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視察(2)
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私は大満足して、午後になると次の村に向かった。同じように以前から目をつけていた古い教会を視察し、同じように頼みたいと考えていた人の家を周り、手伝いをお願いして2週間分の手当を渡した。ブルーデネルはつきっきりで私たちの話を聞き、メモをとっていた。
帰りは、昨日アーニャが孤軍奮闘していた2つの村を周った。お願いした人々が戻り、以前のように活気に溢れて運営されていることが確認できて私は心底ほっとした。そこにアーニャの姿はなかった。
私は予定していたタスクを終えて、帰路についた。帰りの馬車の中で「明日、私は4つの村の様子を確認して回りますね」とブルーデネルが言ってくれた時には、心の底から嬉しかった。
マリア以外にも計画に素直にのめり込んでくれる人が見つかり、私は軌道に乗りそうで嬉しかったのだ。
「どんどん、拡大していくんですね」
「ええ、そうしたいわ。貧しい村は他にもあるのよ」
「食べ物が落ち着いたところは、学校と職業訓練教室と農業教室を開くという流れですね」
「ええ、そうしたいの」
「忙しくなりますね」
私は顔を綻ばせてそう言うブルーデネルの顔を見つめて、安堵のため息をついた。ブルーデネルは信頼できると思った。
明日は、弁護士のマイロから伯爵家での様子について、報告を受けることになっている。
――うまく狩猟用森を買い取れて、アーニャにお金を渡せるといいのだけれど…………。
馬車の外に広がる田園地帯を赤く染め上げる夕陽を眺めながら、私は伯爵家との交渉がうまく行くことを願った。
帰りは、昨日アーニャが孤軍奮闘していた2つの村を周った。お願いした人々が戻り、以前のように活気に溢れて運営されていることが確認できて私は心底ほっとした。そこにアーニャの姿はなかった。
私は予定していたタスクを終えて、帰路についた。帰りの馬車の中で「明日、私は4つの村の様子を確認して回りますね」とブルーデネルが言ってくれた時には、心の底から嬉しかった。
マリア以外にも計画に素直にのめり込んでくれる人が見つかり、私は軌道に乗りそうで嬉しかったのだ。
「どんどん、拡大していくんですね」
「ええ、そうしたいわ。貧しい村は他にもあるのよ」
「食べ物が落ち着いたところは、学校と職業訓練教室と農業教室を開くという流れですね」
「ええ、そうしたいの」
「忙しくなりますね」
私は顔を綻ばせてそう言うブルーデネルの顔を見つめて、安堵のため息をついた。ブルーデネルは信頼できると思った。
明日は、弁護士のマイロから伯爵家での様子について、報告を受けることになっている。
――うまく狩猟用森を買い取れて、アーニャにお金を渡せるといいのだけれど…………。
馬車の外に広がる田園地帯を赤く染め上げる夕陽を眺めながら、私は伯爵家との交渉がうまく行くことを願った。
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