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予想外の報酬
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【視点 主人公カイン=ベルマー】
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王都に帰還して以来、連日、美味しいモノをたらふく食べて、王都を観光したりして、遊び倒した。
王都は飲食店が多いし、観光名所も沢山あるから、遊ぶ場所には事欠かない。
久し振りにしっかりと休養を取れたお陰で体調は万全だ。
そして、俺たちは今、冒険者ギルドにいた。
『疑心の迷宮』の調査の報酬と、リッチーの所蔵していた魔導書の買い取り代金を受け取る為だ。
「こちらが、『疑心の迷宮』の調査の報酬となります」
受付嬢のフランシアさんが、笑顔で報酬をカウンターに出してくれた。
黒いトレーの上に、金貨と銀貨が山積みされていた。
「こんなに?」
俺は驚きの声をあげる。
「はい、今回の『疑心の迷宮』の調査報告書の報酬は、260万クローナとなります。おめでとうございます」
金髪碧眼の受付嬢が、胸の前で手を合わせて、パチパチと拍手してくれた。
「予想した報酬の倍以上だ。本当にこんなに貰って良いのか?」
「胸を張ってお受け取り下さい。優れた仕事をした方には報酬を受け取る権利がございます。ベルマーさんの調査報告書は、素晴らしいモノだったと上司も褒めておりました」
「そういってくれると有り難い」
俺は、革袋に報酬を丁寧に包み、無限収納のカバンに入れた。
「さあ、お待ちかね。こちらが、魔導書の買い取り代金です♪」
フランシアさんが、舞台俳優のような芝居がかった口調で言う。
美人なので、そんな仕草がやたらと似合う。
「さあ、どうぞ」
フランシアさんが、代金を置いた。
ドンっと重たい音が、カウンターに響く。
山積みにされた金貨のあまりの多さの俺は、驚愕した。
「え?」
「すごいです……」
「にゃー! 金貨が山盛り!」
「ん。予想外の展開……」
「すごいの! キラキラしてるの♪」
俺と含めて全員が、驚きの声を出す。
「8760万クローナとなります。ご確認下さい」
「なぜ、そんな金額に? あの魔導書にそんな価値があったのか?」
俺が、問う。
「ありました。ありました……、とは言っても、魔導書の専門家の方の鑑定によるもので、私は素人ですが……」
フランシアさんは、そう断ると、語を継いだ。
「五冊ほど、考古学的に価値が高い魔導書があったそうです。初代勇者とその仲間達に関する歴史的資料で、星神教会が買い取ったそうです。専門家の御墨付きですので、どうぞ、安心して代金を受け取って下さい」
「そうか。専門家の鑑定の結果なら、安心した」
少なくとも、ちゃんと価値がある物を提供し、その代価を得たという事だ。
正当な報酬なら、ちゃんと受け取れる。
俺は、金貨の山を革袋に入れると、無限収納のカバンにしまった。
「良かったですね。先生」
ルイズが、美貌に笑みを咲かせた。
他のみんなも笑みを浮かべる。
「みんなのお陰だよ。ありがとう」
俺は本心から言った。
【視点 主人公カイン=ベルマー】
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王都に帰還して以来、連日、美味しいモノをたらふく食べて、王都を観光したりして、遊び倒した。
王都は飲食店が多いし、観光名所も沢山あるから、遊ぶ場所には事欠かない。
久し振りにしっかりと休養を取れたお陰で体調は万全だ。
そして、俺たちは今、冒険者ギルドにいた。
『疑心の迷宮』の調査の報酬と、リッチーの所蔵していた魔導書の買い取り代金を受け取る為だ。
「こちらが、『疑心の迷宮』の調査の報酬となります」
受付嬢のフランシアさんが、笑顔で報酬をカウンターに出してくれた。
黒いトレーの上に、金貨と銀貨が山積みされていた。
「こんなに?」
俺は驚きの声をあげる。
「はい、今回の『疑心の迷宮』の調査報告書の報酬は、260万クローナとなります。おめでとうございます」
金髪碧眼の受付嬢が、胸の前で手を合わせて、パチパチと拍手してくれた。
「予想した報酬の倍以上だ。本当にこんなに貰って良いのか?」
「胸を張ってお受け取り下さい。優れた仕事をした方には報酬を受け取る権利がございます。ベルマーさんの調査報告書は、素晴らしいモノだったと上司も褒めておりました」
「そういってくれると有り難い」
俺は、革袋に報酬を丁寧に包み、無限収納のカバンに入れた。
「さあ、お待ちかね。こちらが、魔導書の買い取り代金です♪」
フランシアさんが、舞台俳優のような芝居がかった口調で言う。
美人なので、そんな仕草がやたらと似合う。
「さあ、どうぞ」
フランシアさんが、代金を置いた。
ドンっと重たい音が、カウンターに響く。
山積みにされた金貨のあまりの多さの俺は、驚愕した。
「え?」
「すごいです……」
「にゃー! 金貨が山盛り!」
「ん。予想外の展開……」
「すごいの! キラキラしてるの♪」
俺と含めて全員が、驚きの声を出す。
「8760万クローナとなります。ご確認下さい」
「なぜ、そんな金額に? あの魔導書にそんな価値があったのか?」
俺が、問う。
「ありました。ありました……、とは言っても、魔導書の専門家の方の鑑定によるもので、私は素人ですが……」
フランシアさんは、そう断ると、語を継いだ。
「五冊ほど、考古学的に価値が高い魔導書があったそうです。初代勇者とその仲間達に関する歴史的資料で、星神教会が買い取ったそうです。専門家の御墨付きですので、どうぞ、安心して代金を受け取って下さい」
「そうか。専門家の鑑定の結果なら、安心した」
少なくとも、ちゃんと価値がある物を提供し、その代価を得たという事だ。
正当な報酬なら、ちゃんと受け取れる。
俺は、金貨の山を革袋に入れると、無限収納のカバンにしまった。
「良かったですね。先生」
ルイズが、美貌に笑みを咲かせた。
他のみんなも笑みを浮かべる。
「みんなのお陰だよ。ありがとう」
俺は本心から言った。
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