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第三話
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月明かりの綺麗な夜。
私は人型に変身してオズベルト様の家のドアをコンコンと叩いた。
「はい」
鍵をガチャガチャと開ける音が聞こえる。
ドアが開く前にもう一度自分の姿を確認した。
服はオズベルト様の白シャツを一枚拝借した。
本当はスラックスも借りたかったが、オズベルト様は大男なので私にはサイズが合わなかったのだ。
でも、スラックスが無くてもシャツの丈は太腿の下ぐらいまではあるので大事な所は隠れている。問題ない。
ちなみに下着はつけていない。
どうせすぐに抱かれるのだ。無くても問題ないだろう。
あとは……。
顔と身体をペタペタと触る。
大丈夫だ。ちゃんと人に化けられている。
ホッと一安心したらドアが開いてオズベルト様が出てきた。
「夜分遅くにすいません。私は旅の者です。道に迷ってしまいました。申し訳ないのですが、一晩泊めて下さいませんか?」
「……」
オズベルト様は目を大きく開けて呆然と私を見ている。
「そ、そんな軽装で旅をしているのですか!?」
「あ……。は、はい。薄着で旅をした方が涼しいのです」
「……」
しまった。もっとちゃんとした服装にすればよかった。どうせ裸になるから何でもいいと思ったのだ。失敗だった。
オズベルト様は不審げな表情で私を見ていたが、暫くするとドアを大きく開いた。
「兎に角お入り下さい。この森は夜、魔獣が活発に動き回る。外にいるのは危険です」
「あ、ありがとうございます!!」
私はペコペコ頭を下げて部屋の中に入った。
「そこの椅子に座っていて下さい」
「はい」
言われた通りに椅子に座っていたら、オズベルト様がホットココアを持ってきてくれた。
有り難く頂戴して口をつける。
オズベルト様はテーブルを挟んで私の正面に座った。
チラチラとココアを飲む私を見ている。
何だろう。変なところでもあるのだろうか。
「あの……。私の顔に何かついていますか?」
「い、いえ!! ジロジロ見てすいません!」
そう言うと、オズベルト様は慌てて立ち上がった。何故だかお顔が真っ赤だった。
「あの……! 今夜はもう遅い! 隣の部屋に客人用のベッドがあります! そこでゆっくり休んで下さい!」
「は、はい……」
「私はもう休ませていただきます! で、では!」
そう言ってギクシャクしながらオズベルト様の寝室に向かって歩いて行ってしまった。
「……」
オズベルト様……。
本当に人見知りが激しいな。
普通見ず知らずの人が泊めて下さいと家に来たのなら、色々話をするだろう。
『大変でしたね』とか『どこから来たのですか?』とか。オズベルト様はそう言う会話を全部すっ飛ばしてさっさと寝てしまった。
でも、それは好都合。
私もその方が楽だ。何故なら手っ取り早く交わりに持ち込めるからだ。
私はココアのカップをテーブルに置き、ゆっくりと立ち上がった。
目指すはオズベルト様の寝室。
私は人型に変身してオズベルト様の家のドアをコンコンと叩いた。
「はい」
鍵をガチャガチャと開ける音が聞こえる。
ドアが開く前にもう一度自分の姿を確認した。
服はオズベルト様の白シャツを一枚拝借した。
本当はスラックスも借りたかったが、オズベルト様は大男なので私にはサイズが合わなかったのだ。
でも、スラックスが無くてもシャツの丈は太腿の下ぐらいまではあるので大事な所は隠れている。問題ない。
ちなみに下着はつけていない。
どうせすぐに抱かれるのだ。無くても問題ないだろう。
あとは……。
顔と身体をペタペタと触る。
大丈夫だ。ちゃんと人に化けられている。
ホッと一安心したらドアが開いてオズベルト様が出てきた。
「夜分遅くにすいません。私は旅の者です。道に迷ってしまいました。申し訳ないのですが、一晩泊めて下さいませんか?」
「……」
オズベルト様は目を大きく開けて呆然と私を見ている。
「そ、そんな軽装で旅をしているのですか!?」
「あ……。は、はい。薄着で旅をした方が涼しいのです」
「……」
しまった。もっとちゃんとした服装にすればよかった。どうせ裸になるから何でもいいと思ったのだ。失敗だった。
オズベルト様は不審げな表情で私を見ていたが、暫くするとドアを大きく開いた。
「兎に角お入り下さい。この森は夜、魔獣が活発に動き回る。外にいるのは危険です」
「あ、ありがとうございます!!」
私はペコペコ頭を下げて部屋の中に入った。
「そこの椅子に座っていて下さい」
「はい」
言われた通りに椅子に座っていたら、オズベルト様がホットココアを持ってきてくれた。
有り難く頂戴して口をつける。
オズベルト様はテーブルを挟んで私の正面に座った。
チラチラとココアを飲む私を見ている。
何だろう。変なところでもあるのだろうか。
「あの……。私の顔に何かついていますか?」
「い、いえ!! ジロジロ見てすいません!」
そう言うと、オズベルト様は慌てて立ち上がった。何故だかお顔が真っ赤だった。
「あの……! 今夜はもう遅い! 隣の部屋に客人用のベッドがあります! そこでゆっくり休んで下さい!」
「は、はい……」
「私はもう休ませていただきます! で、では!」
そう言ってギクシャクしながらオズベルト様の寝室に向かって歩いて行ってしまった。
「……」
オズベルト様……。
本当に人見知りが激しいな。
普通見ず知らずの人が泊めて下さいと家に来たのなら、色々話をするだろう。
『大変でしたね』とか『どこから来たのですか?』とか。オズベルト様はそう言う会話を全部すっ飛ばしてさっさと寝てしまった。
でも、それは好都合。
私もその方が楽だ。何故なら手っ取り早く交わりに持ち込めるからだ。
私はココアのカップをテーブルに置き、ゆっくりと立ち上がった。
目指すはオズベルト様の寝室。
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