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3話 1日目 やはりポンコツ
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落ち続ける俊は暗闇の先に見える光に気づいたが、落ち続けている為、何も出来なかった。
「きゃぁぁぁぁぁ!なんですのぉぉぉ!? ふぐぅぅぅ・・・」
女性の上に落ち、押し潰してしまった。
「痛たた・・・。すいません。突然・・・・」
女性の上から移動する為、手をついた。 むにゅりと手に柔らかい感触を感じた。
「何処触ってるんですのぉぉぉぉ!速く私《わたくし》の上からお退きなさい!」
状況を理解した俊は思考し、左手を見つめお約束事項を思い出し俊は確認する事にした。
「左手もよろしいですか?」
「何を考えておりますのぉぉぉぉ!速くお退きなさいぃぃぃ! くぬぅぅ! ふぬぅぅ・・・」
女性は身を捩り抜け出そうと藻掻く。
「やはり、ダメでしたか・・・お約束だと思うんですが・・・今どきますね。」
俊が立ち上がると女性も立ち上がり俊から離れ赤面した顔で睨まれた。
「・・・・・責任をとってくださいますのよね?」
「すいません。不慮の事故なんです。ただ、片手を埋めようとした事にも理由《わけ》がありまして・・・」
「はっきりしてらして?私《わたくし》は責任をとってくださいますのよね?とお伝えしたのですわ!」
責任という言葉から身分の高そうなこの女性にどう説明したものかと考える俊は直に説明を行う事にしたのだった。
「まず、謝罪致します。ただ理由を聞いたうえでご納得頂けないのであれば、僕に出来る事なら対応します。」
「悪意はおありにならないのでしょうけど、わかりましたわ!ただし、納得出来なければお分かり?」
「その時はご自由にして頂いて結構です。では・・・まず、僕が上から降ってきた事についてですが、オーク領のツジの村に入ろうとして地面に判定がなく謎空間に落ちた矢先が貴方の上でした。」
「訳が分かりませんの。何ですの謎空間とは・・・。私《わたくし》のこの部屋の上ってツジ村なんですの?この部屋の上は書斎のはずなのですが・・・?」
話を聞くにつれて状況が理解できず頭を抱えている。
「起きた事をそのまま説明したのですが、分かりませんか・・・。判定バグはわりと鉄則なんですが」
「頭が痛くなってきましたわ。とりあえず一旦牢屋に入ってくださる? 誰か!」
部屋に駆け付けた衛兵に連れられ上の階へと上がって行く。
「すいません、牢屋に入るのになぜ上に行くんですか?」
やれやれと衛兵は答える。
「はぁ・・・決まっているだろ。地下だと脱走した際に気づくのが遅れる可能性があるからだな。」
「なるほど、仮に出る事が出来ても降りるまでに発見される可能性が高いわけなんですね。」
「うむ。 さて、ここがお前の牢になる。入れ」
牢屋に入れられた為、思考した俊はクロクへと連絡を取ってみる事にした。
「うーん、どうしたものですかね?下手に動くと犯罪者になりかねませんし・・・クロクさんに連絡してみますか。」
UIを操作し、クロクへ連絡を行う俊だったが
「・・・・zzZ のじゃぁ・・・・」
「出ませんね。肝心な時に・・・仕方ないですね。この牢屋内で出来るバグ探しをしておきましょうか。おっと、ツジ村の地面の判定をバグリストに追加しておきましょう。」
UIが開かれバグリストへと追加作業を行った。
「鉄格子にはバグはありませんね。綺麗にはまってますし判定もしっかりしてますね。」
周囲を隈なく調べる俊だったが壁を触って感触が違う事に気づいた。
「柔らかい?弾力がありますが、バグとも言いにくい・・・すり抜けるなら確定なんですが・・・そういった材質があるかもしれませんし?バグ予備軍にいれておきましょうかね」
牢屋内を一折調べ終わった俊はする事がなくなり時間が過ぎていく。
牢屋から見えない場所から扉の開く音が聞こえる。
「誰か来たようですが、見回りでしょうか?」
衛兵は牢屋の前を通り過ぎ、何もない中央を避けてまっすぐ進む。
「すいません。なぜそこを避けるんです?」
「ん?あぁ、お前か。ここには見えない壁があってな、みな最初はぶつかるんだ。お前も面会で出る事があるなら覚えてた方がいいぞ。」
会話を行い衛兵は去って行った。
「見えない壁・・・ゲームでは鉄則ですね。できれば生身で触る機会がほしい所ですね・・・どんな感触なのか、冷たいのか暖かいのか?硬さは?気になるところです」
楽しみを後に一折調べ終えた牢屋内ではする事もなく、クロクからの折り返しもない為する事がなくなった俊は寝る事にした。
「する事も尽きてしまいましたし、今日は寝ますかね」
一方その頃クロクは・・・
「・・・のじゃぁ・・・」
まだ寝ていたのだった。
-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
ツジ村の門近くの地面に当たり判定がなく、何処かの屋敷の天井につながっている。
牢屋前の通路に見えない当たり判定の壁があり通れない。
-----バグ?不明-----
牢屋内の壁が柔らかい。
「きゃぁぁぁぁぁ!なんですのぉぉぉ!? ふぐぅぅぅ・・・」
女性の上に落ち、押し潰してしまった。
「痛たた・・・。すいません。突然・・・・」
女性の上から移動する為、手をついた。 むにゅりと手に柔らかい感触を感じた。
「何処触ってるんですのぉぉぉぉ!速く私《わたくし》の上からお退きなさい!」
状況を理解した俊は思考し、左手を見つめお約束事項を思い出し俊は確認する事にした。
「左手もよろしいですか?」
「何を考えておりますのぉぉぉぉ!速くお退きなさいぃぃぃ! くぬぅぅ! ふぬぅぅ・・・」
女性は身を捩り抜け出そうと藻掻く。
「やはり、ダメでしたか・・・お約束だと思うんですが・・・今どきますね。」
俊が立ち上がると女性も立ち上がり俊から離れ赤面した顔で睨まれた。
「・・・・・責任をとってくださいますのよね?」
「すいません。不慮の事故なんです。ただ、片手を埋めようとした事にも理由《わけ》がありまして・・・」
「はっきりしてらして?私《わたくし》は責任をとってくださいますのよね?とお伝えしたのですわ!」
責任という言葉から身分の高そうなこの女性にどう説明したものかと考える俊は直に説明を行う事にしたのだった。
「まず、謝罪致します。ただ理由を聞いたうえでご納得頂けないのであれば、僕に出来る事なら対応します。」
「悪意はおありにならないのでしょうけど、わかりましたわ!ただし、納得出来なければお分かり?」
「その時はご自由にして頂いて結構です。では・・・まず、僕が上から降ってきた事についてですが、オーク領のツジの村に入ろうとして地面に判定がなく謎空間に落ちた矢先が貴方の上でした。」
「訳が分かりませんの。何ですの謎空間とは・・・。私《わたくし》のこの部屋の上ってツジ村なんですの?この部屋の上は書斎のはずなのですが・・・?」
話を聞くにつれて状況が理解できず頭を抱えている。
「起きた事をそのまま説明したのですが、分かりませんか・・・。判定バグはわりと鉄則なんですが」
「頭が痛くなってきましたわ。とりあえず一旦牢屋に入ってくださる? 誰か!」
部屋に駆け付けた衛兵に連れられ上の階へと上がって行く。
「すいません、牢屋に入るのになぜ上に行くんですか?」
やれやれと衛兵は答える。
「はぁ・・・決まっているだろ。地下だと脱走した際に気づくのが遅れる可能性があるからだな。」
「なるほど、仮に出る事が出来ても降りるまでに発見される可能性が高いわけなんですね。」
「うむ。 さて、ここがお前の牢になる。入れ」
牢屋に入れられた為、思考した俊はクロクへと連絡を取ってみる事にした。
「うーん、どうしたものですかね?下手に動くと犯罪者になりかねませんし・・・クロクさんに連絡してみますか。」
UIを操作し、クロクへ連絡を行う俊だったが
「・・・・zzZ のじゃぁ・・・・」
「出ませんね。肝心な時に・・・仕方ないですね。この牢屋内で出来るバグ探しをしておきましょうか。おっと、ツジ村の地面の判定をバグリストに追加しておきましょう。」
UIが開かれバグリストへと追加作業を行った。
「鉄格子にはバグはありませんね。綺麗にはまってますし判定もしっかりしてますね。」
周囲を隈なく調べる俊だったが壁を触って感触が違う事に気づいた。
「柔らかい?弾力がありますが、バグとも言いにくい・・・すり抜けるなら確定なんですが・・・そういった材質があるかもしれませんし?バグ予備軍にいれておきましょうかね」
牢屋内を一折調べ終わった俊はする事がなくなり時間が過ぎていく。
牢屋から見えない場所から扉の開く音が聞こえる。
「誰か来たようですが、見回りでしょうか?」
衛兵は牢屋の前を通り過ぎ、何もない中央を避けてまっすぐ進む。
「すいません。なぜそこを避けるんです?」
「ん?あぁ、お前か。ここには見えない壁があってな、みな最初はぶつかるんだ。お前も面会で出る事があるなら覚えてた方がいいぞ。」
会話を行い衛兵は去って行った。
「見えない壁・・・ゲームでは鉄則ですね。できれば生身で触る機会がほしい所ですね・・・どんな感触なのか、冷たいのか暖かいのか?硬さは?気になるところです」
楽しみを後に一折調べ終えた牢屋内ではする事もなく、クロクからの折り返しもない為する事がなくなった俊は寝る事にした。
「する事も尽きてしまいましたし、今日は寝ますかね」
一方その頃クロクは・・・
「・・・のじゃぁ・・・」
まだ寝ていたのだった。
-----現在のバグ一覧-----
マップに自分の座標が表示されない。
ツジ村の門近くの地面に当たり判定がなく、何処かの屋敷の天井につながっている。
牢屋前の通路に見えない当たり判定の壁があり通れない。
-----バグ?不明-----
牢屋内の壁が柔らかい。
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