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婚約が解消となりました

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 ビルト伯爵が我が家に来られました。
応接室にて、両親・お義兄さま・私が揃いました。

 まずは頭を深く下げ謝罪から始まりました

「この度はうちのバカな息子と娘が取り返しのつかない事をしてしまいました。親として情けなく謝罪をさせてください。シルヴィア嬢の心を深く傷つけた事お詫び申し上げます」

「伯爵、頭を上げてください」

応接室は重い雰囲気かと思ったが、重いのはビルト伯爵だけだった。

 私はラウロ様を思う気持ちはなくなった
サッパリ!綺麗に!
 考えなくて良くなった分、気持ちも穏やかなものになった。ちょぴり涙は流しましたけどね…

「いろいろと意見はあると思いますが、我が家としては、娘をビルト伯爵家に嫁には出したくありません」


 父がスパッと言い切った事により、もう決まったようなものでした


「申し訳ございませんでした。ベック伯爵にはとんでもない御恩があります。それなのにシルヴィア嬢を嫁がせてくださると言ってくださったのに、御恩も返せないまま、こんな事態に…私の教育不足が招いた事です…ですが今一度お考えくださいませんでしょうか?」

またまた頭を下げられました

「僕が口を挟む問題ではありませんが、シルヴィアはのご子息に、王宮の夜会で罵声を浴びせられていました。シルヴィアが優しい事を良い事にやりたい放題」

ばさっと机の上に請求書を出してビルト伯爵に見せた
「こ、これは…?」

「ドレス代にアクセサリー、靴にバッグに?あとは忘れた。全てのご息女のものですよ」

 冷めた目つきのお義兄さまは落ち着いてらっしゃいますが、伯爵は顔を青褪めて冷や汗が出てきている様子です
 請求は私宛で、支払いも私の侍女に頼んだものなのに、なぜお兄様が知っているのか不思議に思いましたが、調べればすぐに分かりますよね…


「申し訳ございません、お支払いはこちらでさせていただきます」

深々と頭を下げる伯爵

「結構ですよ。これくらいの額は手切金として受け取ってくださって構いません」
 お父様の笑顔が怖いですね

「それは…その、」
助けを求めるように私を見てくる伯爵だが

ご子息ラウロ様に言われましたもの…家族を大事にするようにと。私は家族が大事です、家族をバカにするような方とは、一緒になれませんし、家族が反対する結婚をするつもりはございません。伯爵の事は領民のことを考えていらっしゃる姿に尊敬をしておりましたので、残念です」

「そんな…息子がベック伯爵の事をバカになど…」

商人のうちですからね、由緒正しき伯爵家とは格が違います、ご子息との事は残念ですが、結果良かったと思っております、後日慰謝料の事も含めて弁護士を通して話し合いましょう」


*****


「最近食卓が寂しいですね」
ライラが言う

「そうだな、ワインも質が落ちたようだし、茶葉も変わったのか?」

「お肉もぱさぱさ、新鮮なお魚も食べていませんね」
フォークに刺したベーコンを見てライラが言う

「今日はお出かけなのに、なんだか行く前からテンションが下がりましたぁ…」




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