【完結】この婚約破棄はお芝居なのですが···。乱入してきた勘違い男を成敗します!

櫻野くるみ

文字の大きさ
17 / 23

まさかのピンク髪男爵令嬢の登場

しおりを挟む

自分に酔っているのか、アーサーはいかに自分が優れた人間であるのかを語り続けていた。
もはや、趣旨が変わって来ている気がする。

メンタル、強いなぁ。
空気は全く読めてないけど。

呆れる私の回りで、他の卒業生達も困惑を隠しきれていない。

その時、クロードがアーサーの自分語りを遮るように声を上げた。

「ちょっといいかな。」

アーサーが話すのを止め、クロードを見た。

「確認なのだが、君はカーランド家の伯爵令息、アーサー君で合っているかな?」

「確かに。俺はカーランド伯爵家長男のアーサーだ。」

自信満々に、顎を上げながらアーサーが答えている。

だから、なんでそんなに偉そうなのよ。
クロードは公爵令息なんだってば。
しかも、こんな大勢の中で悪目立ちしているのに、堂々と名乗っちゃって。
カーランドの名前に傷が付かないといいけどね。
まあ、もう遅いか。

「君は、アメリアと婚約をするつもりなのか?」

「ああ、もちろんだ。むしろ、俺は元々アメリアの婚約者だったんだ。あるべき形に戻るだけさ。」

勝ち誇ったようにアーサーがのたまい、クロードが心底嫌そうに顔を歪めた。

これはマズイ。
否定しないと!!

「そんな話、全くないですけれど。」

思わず私が出ていくと、

「覚えてないのかい?うちの茶会で婚約者にしてやると言ったはずだが。」

さも呆れた様に、馬鹿だなぁと言わんばかりの言い方をされた。

はぁ?
いつの話よ?
全然記憶にないんですけど。

すると、会場に「あ!」「もしかして」「あの時の?」などの声が上がり、数名の令嬢が私の方に駆け寄ってきてくれた。
昔からの令嬢友達である。

「アメリア様、7歳の頃、私達が参加した子供のお茶会を覚えていらっしゃいますか?」

「同じ年頃の子供が親に連れられて。アメリア様と初めてお会いした日です。」

「確かカーランド家主催で、私達皆アメリア様と同じテーブルにおりましたわ。」

その記憶ならアメリアにもある。
初めて女の子のお友達がたくさん出来た、楽しい思い出だ。

「そのお茶会なら覚えておりますけれど。」

「あの時、アーサー様がやたらとアメリア様を気に入られて、私達におっしゃったのですわ。『お前達、よく聞け。俺はアメリアと婚約する。お前達はお呼びじゃないから邪魔をするな。』って。」

少しアーサーの声真似をしながら令嬢が教えてくれた。
そんなことがあったのね。

それにしても。

7歳とはいえ、なんて失礼な!!
しかもアメリアには直接伝えていない上、そもそも婚約とは口約束で成立するものでもない。
家も通さず、一方的に令嬢達に宣言しただけで、婚約者になったつもりでいたらしい。
なんだそれ。

会場にしらけたムードが漂う。
私にお茶会事件を教えてくれた令嬢達をエスコートしている男性達も、子供の頃のこととはいえ、自分のパートナーを馬鹿にされたとアーサーに対して怒っている。

この短時間に会場中の人から嫌われるって、なかなかの才能ね。
劇に入ってこなければ、学院生活の最後に変に目立つこともなかったのに。
これからが大変そう。


私が現実逃避をしていると、アーサーの隣の女の子が突然叫んだ。

「アーサー様は騙されています!!」

誰!?
今度はなんなの!?

「アーサー様、あのアメリアという女は、アーサー様お気に入りの私が邪魔で、身分を盾に私を苛めた性悪女です!アーサー様にふさわしくありません。私がここで断罪します!」

アーサーの隣で袖を引っ張っていた令嬢が、急にライトを浴びて語り出す。

え?
ここにきてまさかの台本に戻るパターン?
というか、ライトが当たるまでわからなかったけど、あの娘ピンクの髪をしてるじゃない。

アーサーの腕を取り、ピンク髪をした女の子が堂々と言った。

「私は男爵令嬢のエリザベスですわ。」

ピンク髪の男爵令嬢が断罪って・・・

ふふふふふふ、あはははは!!
ダメ、もう面白すぎるんだけど!!
まさか本物?
ここにきて本物の登場なの?
カオスじゃん!!

後ろから、

「うわー、本当にピンク髪っているんだ。」

「あ、最近男爵家に引き取られたっていう・・・」

フレディ、エミール、お願いだからこれ以上笑わせないでー。
なんとか顔に出さないようにしてるけど、お腹がよじれちゃうわ。

セレンはせっかくピンク色のドレスまで用意したのに、急に現れた令嬢にヒロイン役を奪われそうでムッとしている。
クロードは私が傷付かないか、心配そうにこちらを見ていた。

私なら大丈夫。
おかし過ぎて困るけど。


成敗対象が増えました。










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)

柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!) 辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。 結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。 正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。 さくっと読んでいただけるかと思います。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】転生令嬢が、オレの殿下を"ざまあ"しようなんて百年早い!〜"ざまあ王子"の従者ですが、やり返します〜

海崎凪斗
恋愛
公爵令嬢ロベリアは、聖女への嫌がらせを理由に婚約破棄された――はずだった。だが夜会の席、第二王子が「冤罪だった」と声を上げたことで、空気は一変する。 けれど第一王子の従者・レンは言う。 「いや?冤罪なんかじゃない。本当に嫌がらせはあったんだよ」「オレの殿下を"ざまあ王子"にしようなんて、百年早い!」 ※ざまぁ系ではありますが、"ざまぁされそうな王子の従者が、それを阻止して悪役令嬢気取りの転生者をざまぁし返す話"です。主従モノに近いので、ご注意ください。 プロローグ+前後編で完結。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!

たまこ
恋愛
 エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。  だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない

おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。 どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに! あれ、でも意外と悪くないかも! 断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。 ※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

他人の婚約者を誘惑せずにはいられない令嬢に目をつけられましたが、私の婚約者を馬鹿にし過ぎだと思います

珠宮さくら
恋愛
ニヴェス・カスティリオーネは婚約者ができたのだが、あまり嬉しくない状況で婚約することになった。 最初は、ニヴェスの妹との婚約者にどうかと言う話だったのだ。その子息が、ニヴェスより年下で妹との方が歳が近いからだった。 それなのに妹はある理由で婚約したくないと言っていて、それをフォローしたニヴェスが、その子息に気に入られて婚約することになったのだが……。

無愛想な婚約者の心の声を暴いてしまったら

雪嶺さとり
恋愛
「違うんだルーシャ!俺はルーシャのことを世界で一番愛しているんだ……っ!?」 「え?」 伯爵令嬢ルーシャの婚約者、ウィラードはいつも無愛想で無口だ。 しかしそんな彼に最近親しい令嬢がいるという。 その令嬢とウィラードは仲睦まじい様子で、ルーシャはウィラードが自分との婚約を解消したがっているのではないかと気がつく。 機会が無いので言い出せず、彼は困っているのだろう。 そこでルーシャは、友人の錬金術師ノーランに「本音を引き出せる薬」を用意してもらった。 しかし、それを使ったところ、なんだかウィラードの様子がおかしくて───────。 *他サイトでも公開しております。

処理中です...