元ラノベオタクの転生勇者はチートスキルを使わない

辻谷戒斗

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第二十四話 ボーグンの性格

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「……ふぅ。ごちそうさま。いやー、美味しかったよ」

「私も……ごちそうさま……。待たせてごめん……二人とも……」

「いえいえ。気にしないでください。ミツルさんは地図をちゃんと見終えましたか?」

「おう!もう完璧だ!地図のことなら何でも聞いてくれ!」

 ボーグンとローズが食べている間に地図をじっくりと見ることができた。
 地図に書いてあったことは頭にぶち込んだからな。
 地図のことなら何を聞かれても答えられる!

「いや、私達も地図は貰っていますし……。それに普通は貰った時にさっと目を通しておくと思うのですが……」

「あっ、はい。そうですね……」

 全く自慢になりませんでした……まぁ、そりゃそうか……。
 だって、皆は地図ちゃんと見てるんだもんな……。
 ……あれ?俺、馬鹿じゃね?なんで自慢なんてしようと思ったんだ?

「クッ、ククッ……大丈夫?ミツル君?」

 そう言ってボーグンはニッコリとしたムカつく笑い顔をしながら、俺の肩に手をポンッと置いてきた。

「おい!!俺の傷口を更に抉ってんじゃねえ!!何!?お前俺を泣かしたいの!?泣いちゃうよ!?俺マジでここで泣いちゃうよ!?」

「ハハハ!!いやごめんね?面白そうだったから、つい」

「……お前、いつか絶対痛い目見るからな……」

 まだ笑っているボーグンに向けて、俺は小さくぼやく。
 こいつマジでっ……!!こいつは絶対痛い目見る……!!いや、いつか絶対見せてやる……!!

「はぁ……。相変わらずですね、ボーグン……。それでなんですが、これからどこに行きましょうか?」

「僕はどこでもいいよ。大体は知ってるしね」

「私も……どこでもいい……」

「あ、なら図書館に行きたいんだけどいいか?」

「いいですが……なぜ図書館に?」

「俺本読むの好きだからな。どんな本があるのか見ておきたいんだ」

 まぁ、それは建前だけどな。
 本が好きなのは嘘じゃないけど、本当は図書館にならこの国の、この世界の歴史の本があるんじゃないかと思ったからだ。
 この世界で行きていく以上、この世界について知っておいて損はないはずだ。

「私はいいよ……。私も本好きだし……」

「私も構いませんわ。ボーグンもそれでいいですか?」

「うん。もちろん大丈夫だよ」

 するとボーグンの顔がさっきと同じようなムカつく顔に変わった。
 まずい……!!嫌な予感がする……!!さっさと図書館に行こう……!!

「よ、よし!じゃあ、図書館に向かおうぜ!」

「そうだね。じゃあ、案内お願いね。地図の内容頭に入ってるんだから、場所分かるよね?いやー、頼りになるよー」

「よーしボーグン表出ろ!!お前に痛い目見せてやる!!」
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