だし、腰巻きのハーフエプロンとコックコートを着るからバレなさそうなのに……。そうは言っても男性と女性じゃ性欲の感じ方も出方も違うだろうから、鈴夏は少し気の毒に思った。
今日は会話が少なく、お互い見つめ合う時間が長くなった。会話のネタも、毎日見つめ合っていれば当然尽きてくる。見つめ合う時間が長くなるのは自然なことだ。
でも、見つめ合う時間が長くなればなるほど、龍大の瞳に吸い込まれそうな感覚があった。龍大の瞳からみた鈴夏の姿、今何を思って鈴夏を見つめているのか……。その瞳の奥で何を捉えて、考え、これからどうしたいのか。それを龍大に今聞いてしまえば良いが、それはなんとなく野暮だろうと思った。龍大が嘘を言うかもしれないという心配はなかったが、人には心に秘めておきたい思いが誰にでもある。それを無理矢理ひっぱりだすことは、相手を傷つけてしまうおそれもある。
言葉じゃなく龍大の行動を見て鈴夏自身の頭で考えて、咀嚼して、そして自らも龍大を受け入れる。それが今、鈴夏に必要なことだと思いながら、龍大の瞳を見つめ続けていた。
家族を失った龍大に対して、今鈴夏は何ができるのか。そこに求められるのは、必要以上に背伸びすることでも頑張ることでもなく、等身大で龍大に向き合うこと。今を生きること。気負いすぎないこと。そんな問答が、ずっと鈴夏の頭の中を巡った。
「鈴夏」
名前を呼ばれ、鈴夏の意識は現実に舞い戻った。
「なに?」
「今日はどこまでオッケーなの?」
「あ、えっと今日は……ディープキスと、性感帯への軽いタッチだったはず」
「軽いタッチ……」
「我慢できそう?」
「……がんばる」
龍大が力なくそう答えると、30分経過を知らせるタイマーの電子音が鳴り響いた。
「今日のごはんは?」
鈴夏は顔をグッと上に向けた。すると龍大の唇が降ってきて、口を塞いだ。
「んっ! もう、首が持たなくなっちゃいそう」
身長差があると、いちいち顔を上げなくちゃいけない。でもそのしんどさが愛おしい。
「今日は生姜焼き」
「やった」
そして夕食を食べて、お風呂に入る。いつもの生活、いつもの流れ。3日も一緒に過ごしていると、龍大の存在が日常の当たり前になってくる。
布団に座り、向かい合ってタイマーをセットするのもルーチンワークのようになってきた。服を脱がせる恥ずかしさも、初日よりはなくなっている。脱がせるときに龍大のアレが硬くなっているのも見慣れてきた。
「じゃあ、今日も30分見つめ合いからね」
「うん」
タイマーをオンにして、今日も見つめ合う時間が始まる。今までの照れくささはなくなってきて、じっと龍大の目を見られるようになってきた。
「たっちゃん仕事頑張ってる?」
「うん。鈴夏は?」
「順調」
「でも仕事中むらむらしない?」
「あー……意外と大丈夫かも」
会社に行けば他の人の視線があるし、作業に没頭すれば気にならない。トイレに長居するのも好きじゃないから、ひとりになる時間が少ない。鈴夏の場合、今のところは仕事にも影響はなかった。
「たっちゃんは?」
「不意にぼーっとしたら思い出すから無心でパン生地成形してる」
「あはは、それはいい影響なんじゃない?」
「仕事中勃ってるのバレたくないから大変」
龍大がそう言って照れくさそうに微笑んだ。
確かに性欲を我慢しなければいけない大変さはあるが、鈴夏は環境や仕事内容が良かったのかもしれない。龍大は工場内で黙々と作業するタイプの仕事だし、腰巻きのハーフエプロンとコックコートを着るからバレなさそうなのに……。そうは言っても男性と女性じゃ性欲の感じ方も出方も違うだろうから、鈴夏は少し気の毒に思った。
今日は会話が少なく、お互い見つめ合う時間が長くなった。会話のネタも、毎日見つめ合っていれば当然尽きてくる。見つめ合う時間が長くなるのは自然なことだ。
でも、見つめ合う時間が長くなればなるほど、龍大の瞳に吸い込まれそうな感覚があった。龍大の瞳からみた鈴夏の姿、今何を思って鈴夏を見つめているのか……。その瞳の奥で何を捉えて、考え、これからどうしたいのか。それを龍大に今聞いてしまえば良いが、それはなんとなく野暮だろうと思った。龍大が嘘を言うかもしれないという心配はなかったが、人には心に秘めておきたい思いが誰にでもある。それを無理矢理ひっぱりだすことは、相手を傷つけてしまうおそれもある。
言葉じゃなく龍大の行動を見て鈴夏自身の頭で考えて、咀嚼して、そして自らも龍大を受け入れる。それが今、鈴夏に必要なことだと思いながら、龍大の瞳を見つめ続けていた。
家族を失った龍大に対して、今鈴夏は何ができるのか。そこに求められるのは、必要以上に背伸びすることでも頑張ることでもなく、等身大で龍大に向き合うこと。今を生きること。気負いすぎないこと。そんな問答が、ずっと鈴夏の頭の中を巡った。
「鈴夏」
名前を呼ばれ、鈴夏の意識は現実に舞い戻った。
「なに?」
「今日はどこまでオッケーなの?」
「あ、えっと今日は……ディープキスと、性感帯への軽いタッチだったはず」
「軽いタッチ……」
「我慢できそう?」
「……がんばる」
龍大が力なくそう答えると、30分経過を知らせるタイマーの電子音が鳴り響いた。
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