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ずっと一緒にいようよ④ ロリー編
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ユウナと団長の間で何かあったのだろう。
それは俺にもわかっていた。
でも何も言ってこなければ俺から聞くことはできない。
イライラしながら騎士団の仕事をする。
団長は少し落ち込んでいるように見える。
おれは黙々と剣を振り鍛錬に励んだ。
◇ ◇ ◇
「ねえ、ロリー。わたしさぁ、男運ないと思わない?」
「いきなりどうした?」
「うーん、アッシュには浮気されるし団長さんは誰にでも優しすぎる人だったし……騎士団のみんなはいい人だけど、恋愛とかではないし」
「へぇ、やっぱり団長と何かあったんだ」
「う、う、うん、告白されたけど断った」
「そっかあ、だから団長、最近落ち込んでいたんだ」
「そうかな?いつも通りだよ」
「まあ、振られた女の前で落ち込むわけにもいかないだろ?」
「で、新しい恋でもしたいの?」
「ううん、しばらくは懲り懲り。それよりもわたしここを辞めて新しい人生送ろうかと考えているの」
「辞める?どうして?」
「いくらリリーがもうここに来ないとはいえ、場所を知られているしアッシュもこの場所知っているでしょう?それに団長さんの元妻さんとも顔見知りになってしまったし、なんだかこの場所にいるのもなぁって思うようになったんだ、ま、団長さんとも会いづらいしね」
「ふうん、俺にも会いたくないんだ」
ユウナが辞めたい?
俺の前から去っていく?
俺はイラッとしてしまった。
「ごめんなさい、ロリーの顔を潰すことになると思って悩んだんだよ?でもね、やっぱりしんどい……」
「行く当てはあるの?」
「ない!少しならお金もあるし、働きながら旅をして気に入った街を見つけて暮らそうかと思ってる」
「女一人で旅?野党に襲われて死ぬかどこかに売られるか、もう先は見えてるよ!」
「そ、そっかな、そんなことないと思うんだけど……」
「はあ~~」
ユウナってほんと自分のこと分かってない!
「わたしなんか襲う人いないよ!うん、大丈夫だと思う」
「ちょっと考えるから待ってて!勝手に辞めて出ていかないで!わかった?」
「はい、わかりました」
今のユウナを一人で放置するなんて危なすぎる!
それに団長はまだユウナのことを完全に諦めてないようだし。
気になっていたから、団長のことはこっそり調べていた。
団長は真面目でいい人だ、あの人ならユウナを幸せにしてくれるはず。
なのにユウナは街を出て行く?
俺は見守るしかないのか?
俺はユウナがこの屋敷を辞めるなら一緒に辞めてついて行く!
でも、ユウナ………本当にそれでいいの?
◇ ◇ ◇
俺はユウナを話があると呼び出した。
ユウナは仕事が終わり庭のベンチに来た。
「ユウナ!遅かったね」
俺がユウナに気がついて声をかけた。
「ご、ごめんなさい。片付けが多くて時間が長引いてしまったの」
ユウナは団長が隣にいるのに驚き、でも気になるみたいでチラッと団長を見た。
「ユウナ、もう一度だけ団長と話してみない?」
「俺がロリーに頼んだんだ、もう一度だけユウナと話したいと」
「………」
なんと返事をしていいのか分からず答えに窮しているみたいだ。
「オリヴィアのことなんだが、あれからきちんと話してもう会わないと伝えた。もちろんそのまま放っておくことは流石に出来ないから、弁護士を紹介したんだ。アレの実家は商家で弁護士料くらい払えるから金の心配はいらない。
最初からそうすれば良かったのについ相談に乗ってしまった」
「……そうですか」
「俺はユウナのことが好きだった。俺のせいでこの職場を辞めていくのは考え直して欲しい」
「でもお互い居づらいのでは?」
「大丈夫だ、俺は配属が変わり王都にある侯爵家の本家に配属が変わる。次の団長は副団長がなる」
「え?」
「元々向こうにと話があったんだ、ずっと断っていたが今回受けることにした」
「それは……わたしの所為ですか?」
「違う、きっかけではあったが向こうに行くのは俺にとって栄転であって悪いことではないんだ。ただ生まれ育ったこの土地から出る踏ん切りがつかなかっただけなんだ」
「それなら良かったです」
団長の一言でユウナは少しホッとしたようだ。
「ただ、きちんとユウナに別れを告げたかったんだ」
「団長さんお世話になりました」
ユウナは頭を下げてそのまま頭を上げることはできなかった。
「ユウナありがとう」
団長はその一言を言って帰って行く。
「わたしの方がたくさんお世話になりました。ありがとうございました」
団長は振り返らずに帰って行った。
「ユウナ、追いかけなくていいの?」
「………うん、終わったことだから、今更自分の気持ちに気がついても仕方がないよ」
「後悔しないの?俺は団長が必死で元妻さんのこと早く終わらせてユウナに会いに来ようとしているのを知っていたから、ユウナに仕事を辞めるのを待っていてって頼んだんだ。本当は団長もう一度ユウナに告白するつもりだったんだと思うよ」
「え?嘘……」
「団長が女性と会っていたのが気になって調べたんだ。そしたら元妻さんで今の旦那さんとのことで悩んでいて団長に相談していることが分かったんだ。団長も優しいから困っているのを放っておけないみたいで悩みを聞いてあげていたみたい。
そんな人放っておけばいいのにね、そこが団長のいいところなんだけどさ」
「ユウナが告白されて断ったって聞いて、団長が必死で元妻さんの問題解決しようとしていた理由がなんとなく分かった。だからユウナに待ってって頼んだんだ。団長がもう一度ユウナを諦めずに頑張ったらいいなと思ったんだ」
「ほんとは、諦めろって心の中では思ってたんだけど」
俺がボソッと言った呟きはユウナには聞こえていなかった。
「ユウナ、追いかけなくていいの?」
俺はもう一回聞いた。
それは俺にもわかっていた。
でも何も言ってこなければ俺から聞くことはできない。
イライラしながら騎士団の仕事をする。
団長は少し落ち込んでいるように見える。
おれは黙々と剣を振り鍛錬に励んだ。
◇ ◇ ◇
「ねえ、ロリー。わたしさぁ、男運ないと思わない?」
「いきなりどうした?」
「うーん、アッシュには浮気されるし団長さんは誰にでも優しすぎる人だったし……騎士団のみんなはいい人だけど、恋愛とかではないし」
「へぇ、やっぱり団長と何かあったんだ」
「う、う、うん、告白されたけど断った」
「そっかあ、だから団長、最近落ち込んでいたんだ」
「そうかな?いつも通りだよ」
「まあ、振られた女の前で落ち込むわけにもいかないだろ?」
「で、新しい恋でもしたいの?」
「ううん、しばらくは懲り懲り。それよりもわたしここを辞めて新しい人生送ろうかと考えているの」
「辞める?どうして?」
「いくらリリーがもうここに来ないとはいえ、場所を知られているしアッシュもこの場所知っているでしょう?それに団長さんの元妻さんとも顔見知りになってしまったし、なんだかこの場所にいるのもなぁって思うようになったんだ、ま、団長さんとも会いづらいしね」
「ふうん、俺にも会いたくないんだ」
ユウナが辞めたい?
俺の前から去っていく?
俺はイラッとしてしまった。
「ごめんなさい、ロリーの顔を潰すことになると思って悩んだんだよ?でもね、やっぱりしんどい……」
「行く当てはあるの?」
「ない!少しならお金もあるし、働きながら旅をして気に入った街を見つけて暮らそうかと思ってる」
「女一人で旅?野党に襲われて死ぬかどこかに売られるか、もう先は見えてるよ!」
「そ、そっかな、そんなことないと思うんだけど……」
「はあ~~」
ユウナってほんと自分のこと分かってない!
「わたしなんか襲う人いないよ!うん、大丈夫だと思う」
「ちょっと考えるから待ってて!勝手に辞めて出ていかないで!わかった?」
「はい、わかりました」
今のユウナを一人で放置するなんて危なすぎる!
それに団長はまだユウナのことを完全に諦めてないようだし。
気になっていたから、団長のことはこっそり調べていた。
団長は真面目でいい人だ、あの人ならユウナを幸せにしてくれるはず。
なのにユウナは街を出て行く?
俺は見守るしかないのか?
俺はユウナがこの屋敷を辞めるなら一緒に辞めてついて行く!
でも、ユウナ………本当にそれでいいの?
◇ ◇ ◇
俺はユウナを話があると呼び出した。
ユウナは仕事が終わり庭のベンチに来た。
「ユウナ!遅かったね」
俺がユウナに気がついて声をかけた。
「ご、ごめんなさい。片付けが多くて時間が長引いてしまったの」
ユウナは団長が隣にいるのに驚き、でも気になるみたいでチラッと団長を見た。
「ユウナ、もう一度だけ団長と話してみない?」
「俺がロリーに頼んだんだ、もう一度だけユウナと話したいと」
「………」
なんと返事をしていいのか分からず答えに窮しているみたいだ。
「オリヴィアのことなんだが、あれからきちんと話してもう会わないと伝えた。もちろんそのまま放っておくことは流石に出来ないから、弁護士を紹介したんだ。アレの実家は商家で弁護士料くらい払えるから金の心配はいらない。
最初からそうすれば良かったのについ相談に乗ってしまった」
「……そうですか」
「俺はユウナのことが好きだった。俺のせいでこの職場を辞めていくのは考え直して欲しい」
「でもお互い居づらいのでは?」
「大丈夫だ、俺は配属が変わり王都にある侯爵家の本家に配属が変わる。次の団長は副団長がなる」
「え?」
「元々向こうにと話があったんだ、ずっと断っていたが今回受けることにした」
「それは……わたしの所為ですか?」
「違う、きっかけではあったが向こうに行くのは俺にとって栄転であって悪いことではないんだ。ただ生まれ育ったこの土地から出る踏ん切りがつかなかっただけなんだ」
「それなら良かったです」
団長の一言でユウナは少しホッとしたようだ。
「ただ、きちんとユウナに別れを告げたかったんだ」
「団長さんお世話になりました」
ユウナは頭を下げてそのまま頭を上げることはできなかった。
「ユウナありがとう」
団長はその一言を言って帰って行く。
「わたしの方がたくさんお世話になりました。ありがとうございました」
団長は振り返らずに帰って行った。
「ユウナ、追いかけなくていいの?」
「………うん、終わったことだから、今更自分の気持ちに気がついても仕方がないよ」
「後悔しないの?俺は団長が必死で元妻さんのこと早く終わらせてユウナに会いに来ようとしているのを知っていたから、ユウナに仕事を辞めるのを待っていてって頼んだんだ。本当は団長もう一度ユウナに告白するつもりだったんだと思うよ」
「え?嘘……」
「団長が女性と会っていたのが気になって調べたんだ。そしたら元妻さんで今の旦那さんとのことで悩んでいて団長に相談していることが分かったんだ。団長も優しいから困っているのを放っておけないみたいで悩みを聞いてあげていたみたい。
そんな人放っておけばいいのにね、そこが団長のいいところなんだけどさ」
「ユウナが告白されて断ったって聞いて、団長が必死で元妻さんの問題解決しようとしていた理由がなんとなく分かった。だからユウナに待ってって頼んだんだ。団長がもう一度ユウナを諦めずに頑張ったらいいなと思ったんだ」
「ほんとは、諦めろって心の中では思ってたんだけど」
俺がボソッと言った呟きはユウナには聞こえていなかった。
「ユウナ、追いかけなくていいの?」
俺はもう一回聞いた。
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