となり街のあの子

ブルーマイロース

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となり街のあの子 (2, 君と初めて会ったあの日...)

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あれは半年前の4月10日だった。



友達もあまりいない僕は、いつものようにひとりで土曜日の昼間からブランコを
下手に漕いでいた。



頑張って足を伸ばせば、まだ地面につく高さまででしか漕げなかった俺にとって
ブランコは得意ではなかった。



そんな僕を遠くから見ていたひとりの女子がいた。その人は少し笑顔を浮かべながら僕のほうに駆け寄ってきてこう言ってきた、

「君こんな昼間からなにしてるの?一緒に私と遊ぼうよ!」

僕はすごく驚いた。なんだって女子と話したことなんてほとんどなかったからだ。少し緊張して勇気を振り絞りながら僕はこう言った、

「うんいいよ。じゃあいっしょにブランコしよ。」

たぶん自分的にはうまく返事をできたと思っていたら、その女子がとなりのブランコに座りながら聞いてきた。

「名前はなんていうの?私は愛良!よろしくね!」

そう、この人こそが僕がこの日から片思いしている愛良だった。僕は自分の名前を愛良に伝えたあと、彼女は僕がブランコを漕いでる姿を見て少し笑いながら言った、

「ブランコの漕ぎ方教えてあげようか?うまく伝えられるかわからないけど。」

僕は少し恥ずかしくなった。初めてあった人に漕ぎ方が下手って思われて、
さらに教えられるなんて。そう思い僕は顔を少し赤くしながら

「うんおしえて。ずっとうまくできなかったから」

と言った。そうすると愛良は僕が今まで知らなかった簡単にブランコが漕げるようになる方法を丁寧に教えてくれた。愛良の教え方はとても分かりやすくて短時間で時計でいう3時から9時くらいの角度まで漕げるようになった。僕が上手くできたとき、彼女は幸せそうな顔で僕を眺めていた。そんな彼女を見て僕もうれしい気持ちになった。今思えばこの時から僕は愛良に惹かれていたのだろう。



2,30分ほどブランコに揺られたあと、愛良が帰る時間になり、帰る直前に彼女は口を開いた、

「私、大川町に住んでるからこの公園には土曜日しか来れないんだ。来週もまた君と遊びたい!約束だよ!またね!」

そう言ったあと、青空の中輝く太陽の光を浴びながら愛良は微笑んで帰っていった。僕の胸には大きな鼓動が何秒間も続き、また来週も愛良と会えるかもしれないという僅かな希望を残しその公園を去った。



僕が愛良に恋心を抱いていると気づいたのはまだまだ先のお話。
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