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王都編
偽神子爆誕!
しおりを挟む——— それじゃ、朱雀連れ帰るけど、二、三日したら戻すよ。ついでに外に居る白虎に上手く取り入れるよう筋書き今考えたから覚えて!
「うっ!了解。」
•テュルケットと予言者にして賢王エルザードの子、グレース•クラリスとして王へ謁見したい。
•エルザードは異世界の神に横恋慕して、未来視の権能をエルザードから奪い異世界の神に与えた為、予言が終わる事を悩んでおり、憂いを除く為に使徒として遣わされた。
•新たなる予言を残す為、予言の原書を借り受けたい
•各地の乱れ始めている魔粒子の調和を行う為、巡行を許可して貰えるよう手を貸して欲しい。
——— こんなとこかなぁ?もし力を見せろと言われたら民の為に使うのであって証明の為なら使わないって誤魔化して。まだ、君能力使えないから。
「あ、はい。りょ、了解。」
「外の騎士ってどういう立場の人達なの?」
——— この国の魔道騎士隊だよ。血まみれなのが大隊長みたいだね?仲良くやんなよー?アイツと君は主従の契約してるみたいだし。
「!?主従の契約?なにそれ。」
——— え?知らないの?アイツ勝手にやったっての?アハハハハ!そいつは面白い!あの白虎だよ?まぁ、末裔だから違うかもしれないけど、絶対主人を決めずに神力強化だけを生き甲斐にしてる様な堅物が!いいね!いいね!最高!
——— とりあえず、アイツ籠絡しといて。役に立つし。
「なんか好き勝手言ってるし。。あの人目が怖いんだよなー。」
「でも、そろそろ出なきゃなぁ。」
「ニニギ、その、、ありがとう。それから、ごめんね?嫌な態度取って。私、頑張るよ。でも、究極困ったら助けて!」
——— わかってるよ。大丈夫。ありがとう。
——— 出来るだけ誰かが見てるようにするから。
——— とりあえず、さらっと神降臨演出かけとくかな!
「いや、昨日みたいなのはちょっと。」
——— (笑)大丈夫。光らせるだけだから。
「光らせる、、。」
——— さぁ、時間だ!行って来なよ!神子爆誕!!じゃあな!
「偽、だけどね。」
グレースは扉の前に立つと、ふっ、と息を吐き、綺麗に合わせた両手を腹部に置いて気合いを入れた。
女も男も度胸!
皇后風にお淑やかに!偽物でも気品ある様に見せる!
丁寧語を意識する!
よっしゃいったるでーーー!
カチャ
「お待たせしました、白虎様。」
小屋の中から出てきたはずなのに、グレースには後光が射していた。細かい金の光の粒子がその全体の輪郭を縁取り、煌めいては空気に溶けていく。神々しくもあり、愛らしさを演出したライティングで蝶がどこからともなく舞ってはグレースの周りを飛び回った。
ニニギの過剰演出により、誤解されたまま神子よりも神子らしく見える偽神子が誕生した。
グレースはニコリと微笑んで軽くお辞儀をした、、が!
顔をあげると、みんな目を瞑って昇天していた。
「っっ‼︎」
え?何?何でみんなそんなお地蔵様みたいな顔になってるの?
どした!?
「あ、あの。皆様?如何されましたか?」
一番前で泣き出した犬耳の少年に、慌ててグレースは駆け寄り肩に手を置いた。するとグレースの身体から溢れた光が駆けた流れにそって棚引いた。
あの犬耳の少年は泣きながら鼻ピスピスさせてる!
愛くるしいの一言だなぁ、超可愛いーー!これで騎士とか反則!
あー!ギュッてしたいーー!
「大丈夫ですか?ご気分でもお悪いのですか?」
笑みを噛み殺しながらグレースは問いかけると、少年はハッとして顔を伏せ叫んだ。
「テュルケット様、お見苦しい姿をお見せして大変失礼致しました。何も問題ございません。」
「そうですか、では、何故皆様目を瞑ってらっしゃるのですか?」
グレースは全体を見渡した。
「ゴホッ!テュルケット様の神々しい御姿を眼前に致しまして、感激に皆打ち震えております。何卒、我等に護衛の栄誉を賜ります様、お願い申し上げます。」
「皆様、ありがとう。ご挨拶は後程させて頂きます。まずはお話をさせて下さい。宜しいですか?」
ニコリと微笑めば、空が割れんばかりの咆哮が響いた。
「ウォーーーー!!」
「テュルケット様と共に!!」
「ワォォォーーーーーーー!!」
「あ、ハハ。凄いですね。皆様。ハハ。」
「ゴホン、あの白虎様、とお呼びしても宜しいのでしょうか?」
グレースはビクトラの前に立ち、目を逸らさずに聞いた。
堂々たるグレースの姿に、ビクトラは一瞬意識を失いかけたが、頭を少し振り、笑顔で答えた。
「私は、タイレーン魔道騎士隊大隊長 ビクトラ•ハイトゥーレ•ライディと申します。白虎と呼んで頂いても望外の喜びでございます故、お気に召すままに。」
ビクトラが真名を告げた。その瞬間咆哮に溢れたその場がいっきに静まった。真名を告げる、それがどういう意味を持つのかをその場に居る全員が理解していた。
「隊長が、隷属、、した。」
「お、おい。嘘だろ?皇帝にも隷属しなかった隊長が…。」
ザワザワと騎士達が騒ぎ出した。
グレースは何事かとビクトラに聞いた。
「いへ、ただ皆テュルケット様に名を呼んで頂いた事を羨んでいるだけでございます。私は果報者ですね。」
ニッコリと笑う鼻血隊長の目は澄んだ瑠璃色と翡翠色。その瞳の中にグレースが映っているのが何ともくすぐったく感じていた。
髪は銀でもグレーでも白でも無い、青みのある明るいプラチナシルバー。グレースよりも30センチは高いその体躯はがっしりとして、いかにも武人な肉付きだった。
よくよく隊長の顔を見ると、厳つさがあるのに淡麗で、清廉さと漢臭さのある美丈夫よねー。この人ってば、もしかしたらあの虎?今更だけど。だから白虎!?散々ビビらせてくれたわねー。本当に。
怖かったのに。
「テュルケット様、是非私のハイトゥーレという名を呼んで下さいませんか?」
「セカンドネームを、ですか?」
「はい。それだけで、我々は貴方様に従えれます。お願い致します。」
「宜しければ、最後に、〝我の物たれ”と仰って下さい。」
え?これ大丈夫?なんか制約っぽいんだけど。
「何故ですか?私は帝都へと案内して頂けるだけで良いのですが。」
その言葉にビクトラの目尻がピクリと動いた。
あ、ヤバいやつだ。これ、従わないとなんかありそうなやつだ。
えぇい。ここを乗り切れば、最悪神様がなんとかしてくれるよね?
ドキドキ、、、
「大変失礼ではございますが、我がライディ家が後見となりますと、何かとこれからが楽になられるかと思いますので、宜しければ。」
「是非」
これは、追い込まれてる?私。
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