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周りが中々近寄らない理由もわからなくはない

「きっと、皆んなりっくんがかっこよすぎて近づけないんだよ」

「何それ」


りっくんは鼻で笑って、頼んだオムライスをスプーンで掬い口に運んだ
その口元まで綺麗だ


「まあ、俺はちぃが仲良くしてくれるならそれで良いよ」


「え、僕なんかじゃ物足りないでしょ」


りっくんはスプーンを皿の上置いて、鋭い目つきを僕に向けた
何か地雷を踏むようなことを言ってしまったか…


「いいよ
俺はちぃがいてくれれば充分
ほら、行くよ
次の講義始まる」


りっくんは最後の一口のオムライスをスプーンに掬うと、僕の口元に持ってくる


「えっと…これは…」

「早く食べて」


りっくんの視線に負けて、口を開けると口の中にスプーンがゆっくりと入っていく

「おいし?」


「う、うん…」


「一口目もあげれば良かったね
じゃあ、行こう」


りっくんは荷物を持つと、僕の食器と自分の食器を両手に持って返却口へと向かっていく


「あ、ちょっと待ってよ」


追いかけた時には既に遅し、りっくんは返却口に既に食器を返却していた

「ありがと、りっくん…」

「どういたしまして
また食べにこよ」

りっくんは僕の頭に手を置くと、ぽんぽんと何度か撫でた
昔は僕が撫でてたのにいつのまにこんなに大きく成長したんだな…前を歩くりっくんの背中を見ながらそんなことを感じる
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