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一章 元最凶魔女ぶちキレる
1-6 アタシは魔女! 魔女エンゲリス!
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あのカスに啖呵を切って帰ってきたものの、私には多分何も出来ない。
そう思いながら学園を出た私は、孫の着替えなどを用意するために、皆様に孫の事を任せ家に帰ってきました。
孫の着替えを風呂敷に包みながら、ふと、飾ってあったおじいさんの写真を見て、私は問いかけます。
冒険者という職業でそれなりに活躍できる力はありましたね。
それなりに名声があり、それなりの力を持って結果を出してきましたけど、それは決して無意味な暴力ではなく、何かを守るために使われてきたものだと思っているし、暴力の先にある責任からも逃げることなく、自分の責任だと自覚し行動してきたつもりですよ。
だけど、それは昔の話で、今の私はただの婆です。
あの頃の力はすっかり無くなってしまいましたからね。
残された孫を無事見送ったら、私もおじいさんの元に行こうと思ってましたから、まさかこのように我を忘れて怒りをあらわにし、自ら危険な場所に行くことがおこるとは思ってなかったですよ。
ただただ、今は孫の名誉を守りたいんです。おじいさん。
あの馬鹿正直で真面目で、人を思う綺麗な心がある、あの孫の名誉さえ守れれば、この婆はどうなっても良いと思うのです。おじいさんは「バカな事いうんじゃない!」って、その武骨な顔で言うんでしょうけど、私はやりますよ。
・・・・さて、どうしたものでしょうね・・・・
今日はお日様も出て良い陽気ですし、お布団出したら気持ちよいでしょうね。
孫ちゃんはお友達が見てくださってますし・・・ちょっとだけ・・・・
そう思ったらね、急にまぶたが重くなってきましてね、私の目は閉じられてしまいましたの。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おい!起きろ!エンゲリス・・・」
あれっ?おじいさん??随分若くなっちゃって!出会った時と同じくらい・・・
「そんな事はどうでもいいからよく聞けよ!」
ナニナニ?そんな怖い顔して。あ、怖い顔は元からか・・・
「んなこたぁどうだっていいんだよ!つーかお前、肝心な事忘れてねぇか?」
何よ!相変わらずもったいぶった言い方して!最後までそんなんだから頑固爺って言われちゃうのよ!
「うるさいわ!それよか、お前は誰だ?」
私はエンゲリス。ただの婆さんだよ。
「違ぇよ!本当のお前は誰だって言ってるんだよ!姿は関係ない。お前は誰だって言ってんだよ!俺の惚れた女は、曲がったことが大っ嫌いなまっすぐで純情な奴。高飛車に見えたけど、自分よりも周りを大事にして、自分の出来る事は全力でやるすっげえ奴だ」
・・・昔のあたしはそんなんだったよね。でも、今のあたしにはそんな力も自信もないよ・・・
「んなもん!自分で勝手に封印してるだけじゃねぇか!いつでも出せるのに勝手にがんじがらめにカギかけやがって!このバカ野郎!お前はお前らしく生きろよ!お前を縛るもんなんかねえんだよ!俺はとにかくまっすぐ突っ走るお前が本当に好きだったんだぜ!どんな奴より輝いてたお前をよ、もう一度見せて見ろよ!」
・・・バカっ!・・・あんたがいなきゃ意味ないじゃない!一番見せたいあんたがいなきゃ・・・アタシ・・・アタシ・・・
「お前には孫が待ってるじゃねぇか、それにあっちから俺も息子も見てる。誰がなんと言おうと、俺はお前を見てる。絶対にだ!だからよ・・・お前は誰だって聞いてるんだよ!お前は誰だ!」
私は・・・
気に入らないことは力で押し通す!
権力なんてくそくらえ!
王様だって、魔王だって足元にひれ伏せさせるわ!
アタシは魔女! 魔女エンゲリス!
「そうだ!それでこそお前だよ!・・・俺は見てるからな!・・・見てるからな・・・」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
・・・はっ、気が付いたら寝てたのね。
貴方の写真見てたから、きっと貴方の夢を見ていたのね。
でもね、困った妻がいたら、普通もっと優しい言葉かけない?本当に馬鹿な人・・・本当にありがとう・・・
そう思いながら、さりげなく胸元のペンダントを握ったらね、ペンダントから急に七色の光が私を包んで行って、少しずつ私に力を与えてくれたの。
いやっ?思い出したけど、これ、私の力だわ!
昔から少しずつためてきた私の魔力!!
いろいろ忘れてたけど、だんだん思い出してきたわ!すべての事を!
これならアタシやれる!
気に入らないことは力で押し通す!
権力なんてくそくらえ!
王様だって、魔王だって足元にひれ伏せさせるわ!
アタシは魔女! アタシは魔女エンゲリスよ!
・・・・ありゃ・・・・アタシとしたことが、すっかり元に戻っちゃって・・・着れる服ないじゃないの!
すっぽんぽんじゃ外に出れないわ・・・どうしましょ?
そう思いながら学園を出た私は、孫の着替えなどを用意するために、皆様に孫の事を任せ家に帰ってきました。
孫の着替えを風呂敷に包みながら、ふと、飾ってあったおじいさんの写真を見て、私は問いかけます。
冒険者という職業でそれなりに活躍できる力はありましたね。
それなりに名声があり、それなりの力を持って結果を出してきましたけど、それは決して無意味な暴力ではなく、何かを守るために使われてきたものだと思っているし、暴力の先にある責任からも逃げることなく、自分の責任だと自覚し行動してきたつもりですよ。
だけど、それは昔の話で、今の私はただの婆です。
あの頃の力はすっかり無くなってしまいましたからね。
残された孫を無事見送ったら、私もおじいさんの元に行こうと思ってましたから、まさかこのように我を忘れて怒りをあらわにし、自ら危険な場所に行くことがおこるとは思ってなかったですよ。
ただただ、今は孫の名誉を守りたいんです。おじいさん。
あの馬鹿正直で真面目で、人を思う綺麗な心がある、あの孫の名誉さえ守れれば、この婆はどうなっても良いと思うのです。おじいさんは「バカな事いうんじゃない!」って、その武骨な顔で言うんでしょうけど、私はやりますよ。
・・・・さて、どうしたものでしょうね・・・・
今日はお日様も出て良い陽気ですし、お布団出したら気持ちよいでしょうね。
孫ちゃんはお友達が見てくださってますし・・・ちょっとだけ・・・・
そう思ったらね、急にまぶたが重くなってきましてね、私の目は閉じられてしまいましたの。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おい!起きろ!エンゲリス・・・」
あれっ?おじいさん??随分若くなっちゃって!出会った時と同じくらい・・・
「そんな事はどうでもいいからよく聞けよ!」
ナニナニ?そんな怖い顔して。あ、怖い顔は元からか・・・
「んなこたぁどうだっていいんだよ!つーかお前、肝心な事忘れてねぇか?」
何よ!相変わらずもったいぶった言い方して!最後までそんなんだから頑固爺って言われちゃうのよ!
「うるさいわ!それよか、お前は誰だ?」
私はエンゲリス。ただの婆さんだよ。
「違ぇよ!本当のお前は誰だって言ってるんだよ!姿は関係ない。お前は誰だって言ってんだよ!俺の惚れた女は、曲がったことが大っ嫌いなまっすぐで純情な奴。高飛車に見えたけど、自分よりも周りを大事にして、自分の出来る事は全力でやるすっげえ奴だ」
・・・昔のあたしはそんなんだったよね。でも、今のあたしにはそんな力も自信もないよ・・・
「んなもん!自分で勝手に封印してるだけじゃねぇか!いつでも出せるのに勝手にがんじがらめにカギかけやがって!このバカ野郎!お前はお前らしく生きろよ!お前を縛るもんなんかねえんだよ!俺はとにかくまっすぐ突っ走るお前が本当に好きだったんだぜ!どんな奴より輝いてたお前をよ、もう一度見せて見ろよ!」
・・・バカっ!・・・あんたがいなきゃ意味ないじゃない!一番見せたいあんたがいなきゃ・・・アタシ・・・アタシ・・・
「お前には孫が待ってるじゃねぇか、それにあっちから俺も息子も見てる。誰がなんと言おうと、俺はお前を見てる。絶対にだ!だからよ・・・お前は誰だって聞いてるんだよ!お前は誰だ!」
私は・・・
気に入らないことは力で押し通す!
権力なんてくそくらえ!
王様だって、魔王だって足元にひれ伏せさせるわ!
アタシは魔女! 魔女エンゲリス!
「そうだ!それでこそお前だよ!・・・俺は見てるからな!・・・見てるからな・・・」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
・・・はっ、気が付いたら寝てたのね。
貴方の写真見てたから、きっと貴方の夢を見ていたのね。
でもね、困った妻がいたら、普通もっと優しい言葉かけない?本当に馬鹿な人・・・本当にありがとう・・・
そう思いながら、さりげなく胸元のペンダントを握ったらね、ペンダントから急に七色の光が私を包んで行って、少しずつ私に力を与えてくれたの。
いやっ?思い出したけど、これ、私の力だわ!
昔から少しずつためてきた私の魔力!!
いろいろ忘れてたけど、だんだん思い出してきたわ!すべての事を!
これならアタシやれる!
気に入らないことは力で押し通す!
権力なんてくそくらえ!
王様だって、魔王だって足元にひれ伏せさせるわ!
アタシは魔女! アタシは魔女エンゲリスよ!
・・・・ありゃ・・・・アタシとしたことが、すっかり元に戻っちゃって・・・着れる服ないじゃないの!
すっぽんぽんじゃ外に出れないわ・・・どうしましょ?
応援ありがとうございます!
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