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閑話
子の心、親知らず
しおりを挟む「なー、都。これでよかったのか?別にさー交代して会ってたらよくなく無いかい?」
ーーーん~?何が?
「何がって。ルーナの事だよ。」
「今日の会議の″お茶にさそって~″っアレだろ?合言葉。」
ーーーあー。うん。まぁ、挨拶程度の事だよ。どうこうするつもりは無いし。
「なんでよ。俺みたいに抱かれたい、抱きたいときはそうしたらいいじゃないか。ありがたいことにさ、それを望んでくれる奴等がそばにいる。」
ーーーんーー、なんていうかさ。心が若返ってくれないのよね。
「は?」
ーーー 43のまま。子供いたから心が母親なのよ。男性見ても心が動かない。花ってさ、実をつけたら枯れるでしょ?それ以上求める必要が無いから。そんな感じ。子供の成長見守って、後は静かにきえるだけ。
「もう、そんな環境から外れてしまったのに、囚われてどうするんだよ。このまま43のままで生きてくのか?」
ーーー 恋したい!ってならないんだもん。こればかりはねー。私だって心が若返ってくれるならそれも良いとは思うんだけどさ。
「わかった。好きにしていいよ。これ以上は俺も何も言わないから」
ーーー ごめんね?ありがとう。
「でも、たまに。たまにでいいんだ。ルーナと会ってあげてよ。」
ーーー なんで?私超恥ずかしくて会いたく無いんだけど。
「あいつ、都にマジになってる。俺は狂ってるから分かるんだよ。」
「狂うやつってのがどんな顔をするのか。」
ーーー やめてよ。私の中にそんな狂った部分があるなんて知りたく無いんだけと(笑)
「もう俺と都は別なんだから、気にしないでよ。」
ーーー 寂しい事言うねー。息子よ。
「誰が息子だ!俺の都は可愛い母ちゃんだよ。」
ーーー 母ちゃんなんじゃん!母ちゃんか。いいね。ママ呼びよりそっちが好きだわ。
「母ちゃん、43で女になっても誰も咎めないよ。」
ーーー ははっ!いや、私が気にする。
「囚われてんな。ま、ゆっくり解放しようや。俺達も永きを生きる生き物になっちゃったんだし。」
ーーー そうだね。そうなるといいね。
「グレース様、今朝の健診です。色見ますね。」
「あぁ、頼むよ」
この二人の間で耐えるのツラ!ルーナの無言が!!重い!!
はぁ。おれの母ちゃんは理性が強いからな。
俺が何とかしなきゃなのかな?
はい、交代ー!
「っ!!」
急に動いたグレースにルーナがチラリと顔をみた。
「なんっで!!戻して!!」
バタついて後ろに後ずさる都にルーナは訝しげな顔をする。
「あ、あの!あ。ちょっ!まーてーよ!むーりー」
更にルーナの顔が厳しくなる。
「グレース様?大丈夫ですか?」
顔を真っ赤にしたグレースに、ルーナがにじり寄る。
「都?」
ボッと赤くなった顔を見てルーナは都を抱きしめた。
「はっ!ははは!嘘みたいだ。こんなに早く2人きりで会えるだなんて。」
「会いたかった。会いたかったんだ。本当に。」
「グレース様の顔を見るのも辛かった。そして大隊長や、朱雀さんと居るのを見るのも!あぁ、嬉しい!また、会えたね!」
「っっ!じゃ。あ、会えたし!またね?」
「っ!都!!」
ーーーー グレース!グレース!ひどいじゃない!
「あぁー。ワリ。都引っ込んじゃった。」
「グレース様?」
「あからさまに嫌そうにするなよ。俺だって、都に幸せになって欲しいんだ。だから、健診の時は出来るだけ代わるから。」
ルーナの顔が綻んでいく。いいな。こういうのを見るの。
これも幸せの一部なんだろうな。
「本当に明日も会えますか?」
「あぁ約束するよ。俺の母ちゃん、幸せにしてやってよ。」
「はい。俺の全てで愛します。」
「難易度高いだろうけど、協力するから。頼むな、俺の半身を。」
「はい!」
ーーーー グレース!出ません!母ちゃんは絶対出ません!
「クククッ強がっちゃって。」
「え?何か都が言ってるんですか?」
「超照れてる。会わないって照れて隠れてる!可愛いなー都。」
「ははっ!そう、ですか。照れてるんですね。脈はあるのかな」
「いや、まだそこまではないな。」
「ちょっと!そこで落とさないでよ!」
「あいつさ、前世で子供がいたんだ。俺の子供でもあるけど。」
「だから。母親のままなんだ。心が。」
「ちょいちょい旅先でデートにでも誘って進展させろよ?」
「なるほど。分かりました。そうですね、催淫材とか準備しときます。」
「いや、そこまでしたらアウトだよ(笑)お前もリャーレやヴィクとかアガットに好きなやつ落とす落とし方習っとけよ。」
「おぉ。隊長役に立ちますかね?あの人朴念仁ですよ。でも、わかりました!頑張ります!あ、でも、頼みますから俺以外のいる場所で都出すのやめてくださいね?昨日の会議マジ地獄だったんで。」
「仕方ねーじゃん、都が出たがったんだもん。それに、合図もあったろ?」
フフっとルーナは笑って目を細めた。
それから毎朝、ヴィクや朱雀、アガットを追い出してルーナの健診を
受けた。最初は1分も耐えられなかった都も少しずつ慣れて来て、
今では30分も話をしている。
まだ、身体は許せないみたいだけど、ルーナは気にしないと言ってた。
ただ、話が出来て笑った顔が見れるだけで幸せだからと。
俺の所為で押し込めてしまった都が、誰かと触れ合える事を
幸せに思ってくれたら、俺は本当に嬉しい。
まだ、二人は始まったばかり。
いつかは皆んなで幸せになれる日が来たらいいなと思う。
本能と欲望しか無かった俺に、幸せを与えたいと思えるように
なったのは良いことだろ?それに、俺はビッチじゃない!
愛したい奴が3人いただけだ!そこ、誤解して欲しくないね!
俺の親孝行、届くのかね?これ道のり遠そうだなー。
ルーナ頼むからヤンデレにはなるなよ。都はそういうの多分無理だから。
溺愛ルートで頼むな!
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