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ずっと一緒にいようよ③ ロリー編
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アッシュ兄が去ってからユウナは庭のベンチに座り星を眺めることが増えた。
俺が話しかけようと思っても気がつけば団長が隣にいた。
団長がユウナを好きなことはわかっている。
俺は黙って見守っていた。
そして団長がリリーと会っていたという事実がわかり、ユウナはリリーと話をしたらしい。
団長を取り合ったのかと思ったら、リリーはユウナを悪者にしていてユウナはリリーに対して話をしに行っただけだった。
アッシュ兄が去って、リリーも今度こそ去った。
リリーと弟君達からお詫びの手紙が届き、リリーは色々と(男)問題を起こしていて、もうこれ以上庇うことも出来ないと、母親が修道院へ入れたそうだ。
団長はユウナに対して相変わらず優しいけど、リリーの件から少しお互い余所余所しい。
俺は気づかないフリをする。
何にも出来ないし。
また団員達のユウナへの誘いが増えた。
「ユウナ、新しい喫茶店が出来たらしいんだ、一緒に行かないか?」
「今度休みの日にデートしよう」
「付き合おう、好きなんだ」
ユウナはどんなに誘われても適当に流していた。
「ユウナ、飯でも行く?」
俺が軽く声をかけるとユウナはいつも「うん、行こう」と言ってくれる。
ユウナとの過ごす時間が増えてきた。
「ねえロリー、最近なんでみんなわたしに声をかけてくるのかしら?今まではなかったのに、突然だよ?」
「ユウナはどう思ったの?」
「え?突然のモテ期?だってわたしアッシュとしか付き合ったことないしアッシュと結婚したし、離婚して半年しか経っていないから、はっきり言って『困る』かな」
「新しい恋はしないの?」
「へ?誰と?いつ?」
「……ま、ユウナはアッシュ一筋だったから簡単に次の恋なんてしないか」
「うーん、正直面倒くさいかな?」
ユウナはオレンジジュースを一気に飲んで、オレを見つめた。
「ロリーこそ最近女の子の間で人気が出てきてるわよ、誰か好きな子いないの?」
「俺?俺こそいいや、なんかユウナ達みてたらそれこそ面倒だと思ってしまった」
「ええ?わたしの所為?」
「本気で好きになった子と付き合いたい、俺、アッシュ兄みたいに誰にでも優しすぎるのって間違ってる気がするんだ。好きな子を裏切ってまで優しくするのはおかしいだろう?」
「うんそうだね、ロリーにはちゃんと恋愛して欲しい」
俺はついユウナに溜まっていたことを言ってしまった。
「ユウナこそリリーさんとのこと一言くらい俺にも相談して欲しかったよ、知ったのが全て終わってからだなんて、ちょっと寂しかったよ、幼馴染だろう?」
「ごめんなさい、なんかいっぱい一杯で、一人でなんとかしなきゃって思ったんだ」
「次何かあったら相談して」
話している時に離れた席に団長が女性といるところが見えてしまった。
ーーユウナが好きなんじゃなかったのかよ。
この前だってリリーに呼び出されて今ユウナとギクシャクしているのに。
「ねえ、向こうにいるの団長じゃない?」
どうせ同じ店にいるから誤魔化しようがない、それなら先に伝えたほうがユウナにとっていいかもしれない。
「え?」
ユウナが振り向くと団長の後ろ姿が見えた。
団長の向かいに座っているのは、綺麗な女性だった。
ユウナは一瞬顔を顰めたがすぐに元に戻った。
「ロリー、帰ろう」
ユウナは団長に気づかれないように席を立ち、団長を避けてお店の外に出た。
「ユウナ、団長のこと気になるんだろう?」
俺はユウナが自分の気持ちに気づいて団長となんとか話をして上手くいって欲しいと思った。
あの二人の雰囲気はとても恋愛しているとは思えない。何かあるんだと思う。
そうすれば俺も諦められるから……
「……………別に」
その後のユウナはずっと黙ったままだった。
鈍感なユウナは自分が団長に惹かれていることに気がついていない。
俺がユウナのことを好きなことだって気がつかない。
そんなユウナに腹が立つ。
鈍感女!
でも……好きなんだよな。
俺が話しかけようと思っても気がつけば団長が隣にいた。
団長がユウナを好きなことはわかっている。
俺は黙って見守っていた。
そして団長がリリーと会っていたという事実がわかり、ユウナはリリーと話をしたらしい。
団長を取り合ったのかと思ったら、リリーはユウナを悪者にしていてユウナはリリーに対して話をしに行っただけだった。
アッシュ兄が去って、リリーも今度こそ去った。
リリーと弟君達からお詫びの手紙が届き、リリーは色々と(男)問題を起こしていて、もうこれ以上庇うことも出来ないと、母親が修道院へ入れたそうだ。
団長はユウナに対して相変わらず優しいけど、リリーの件から少しお互い余所余所しい。
俺は気づかないフリをする。
何にも出来ないし。
また団員達のユウナへの誘いが増えた。
「ユウナ、新しい喫茶店が出来たらしいんだ、一緒に行かないか?」
「今度休みの日にデートしよう」
「付き合おう、好きなんだ」
ユウナはどんなに誘われても適当に流していた。
「ユウナ、飯でも行く?」
俺が軽く声をかけるとユウナはいつも「うん、行こう」と言ってくれる。
ユウナとの過ごす時間が増えてきた。
「ねえロリー、最近なんでみんなわたしに声をかけてくるのかしら?今まではなかったのに、突然だよ?」
「ユウナはどう思ったの?」
「え?突然のモテ期?だってわたしアッシュとしか付き合ったことないしアッシュと結婚したし、離婚して半年しか経っていないから、はっきり言って『困る』かな」
「新しい恋はしないの?」
「へ?誰と?いつ?」
「……ま、ユウナはアッシュ一筋だったから簡単に次の恋なんてしないか」
「うーん、正直面倒くさいかな?」
ユウナはオレンジジュースを一気に飲んで、オレを見つめた。
「ロリーこそ最近女の子の間で人気が出てきてるわよ、誰か好きな子いないの?」
「俺?俺こそいいや、なんかユウナ達みてたらそれこそ面倒だと思ってしまった」
「ええ?わたしの所為?」
「本気で好きになった子と付き合いたい、俺、アッシュ兄みたいに誰にでも優しすぎるのって間違ってる気がするんだ。好きな子を裏切ってまで優しくするのはおかしいだろう?」
「うんそうだね、ロリーにはちゃんと恋愛して欲しい」
俺はついユウナに溜まっていたことを言ってしまった。
「ユウナこそリリーさんとのこと一言くらい俺にも相談して欲しかったよ、知ったのが全て終わってからだなんて、ちょっと寂しかったよ、幼馴染だろう?」
「ごめんなさい、なんかいっぱい一杯で、一人でなんとかしなきゃって思ったんだ」
「次何かあったら相談して」
話している時に離れた席に団長が女性といるところが見えてしまった。
ーーユウナが好きなんじゃなかったのかよ。
この前だってリリーに呼び出されて今ユウナとギクシャクしているのに。
「ねえ、向こうにいるの団長じゃない?」
どうせ同じ店にいるから誤魔化しようがない、それなら先に伝えたほうがユウナにとっていいかもしれない。
「え?」
ユウナが振り向くと団長の後ろ姿が見えた。
団長の向かいに座っているのは、綺麗な女性だった。
ユウナは一瞬顔を顰めたがすぐに元に戻った。
「ロリー、帰ろう」
ユウナは団長に気づかれないように席を立ち、団長を避けてお店の外に出た。
「ユウナ、団長のこと気になるんだろう?」
俺はユウナが自分の気持ちに気づいて団長となんとか話をして上手くいって欲しいと思った。
あの二人の雰囲気はとても恋愛しているとは思えない。何かあるんだと思う。
そうすれば俺も諦められるから……
「……………別に」
その後のユウナはずっと黙ったままだった。
鈍感なユウナは自分が団長に惹かれていることに気がついていない。
俺がユウナのことを好きなことだって気がつかない。
そんなユウナに腹が立つ。
鈍感女!
でも……好きなんだよな。
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