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しおりを挟む動揺から思わず大きな声をあげてしまうと周りの人の視線がこっちを向く
キラキラしている人たちの視線ほど怖いものはない
誰だこのチビというような目を向けられている
「あ、千秋先輩
おかえり」
臣は膝の上に誠の頭があるにもかかわらず立ち上がる
そのせいで誠の頭は無防備な状態で床に落ちてゴツッと鈍い音を立てた
音だけで痛いのが伝わってくる
「いっった!!」
「今の音は絶対痛かったね
割れた音したもん」
寝ぼけながら頭を摩る誠の姿を見て周りの人達は笑う
臣はそんな誠に構うことなく僕の元にきて頭を乱暴に撫でた
「今日の講義はもう終わった?」
「うん
急に来てごめんね」
「何言ってんの
俺は千秋先輩に会えて嬉しいよ」
臣はいつものようにキスしようとしてくるからその口を手のひらで止めて、目線を臣の後ろにいる方々に移す
「ごめん、忘れてた」
「あんなに近くにいるのに…」
「ごめんって
千秋先輩が目の前にいるとついね…」
この場にいる春也以外の人は僕と臣が付き合ってることを知らないから見られるとまずい
ちなみに付き合っていることを秘密にしたいと言ったのは僕
臣は校内で有名人だからその人達の注目を集めるとなるとひっそりと学園生活を送っている僕には耐えられない
応援ありがとうございます!
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