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『アイスキャンディーの罠』

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「やっ! なにするの!?」
「今まで触るの我慢してたんだから。少し触らせて」
「こういうのは順序ってものがあるでしょうがー!」
「しっ。叔母さんに聞こえる」

 階下にいる母に気付かれてしまっては大変だ。そう悟った瞬間、朱夏は黙ってしまった。涼斗は何食わぬ顔で朱夏をソファに押し倒し、ブラを外す。朱夏の熱を帯びた肌が、冷たい空気にさらされた。

「ひゃっ……」
「お前……大きいとは思ってたけど」
「へ、変態っ! んっ」

 涼斗の手が、朱夏の両胸にそっと触れる。形を確かめるかのようにやわやわと揉まれ、先端を親指と人差し指で摘ままれた。引っ張られたりこねられたりして、朱夏は総毛立っていく。

「あっ……やっ、なにこれっ」
「マシュマロみたい。やわらけ……」
「ば、ばかっ」

 涼斗は熱に浮かされでもしたのか、朱夏に口づけをしながら胸を愛撫し続けた。終着点の分からない朱夏は、目に涙を溜ながら、快感に堪える。

(これって……最後までするの?)

 思いがけないところで処女を卒業してしまうのか。そんな覚悟は全くできていない。やめてもらうなら今だ。そう考えて、朱夏は涼斗の腕を掴んだ。

「朱夏?」
「涼斗……わ、私っ」
「ああ、ごめん。嫌なら、やめる」

 涼斗ははっとして、動きを止めた。戸惑いがちに視線を逸らし、溜め息をついて顔を覆っている。そんな反応をされたら、朱夏の心も揺さぶられてしまった。

「ち、違うの……」
「朱夏?」
「怖くて……優しくするって、約束して?」
「……」

 我ながらチョロすぎると、朱夏は自分の発言を激しく後悔した。だが、意表を突かれたように顔を上げる涼斗を見てしまったら、それすら吹き飛んでいく。

「マジで言ってる?」
「うん……」
「約束する。絶対大切にするから」

 ふわりと、朱夏は涼斗に抱きしめられた。そうして初めて、朱夏は涼斗の心音を聞いた。あり得ないほど速く脈打っていて、緊張しているのは自分だけではないのだと、ようやく悟った。

(好き、になりそう……)

 涼斗に対する好意の欠片は、心のどこかにあったのだろう。そうでなければ、彼を苦手だと思ったり、他の女の子に嫉妬したりするはずがない。更に言えば、こんなことをされて胸をときめかせることもなかった。急速に恋に落ちていくのを感じながら、朱夏は涼斗の首元に頭をすり寄せた。

「は……可愛い……」
「やっ」

 涼斗は朱夏の履いているショートパンツを一気に下ろし、ショーツも脱がせた。性急な動きに朱夏も呆気にとられ、見守るしかできない。両脚を開かされると、涼斗の頭がその中心へと沈んだ。
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