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学園編

6 久しぶり

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授業が始まった。と言っても研究科は年に2回研究した魔法のレポートを提出するだけだし、魔法科の授業もできるしで授業という授業がなかった。
そんなわけでここ最近は図書館に篭りっきりになった。

学園の施設とか先に紹介しておくね。
まずは座学教室とか職員室、保健室、第1図書館、事務室、学食がある本館がある。それからそれぞれの科の校舎があって、入学式とかをしたホールがある校舎と独立した図書館とかカフェテリアが点在してる。それぞれの建物に必ず食事ができるところがあって、図書館もあったりする。

研究科や魔法科の校舎にも図書館があるんだけど、読んだことがあるものが多かったから、いろんな図書館をぶらぶらした結果、1番寂れてる第8図書館にいる。ここの本は古いものが多くて【闇】とか属性についての文献とかもあって面白い。

「やっぱりここに居たのか」

「アレク。授業終わったのか?」

「まあな」

出会ってからアレッサンドロは授業の間を縫って僕の側にいるようになった。何でかはわからないけど、居心地は良いからそのままにしてる。

しばらく無言で本を読んでると、慌ただしい足音が聞こえてきた。

「あ、居た!おいマーティン!!………」

アレッサンドロを探していたらしい人の声が突然聞こえなくなった。どうしたのかと顔を上げると僕を驚いた表情で見つめる緑がかった黒髪に緑の瞳をした騎士科の生徒だった。

ブラント・エリソン
15歳

美形評価 A
備考: デルヴィーニュ家の従者。リュサリネラの護衛兼従者(予定)。

(あれ。僕の従者に昇格できたのかな)
「久しぶり、ブラント」

「リュ、リュサリネラ様?!なぜ…」

理解できない様子で僕とアレッサンドロを交互に見る。アレッサンドロはなぜかドヤ顔。

「どうだ。羨ましいでしょう?」

「~~!!!……マーティン、今日も訓練は余裕そうだったな。明日から増やしてやる」

ブラントは悔しそうに顔を歪めた後、ドス暗い笑顔でアレッサンドロにそう言った。アレッサンドロは冷や汗をかきながらも「どうぞお好きに」と挑発してる。ブラントはそれを聞いて満足そうに片眉をあげた。最後に会ったのは両親の葬儀の時だから、彼とも6年ぶりか。葬儀で会ったのも2年ぶりくらいだったけど。

「リュサリネラ様、来月からリュサリネラ様付きになりますのでよろしくお願い致します!」

「そうか。よろしく頼む」

「はい!!」

弾けそうなキラキラした笑顔で返事をした。何というか、彼に耳と尻尾が見えたような…。それからアレッサンドロに向かってドヤ顔した。アレッサンドロは拗ねた子供のよううな顔をしてる。

(2人ってどういう関係なんだろう?)

同じ騎士科だけど学年は違うしあまり接点がないように思う。
少し疑問に思っただけなのに、突然目の前に半透明の青いプレートが浮き上がった。

『ブラント・エリソンはアレッサンドロ・マーティンの指導役。騎士科特有のシステム。1年生の前期に3年生がサポートする』

(へぇ。って何で勝手に)

「?リュサリネラ様どうかされました?」
「?リラン、どうかしたのか?」

「なっ、お前リュサリネラ様を愛称呼びだと?!」

「リランがいいって言ったんだよ!」

また言い合いが始まった。なんだかんだ言って楽しそうにしているし仲が良いらしい。机に方杖をついて僕はそんな2人を眺めてた。

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