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第三十三話 武器とスキル
しおりを挟む「じゃあ、教室に向かおうか」
「お、おう……。そうだな……」
「……ミツル、大丈夫……?どこか痛めたの……?」
「確かに少しおぼつかない足取りですね。どうしたのですか?ミツルさん」
「い、いや、実は朝に寮の周りを走ってたんだが、転んじまってな。その時、多分足を痛めたんだと思う。ま、まぁ、大したことないから気にするな。傷はついてねぇしな」
「そうですか。それなら良かったです」
言えない……!言えるわけがない……!朝の修業の時、アテナさんに模造剣で滅多打ちにされたなんて……!
《自然治癒》で傷自体は残ってないけど、疲労は溜まるんだな……。
っていうかアテナさん容赦なさすぎだろ!あれで手加減してるのかよ!?
そもそもアテナさんが圧倒的すぎて戦いになってないし……。
まずはあの攻撃を防げるようにならないとどうしようもない……。
はぁ……先は長いな……。
「そういえば、今日って何の授業があるんだ?時間割とかあるのか?」
「時間割は今日の授業が始まる前に発表らしいよ。まぁ、一時間目は決まってるけどね」
「え?何なんだ?」
「一時間目は自分の武器選びですわ。自分が使いたい武器の種類を選ぶのです」
「ふーん。お前らはもう武器決めてるのか?」
「まぁ、ほぼほぼ決まってますわ。両手剣の予定です」
「僕も決まってるよ。僕は弓にするつもり」
「……私は、まだ……」
「ミツル君は決まってるのかい?」
「俺?俺はそうだな……」
まぁ、片手剣かな。アテナさんとの修業で使ってるのも片手剣だし。
……でも、片手剣だけじゃアテナさんの連撃を防げる気がしないんだよなぁ……。
いっそのこと盾を装備してみるか?俺に合っているかどうかは分からないが、試してみる価値はあるな。
「片手剣かな。盾を装備することも考えてるけど」
「そうなのですか。そういえば、ミツルさんのスキルを聞いていませんでしたね。一体どんなスキルなのですか?」
「あ、それ僕も気になってた」
「そうか。言ってなかったな。俺のスキルは《自然治癒》だ」
そう言った後、チラリとローズの方を向き人差し指を口に当てて、本当のことは言わないでくれと訴える。
それが通じたのか、ローズは小さく頷いてくれた。
「……うん。ミツルのスキルは間違いなくそう。私のスキルで見たから」
いやいやローズ!それいちいち言わなくていいやつぅ!その言い方だと逆に疑われるかもしれないからぁ!
「ローズさんのスキルは《能力透視》ですものね。私のスキルも紹介する前に当てられてしまいましたし……」
どうやら俺のスキルの話から離れて、ローズのスキルの話になったようだ。
た、助かった……
「へー。じゃあさローズさん。僕のスキルは分かる?」
「分かる……。ボーグンのスキルは《百発百中》、でしょ……?」
「正解だよ!ローズさん!本当に分かるんだね!」
「うん……ちなみにエザのスキルは《電光石火》……」
ふむ。ボーグンのスキルは《百発百中》、エザのスキルは《電光石火》か……。
ボーグンのスキルである《百発百中》はそのまんまだろうな。自分が放った物が指定したものに必ず当たる的な感じのスキルだと思う。
エザのスキルである《電光石火》も意味のまんまだろう。スキル使用中はものすごく速くなるようなスキルだと考えられる。
どちらも戦闘にむいているスキルだな。
「その通りですわ。……あら、もう一年棟の目の前ですわね。Sクラスは確か……四階の一番奥でしたね。行きましょうか」
「おう。そうだな」
しかし一年棟もでかいな……。どんだけ広いくて大きいんだよこの学園……。
俺はそんなことを思いながらエザ達に続き、これから新たな学び舎となる一年棟に入っていった。
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