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31.それからの生活
しおりを挟むあれから数日が経過した。元住んでいたボロアパートから荷物を運んで、いらないものは全部処分。解約もして、引越しはすでに完了している。
ハウスキーパーの仕事も順調だ。毎日しなければならないもの、数日おきのもの、1週間おきのものなど、神崎がリストアップしてくれたので、とてもわかりやすくて助かっている。終えたらチェック欄に記入するようになっているから、し忘れることもない。
ちなみにこのリスト、家に帰ってきてすぐに渡されたものだ。前々から俺を雇うつもりだったことが判明して、すごく嬉しかった。
少しでも期待に応えたくて、1人暮らしの時は適当にやっていた洗濯や掃除について、いろいろネットで検索した。チャリを買ってもらい、近辺の地理を確認しつつ、スーパーまで買い物にも出かけたりもした。
ただ料理については、神崎の担当である。2ヶ月間、美味い料理を作り続けてくれただけあり、趣味らしい。俺は料理がほとんど出来無いから、手の込んだものを作れるというのは尊敬する。
仕事をこなしつつ引越しの片付けを進めていき、疲れたら無理せず休憩して。そうして夜には、テーブルに並べられた夕食の素晴らしさと、向かいに座り一緒に食べてくれる神崎に、感動する毎日。
「美味い。神崎のハンバーグ、マジ美味い」
「それは良かった。ふふ、弘樹さんはハンバーグが大好物ですよね」
バレていた。いや、以前は大好物というほどではなかった。すごく好きになったのは、ここに来てから。ここで初めて食べたのがハンバーグだったからだ。空腹で死ぬんじゃないかという時に食べたからか、本当に美味かった。だからたぶん、神崎が作ってくれたもの以外は普通なのだと思う。
あと大好物といえば、カレーか。神崎の作ってくれるカレーは別格である。
夕食が終えてしばらくは、カードで勝負したり、映画や動画を見たりしてゆっくり過ごす。
夜9時になったら、予約で湯を張っておいた風呂へ。以前の神崎は、服を着たまま俺を洗ってくれていたけど、今は一緒に入っている。
つまり神崎も全裸なわけで。そ、その……神崎の鍛えられた身体とか立派なチンコを、どうしても見てしまうのだ。好きだからドキドキするし、あれが俺の中に入ったら気持ち良いんじゃないかと想像してアナルがムズムズするし、勃起してしまう時すらある。
でも神崎はからかってこないし、むしろチンコを弄ってくれる。恥ずかしいが、今まで何度もされた行為ではあるので、そのまま受け入れた。
今までのように身体を洗ってくれるのも嬉しい。なので俺も神崎の頭を洗わせてもらうのだが、頭皮を揉むと気持ち良さそうに目を瞑ってくれるから、それだけで幸せだ。
風呂から出たあとは、髪を乾かして、水分補給して、歯を磨いたりなんだりと準備して。そうして神崎の寝室にお邪魔したら、バスタオルを敷いたベッドに横になる。
「弘樹さん、今日はどうしますか?」
「あ……ええと、大きめのプラグ。震えるやつ」
監禁生活ではなくなったものの、毎日アナルにオモチャを入れていたので、いきなり止めてしまうのはつらい。神崎もそれをわかってくれているのか、2階に置かれていたオモチャ入りトランクをここに移動させてくれたし、毎晩付き合ってくれる。
クッションを抱えてうつ伏せで待っていると、アナルにローションを垂らされた。それから指が胎内に入ってくる。くちくちと慎重に混ぜられるのが気持ち良い。前立腺もいつものように撫でられて、腰が震える。
指で解かされたあとは、頼んだプラグをすぐに挿入してくれた。ゆっくり奥まで埋められて、満たされる。気持ち良くて、腰が揺れる。きゅっと胎内を締めて、より感じて。
「ふぁ、あ……ん、ん」
「弘樹さん、そろそろ動かしますか?」
「ん、ん……」
髪を梳いてくる神崎の言葉に頷けば、リモコンのスイッチを入れられた。小刻みに振動されて、すごく気持ち良くて、イきそうになる。でももうしばらく我慢しよう。その方が、もっと気持ち良くなれるから。
「ん、んあ……ふ、ふぁ……あ、あ」
「弘樹さん、可愛い。ねぇ弘樹さん、ちょっと太腿貸してくれませんか?」
「ん……? あ……うん……?」
「ありがとうございます」
言われたことの意図がわからなかったものの、喘ぎながら、とりあえず頷いた。すると足を閉じられ、背中に乗られる。
「ではしばらく、足を閉じていてくださいね」
耳元でイイ声で囁かれるものだから脳が蕩けそうになるし、閉じた太腿に熱いものが挟まってきて、それだけでふるりと身体が震えた。サイズや感触から、どう考えても神崎の、ち、チンコだ。
神崎の勃起しているチンコが、太腿から睾丸へと触れてきている。驚いているうちにゆっくり動き出した。アナルを解かされた時のローションで、にゅるにゅるとなめらかに動かれる。
これ、これ素股だ。神崎が、俺で素股している。
「あ……、あんっ、ん……神崎、……ん、あ、あ」
「ん……弘樹さん……、は……ぁ」
神崎が俺に対して勃起してくれているだけでも嬉しいのに、素股までしてくれるなんて。
タマを擦られるのはもちろん、腰を押し付けられるたびに先端が俺のチンコをつついてくるし、アナルプラグが奥に埋まってくる。背中に乗っている重さや、うなじに掛かっている熱い吐息と相まって、まるで神崎に抱かれているみたいな錯覚に陥る。
こんなの嬉しすぎる。興奮して、我慢出来無るわけがない。もうイく、神崎に抱かれてイっちまう。
「ふぁ、神崎、イく、イきたい」
「ッ……はい、一緒に……ん、」
「いッ、あ、あん、ん、……んーー……!」
胎内をぎゅううっと締め付けて、弾けた快感に、大きく背中がしなった。あ、あ、気持ち良い、すごく気持ち良い。
射精し終えるとうなじにキスされたあと、神崎が上から退いていく。そしてすぐにプラグの振動を止めてくれると、ゆっくり抜かれた。仰向けになると、上から顔を覗かれ、優しく頬を撫でられる。
「気持ち良かったですね、弘樹さん」
「う、ん……すげぇ、良かった」
「濡れタオル持ってくるので、待っていてください」
頷くと、神崎は部屋から出ていった。余韻に浸りながらぼんやりしていると、戻ってきた神崎が、精液やローションを綺麗に拭いてくれる。
就寝準備をしたら、自室になった2階の部屋には戻らず、そのまま神崎のベッドへ。神崎も入ってきて、抱き締められた。神崎に包まれて、幸せになる。
「おやすみなさい、弘樹さん」
「ん、おやすみ神崎……」
神崎の懐にぐりぐり顔を押し付けると、ふふっと笑われたあと、頭を撫でられた。そうして1日が終わる。
ハウスキーパーとして働くようになってから、だいたいこんな流れだ。神崎が家にいる時にはいつも一緒に飯を食べるし、夜には気持ち良いことをして、一緒に眠る。しかしまさか、素股までされるとは思わなかった。それにうなじだけど、キスされた。
なんだかすでに恋人同士みたいで、頬が緩んでしまう。
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