西の桶狭間 ~毛利元就の初陣~ - rising sun -
【第11回歴史・時代小説大賞奨励賞】
永正十四年(1517年)、安芸(あき)(広島県)は、動乱の最中にあった。
安芸は、周防(すおう)(山口県)の大名・大内義興の支配下にあった。が、その大内義興が天下人となるため、将軍・足利義稙(あしかが・よしたね)を奉じて上洛している間に、安芸武田家・武田元繁が反乱を起こす。
安芸武田家は安芸守護代の家柄であり、武田元繁は出雲(いずも)(島根県)の戦国大名・尼子経久と手を結び、安芸を手中に収めようとする。
怒り心頭の大内義興は、京から、安芸の国人(地域領主)の盟主である毛利興元に対し、武田征伐を命じた。
興元は善戦し、武田方である有田城を攻略するが、しかしその時――興元は急死してしまう。
武田元繁はこの機を逃がさず、五千の大軍を集め、毛利家に対して攻勢に出る。
毛利興元の子・幸松丸はわずか二歳であり、主君である大内義興は京から引き返すことができずにおり、毛利家は、絶体絶命の危機にさらされてしまう。
そして――勢いに乗る武田元繁は、配下の猛将・熊谷元直に、毛利家の領地である多治比への侵略を命じた。
その多治比を守るのは、故・毛利興元の弟であり、まだ初陣もしていない、弱冠二十歳の若者であった。
名を――多治比元就といった。
のちの毛利元就である。
元就は少ない兵数で戦いに挑むが、兄の友人・長井新九郎(のちの斎藤道三)の力を借り、また、密かに想いを寄せる姫武者・吉川雪の助けを得て、熊谷元直を退ける。
やがて毛利本家、吉川家の援軍が加わり、千を数える兵を率いることになった元就は、まず武田家本隊から分離した熊谷元直を討つ。
激昂した武田元繁と、中井手川を挟んで対峙する元就。
五千対千の戦い、しかも武田軍は五つの部隊に分けて、波状攻撃を仕掛けてくる。
ところが元就は、その五つの部隊を一つづつ相手をし、ついには武田元繁自らの攻撃を誘い、討ち取ることに成功する。
――このことにより、この戦いはこう呼ばれる、「西の桶狭間」と。
永正十四年(1517年)、安芸(あき)(広島県)は、動乱の最中にあった。
安芸は、周防(すおう)(山口県)の大名・大内義興の支配下にあった。が、その大内義興が天下人となるため、将軍・足利義稙(あしかが・よしたね)を奉じて上洛している間に、安芸武田家・武田元繁が反乱を起こす。
安芸武田家は安芸守護代の家柄であり、武田元繁は出雲(いずも)(島根県)の戦国大名・尼子経久と手を結び、安芸を手中に収めようとする。
怒り心頭の大内義興は、京から、安芸の国人(地域領主)の盟主である毛利興元に対し、武田征伐を命じた。
興元は善戦し、武田方である有田城を攻略するが、しかしその時――興元は急死してしまう。
武田元繁はこの機を逃がさず、五千の大軍を集め、毛利家に対して攻勢に出る。
毛利興元の子・幸松丸はわずか二歳であり、主君である大内義興は京から引き返すことができずにおり、毛利家は、絶体絶命の危機にさらされてしまう。
そして――勢いに乗る武田元繁は、配下の猛将・熊谷元直に、毛利家の領地である多治比への侵略を命じた。
その多治比を守るのは、故・毛利興元の弟であり、まだ初陣もしていない、弱冠二十歳の若者であった。
名を――多治比元就といった。
のちの毛利元就である。
元就は少ない兵数で戦いに挑むが、兄の友人・長井新九郎(のちの斎藤道三)の力を借り、また、密かに想いを寄せる姫武者・吉川雪の助けを得て、熊谷元直を退ける。
やがて毛利本家、吉川家の援軍が加わり、千を数える兵を率いることになった元就は、まず武田家本隊から分離した熊谷元直を討つ。
激昂した武田元繁と、中井手川を挟んで対峙する元就。
五千対千の戦い、しかも武田軍は五つの部隊に分けて、波状攻撃を仕掛けてくる。
ところが元就は、その五つの部隊を一つづつ相手をし、ついには武田元繁自らの攻撃を誘い、討ち取ることに成功する。
――このことにより、この戦いはこう呼ばれる、「西の桶狭間」と。
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奨励賞受賞、おめでとうございます!(≧▽≦)すごいです!
ありがとうございます!
おかげさまで受賞しました^^;
ではではノシ
💐 奨励賞、おめでとうございます。
一緒に授賞できたので、より一層に嬉しいですね。
これからも引き続き、よろしくお願いします。
ありがとうございます。
おかげさまで受賞しました。
月影さんもおめでとうございます!
ではではノシ
おかげさまで完結しました^^;
元就と雪を、最後まで見守っていただき、ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございました。
ついに項羽が斃れました。
尼子への転身、そして安芸制覇への流れは悪くなかったんですが、惜しむらくは未来の毛利元就とその正室がいたことでした^^;
後世からすると、しかたないと思われる展開ですが、当時は番狂わせだったんでしょう。
愛の勝利ですね^^;
ありがとうございました。
40.を読んで
雪さんは、那須与一なみの名手ですね。
さしずめ、今・与一を名乗っても良いかと思いました。
今なら、女ゴルゴですね。
続きを楽しみにしてお待ちします。
まさにスナイパー(笑)
まあでも、元就を助けるためでなければ、これほどの神技はできませんので^^;
ありがとうございました。
35話を読んで
両片思い……ラブコメしていますね。
人の恋路を邪魔する馬《元繁》を蹴り《退治する》ましょう (苦笑)
続きを楽しみにお待ちします。
歴史物でこういうのを書ける二人って、めったにいないと思いますので、ここは思い切って、こういう関係を描かせていただきました^^;
果たして、お邪魔虫は退治できるのか。
お楽しみいただければ幸いです。
ありがとうございました。
投票しました。
微力ながら応援しています。
ありがとうございます。
こちらも投票させていただきました。
頑張って下さい。
25.を読んで
戦国下克上の時代にお互いに思いやる兄弟愛
だからこそ、力を貸してくれる人もいるのですね。
続きを楽しみにしてお待ちします。
元就は兄がいない状況で城を奪われていますので、何でいてくれなかったんだ、という気持ちがあったと思います。
それでも兄に尽くし、兄の子のために戦ったということは、何か理由があるのかな……と考えていたら、思いついたものを書いてみました^^;
そこをくみ取っていただき、嬉しい限りです。
ありがとうございました。
21.を読んで
武田元繁と吉川元経、名前は似ているのに対照的ですね。
ちょっと、chatGPTで調べましたが結果も……
戦国時代、歴史の妙ですね。
続きを楽しみにお待ちします。
確かに、似ていますけど、ちがうタイプですね。
この頃、この地域はみんな「元」の字を使っています。
だから書き分けにも苦労しました^^;
多治比元就は次男だったせいか、ちょっとちがう感じになっていたので、主役っぽく目立ってましたけど。
ありがとうございました。
17.を読んで
悪事千里を走る……自称・項羽も形無しですね。
そして、この時代の女性も強いですね。
雪姫の向かう先は……
続きを楽しみにしています。
安芸武田も、今ここで蜂起すれば安芸を取れると思って、こんなことをしたのでしょう。
しかし、まさか未来の毛利元就がいるとは思わなかったのでしょう^^;
さて、雪姫はどこへ向かうのか。
お楽しみいただければ幸いです。
ありがとうございました。
15.を読んで
今・義経ですか……今・項羽を含めて厨二病の人が多いですね。
今・孔明も居ますから、名乗った者勝ちなのかな……
続きを楽しみにお待ちします。
これもホントに伝えられているんですよね^^;
まあ、そういう風に名乗りたいって思ったら、名乗っちゃうんでしょう。
まさに名乗った者勝ちなのかも^^;
ありがとうございました。
11.を読んで、
自称・項羽、昔から厨二病は有ったんですね(苦笑)
昔の強者にあやかりたいという思いがあったんじゃないでしょうか。
それと、元就について、劉邦のような顔をしているという言い伝えがあって、その対比のために、戦国を生き残った毛利家が作った、後付けの「設定」かもしれません。
ありがとうございました。
6時51分 現在
💐Hotランキング、18位 おめでとうございます。
ありがとうございます!
07を読んで
尼子経久の悪魔の囁き
武田元繁の欲望に火をつけて扇ぐなど謀略の策士ぶりですね。
元繁が脳筋の項羽なら、経久は程昱か郭嘉なみですね。
続きを楽しみにしています。
この調略、本当にやったことなので、経久というのは恐ろしい男だな、と思います。
元繁は確かに覇王の素質を持っていたのでしょうけど、経久はそれを超える、もっと恐ろしい何かだと思います^^;
ありがとうございました。
歴史・時代小説大賞、応援しています。
ありがとうございます。
ライト文芸の方、投票しておきました。
ではではノシ
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