素直になれない平凡はイケメン同僚にメスイキ調教される

天野カンナ

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69.あっ♡

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 お手洗いを出ると廊下を歩いて待ち合わせ場所へと向かう。
 横並びで手が触れそうな距離で歩いていると、敦がいきなりため息を吐いたので、旭は驚いて顔を見た。

「そういえば明、昨日の晩に仕事の事考えてて告白するの忘れてたらしい」
「えっ!?」

 告白を忘れるほどに仕事の事を考えてるって、どれだけ仕事が好きなんだろうかと、旭が驚いていると、敦が呆れた顔をしながら口を開いた。

「あいつは恋愛より仕事の方が大事だからな。だから、新さんが困るんだよ」
「もしかして、新さんも明さんの事を?」
「そうだけど、明も旭と同じで鈍いから全然気付いてない。側から見たら恋人みたいなこと普通にしてるけどな」

 つまり、明は新と部屋に泊まり合ったり、一緒の布団に寝たりしているのに思いに気づいてないのかと、旭は明と思わぬ共通点を見つけて、微笑んだ。

「へぇ。なんか明さんに親近感湧くな」

 そう話していると、遠くから呼ぶ声が聞こえてきた。

「おーい敦!!久しぶりだな!!」

 驚いて、声がした方を見ると170cmほどの黒髪のマッシュパーマで黒いポロシャツにジーンズを着た男性が大げさに手を振っていた。

「明。声デカいって」

 敦か明に駆け寄って行ったので、旭も後から着いていく。
 イメージ通り優しそうな明に、旭はほっと胸を撫で下ろした。

「ごめんって。久しぶりでテンション上がっててさ。あ、こちらが噂の」

 明と目があった旭は慌てて挨拶をする。

「初めまして、旭です。敦から明さんの話は聞いてます。気軽に旭って呼んで下さい」
「こちらこそ、よろしく!こっちも明でいいし、同い年なんだから敬語使わなくても大丈夫だよ!ほら、肩の力抜いて」

 明は少し、緊張気味の旭の肩に触れると優しく揉んだ。
 いい感じに、気持ちのいい揉みかたをされてしまい、旭は思わず声を出してしまう。

「あっ♡」
「えっ!?」

 肩に置いた手を止めて、驚いて旭を見る明と、慌てて手で口を塞ぐ旭の間に敦が割って入ってくる。

「ほら、旭は敏感で俺しか触ったらいけないんだから明は離れて。それで、新さんはどこに行ったんだ」

 恋人に触られて微妙に怒っている敦に、明は両手を上げて降参のポーズをとった。

「あぁ。新ならさっき写真一緒に撮ってって女の子達に頼まれてたから、俺だけ先に待ち合わせ場所に来ちゃった」

 それを聞いた旭が不思議そうに敦の方を向く。

「なぁ。何で新さんだけ写真頼まれるの?」
「そういえば、旭には話してなかったな。新さんの本名は西園新っていうんだ」
「西園新って有名なファッションモデルじゃん!頭痛くなってきた」

 敦の交友関係は一体どうなってるのだと、旭がめまいを起こしそうになっていると、再び明が大声を出した。

「あ、新!こっちこっち!!」

 明が手を振っている方向を見ると、周りの人と明らかにオーラの違う身長185cmほどの焦茶色のセンターパートで白いワイシャツにグレーのスラックスを着た男がこちらに向かって手を振っていた。
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