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しおりを挟む服の裾で額の汗を拭き取っていると、部屋の中ではさっきまでの話題がまだ続いているようだった
落ち着くことなく僕はまた耳を澄ます
「臣くんの場合はAVなんてなくても満たせそうっすよね
寄り付く女も多そうだし、めちゃくちゃ羨ましい」
「え?俺?
春也じゃなくて?」
「そうじゃん、てか臣はAVなんてほぼ見ないっしょ
俺、昔から臣の家によくくるけどエロ本とかAVなんて一度も見たことねえもん
てか、お前も人の家にいきなりおすすめのAV持ってきて一緒に見ようとか狂ってるよな
1人で抜いてろよ」
「そんな寂しいこと言わないでください
いいものは共有した方がいいじゃないですか
それに俺、臣先輩みたいなイケメンの家で抜き始めるほど変態じゃないっす」
「AV持ってくる時点で十分変態だけどな」
部屋の中にいるのは臣と春也くらいしか把握ができないけど、後輩くんが1人いることは把握できた、それとあともう1人知らない人の声が聞こえてくる
「けど、臣さ
興味ない感じで見てたけど、この女優の感じ好きでしょ
色白清楚系」
「まあ、悪くはないかもね」
3年近く付き合ってきて初めての情報に扉に近づき耳を澄ました
言われてみればわざとらしいと感じる女性の喘ぎ声と共に会話が聞こえてくる
「え??そうなんすか
自分初めて聞くんですけど、臣くんそういうの教えてくれないからもっと情報教えてくださいよ」
僕はその言葉にうんうんと首を縦に何度も動かす
「臣は巨乳とばかり付き合ってたからね」
「え?!まじすか!??」
巨乳…
その言葉を聞いて、僕は視線を下げて自分の胸元を見る
もちろん出っ張っているところなんて全くない真っ平
巨乳とは正反対の身体つき
「それに付き合う条件がめちゃくちゃ厳しくて、よく臣と俺で一緒になって告白してきた女の子格付けしてた」
どうやら得体の知れなかった一人は臣と春也の高校の同級生のようだった
「勝手に俺の個人情報漏らしすぎ」
「いいじゃん、久々に集まったんだし
これも同窓会の一種っしょ
この際、臣の暴露大会みたいなもんでしょ」
同じ高校出身である僕は同窓会の一員として参加できる
いっそのこと今から参加してさっきの臣の情報についてあれこれ質問したい
応援ありがとうございます!
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