【完結】今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってくる。

たろ

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今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってくる。


「ユウナ、一緒に行こう、ずっと一緒にいようよ」

わたしはロリーからの突然のキスに頭がパニックになった。
ロリーが居なくなったらすっごく寂しい=好きなんだと気づいてしまっていたから、嫌ではなくとても嬉しすぎてパニックになっていた。

団長さんとまた向こうで出会うのは気まずくて嫌だと一瞬思った。

でも、ロリーと王都の本邸の騎士団について行くことに……はならなかった。

ロリーはわたしが侯爵家を辞めてどこか他の街へ行きたいと言っていたのを聞いて、実は半年前から新しい職場を探していたらしい。

王宮お抱えの騎士団を受けていてそこが受かったのだ。

みんなと別れるのはとても寂しかった。
でもロリーのことを好きな女の子達からの冷たい視線に晒されながら過ごすよりは新しい場所で暮らした方がいいかな、と開き直った。

ーーだってバツイチ女が将来有望なロリーと結婚することになるなんて思わなかったんだもん。
女って怖い。
あの視線だけで、気を失いそう、まじ怖い。



そして、わたしはロリーと二人で王都の下町に部屋を借りて暮らし出した。

「ユウナ、好き。大好きだよ」

ロリーは今までそんなことを言う子ではなかった。
なのに今のロリーはとても甘い。

ほんと優しいしわたしにとことん尽くしてくれる。

「ロリー、あ、ありがとう、わたしも…スキダヨ」
いや、ロリーに対して愛を語るなんて恥ずかしすぎる。

結婚したのだから、もちろん一緒に暮らして、それなりに夜の生活もある。
でも長年弟のような気持ちで接してきたロリーと、「夫婦」なんて、なかなか慣れない。

でも、そんなある日、女の香水の匂いをさせて朝帰りするロリーがいた。

わたしがベッドで寝ていると、朝方、わたしの耳元で
「ユウナ愛してる」
と耳元で囁く。

その時なぜか微かに女の香水の匂いがする。

アッシュと同じ?浮気?
娼館通い?

わたしはロリーに何度か聞こうとしたけど、怖かった。
また、アッシュと同じならもう耐えられない。

そして、たまにこんな匂いをさせて帰ってくるようになってひと月を過ぎた。

ーーあ、またロリーがこの香水の匂いをさせて帰ってきた。

わたしがベッドで寝ていると、
「ユウナ、愛してる」

わたしの横に入ってきてわたしを抱きしめてきた。

そして……女の香水の匂いをさせているくせにわたしを抱こうとした。

わたしの首筋にキスをして、胸を揉みしだき始めた。

「いや!」
ロリーに触られることに耐えられなかった。

「……ユウナ?」

「お願い、ロリーやめて!わたしは貴方からその香水の匂いを感じながら貴方に抱かれるなんて嫌なの!」

「香水?この匂い?」

ロリーは自分の匂いを嗅ぐと

「ごめん、ユウナ!違うんだ。絶対に浮気なんかじゃない!朝帰りしているのは本当に当直明けで、出勤日通りだろう?」

「…そうね、そのはずよ。でもこのひと月あまりその匂いをつけて帰るのはどうして?」

「……夜勤って四人でしているだろう?」

「ええ、そう言ってたわ」

「その中に最近……女性騎士がいるんだ」

「え?女性騎士さんは夜勤はないはずよね?」

「うん、だけどその女性騎士はどうしてもお金が必要で団長に頼み込んで恋人と同じ日だけ、当直に入ってるんだ。今、夜勤の人手が足りてないから団長も断れなかったみたい」

「だったら先に言ってくれたら良かったのに」

「ごめん、女の人と夜勤が一緒って言ったら嫌な気持ちになるかもしれないだろう?」

「恋人と同じ日ならそんなこと思わないわ!」

「だって恋人と同じ日って知ったの今日だったんだ、二人が休憩の時にイチャイチャしてるからもう一人の相方に聞いたら恋人だって教えてくれたんだ」

「え?知らなかったの?」

「だって俺が好きなのはユウナだし、興味なんかないもん。その女性騎士は親が病気でお金を稼ぎたかったらしい、だから団長も了解してふた月だけ夜勤の許可を出したんだって」

ロリーの話に少し唖然としながらも

「でもそんなに香水の匂いがするものなの?」

「俺自分の匂いに気が付かなかったけどユウナって匂いにかなり敏感なのかもしれないね、まあ、あの女性騎士、張り切って香水つけまくってたから俺も臭いなとは思っていたんだ。まさか俺にまで臭いのうつってたなんて思わなかった」

ーー仕事中に香水なんてどんな女よ!
まあ、恋人の前では騎士も女でいたいのかしら?

「わかった、疑ってごめんなさい」

「ユウナ、今度相方連れてくるから!嘘かどうか聞いてみて!」

「ロリーは嘘つくとき、必ず癖が出るんだけど出ていないから信じられるわ」

「癖?」

「うん、教えてあげないけどね」

ーーそう、ロリーは嘘をつく時耳を触る癖がある。これは子どもの頃からの癖。
でも教えてあげない!

「俺が好きなのもずっと一緒に居たいのも、抱きたいのもユウナだけだから、愛してる」

そして……


今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってきた。

「わたしもロリーのこと愛しているわ」





終わり。

読んでいただきありがとうございました

そして明日から

ショートショートで

『好きです!あと何回言ったらわたしを好きになってくれますか?』
を投稿予定です。

これは、書くのに行き詰まると、すぐに気分転換で違う話を書いてしまう癖のあるわたしの、軽い作品です。
さらっと読んでいただければ嬉しいです。

よろしくお願いします

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