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21話。
どんなに落ち込んでも朝は来る。
窓から入る朝日。とても天気のいい朝なのに気分はまだ落ち込んでいる。
だけど早朝からの仕事が待っている。顔を洗い身支度を整えて急いで調理場へ向かわないといけない。
「遅くなりました」
「ダリア、いいから急いで!」
先輩に言われて慌てて仕事を始めた。
みんなに頭を下げて急いで野菜を洗う。ジャガイモの皮を剥き、野菜の水切りをしたり使い終わった調理器具を洗ったり、火の番をしたりと、あっという間に時間は過ぎていく。
旦那様と坊っちゃまの料理が出来上がると今度は住み込みの使用人の朝食作り。
調理場は常に忙しい。
わたしは坊っちゃまの読み聞かせの仕事があるので朝早い仕事はしなくてもいいと言われている。
元々通いの時は昼食と夕食作りの手伝いをしていた。あと掃除や洗濯など雑用が主な仕事だった。
だけど今は午前中は屋敷の使用人としての仕事、昼からは書庫の整理や絵本の制作、夜は坊っちゃまへの読み聞かせと仕事内容も変わってしまった。
だけど一人楽させてもらって仕事をするなんてみんなに申し訳ない。だから朝も手伝えることをさせてもらっている。なのに自分のプライベートなことで落ち込んでしまい、寝坊してしまった。
ほんと、自覚が足りない。自分自身に呆れてさらに落ち込んでしまう。
坊っちゃまや旦那様にも心配かけてしまったし……やっぱりここの使用人の誰かがわたしのことを色々話したなんて……信じられなかった。
ーーうん、人のことを疑うのはやめよう。
だって誰がしたなんて勝手に決めつけて疑ってはいけないもの。
そう思って、気を取り直して掃除の仕事を頑張ってしていた。いつものように廊下のモップがけをしていた。
バケツの水を入れ替えようと外にある井戸水のところへ向かうと話し声が聞こえてきた。
いつも一緒に食事をしたりする仲の良い先輩。ーーロザリー先輩達だった。
「今日のダリア、かなり落ち込んでいたわね」
「ふふっ、昨日の外出のことミシェルさんに教えたからまた酷いこと言われたんじゃない?」
「あの人、ロードさんのファンだもんね。ちょっとダリアのこと教えるだけでお金貰えるからつい色々教えてしまうのよね」
「街に何軒も建物を持っているお金持ちの娘さんらしいの。平民でもお金があるっていいわよね。毎日好きなことして暮らしてるんだもの」
「あら、でもダリアのこと利用してミシェルさんに教えてお金をもらってるわたし達だってどうかと思わない?」
「えっ?悪いと思ってるの?」
「全く。だって暗くて鈍臭いダリアが旦那様や坊っちゃまに可愛がられてムカつくのに、あのロードさんと付き合ってるなんてさらにムカつくじゃない。警備隊の騎士の中ではダントツかっこよくてみんな狙ってたのに!」
「ミシェルさんなんか無理やりロードさんが夜勤で詰所にいる時に会いに行ったらしいわよ」
「あー、あの一夜を共にしたって話?」
「知ってる知ってる」
ーーー二人の話を聞きながらどうしていいのかわからずわたしは木の陰に隠れて動けずにいた。
いつも優しい先輩達。失敗しても笑いながら許してくれた。食事にみんなで行った時も知らない男の人に絡まれて固まるわたしを助けてくれる。
大好きな先輩なのに……わたし……嫌われてたんだ。
窓から入る朝日。とても天気のいい朝なのに気分はまだ落ち込んでいる。
だけど早朝からの仕事が待っている。顔を洗い身支度を整えて急いで調理場へ向かわないといけない。
「遅くなりました」
「ダリア、いいから急いで!」
先輩に言われて慌てて仕事を始めた。
みんなに頭を下げて急いで野菜を洗う。ジャガイモの皮を剥き、野菜の水切りをしたり使い終わった調理器具を洗ったり、火の番をしたりと、あっという間に時間は過ぎていく。
旦那様と坊っちゃまの料理が出来上がると今度は住み込みの使用人の朝食作り。
調理場は常に忙しい。
わたしは坊っちゃまの読み聞かせの仕事があるので朝早い仕事はしなくてもいいと言われている。
元々通いの時は昼食と夕食作りの手伝いをしていた。あと掃除や洗濯など雑用が主な仕事だった。
だけど今は午前中は屋敷の使用人としての仕事、昼からは書庫の整理や絵本の制作、夜は坊っちゃまへの読み聞かせと仕事内容も変わってしまった。
だけど一人楽させてもらって仕事をするなんてみんなに申し訳ない。だから朝も手伝えることをさせてもらっている。なのに自分のプライベートなことで落ち込んでしまい、寝坊してしまった。
ほんと、自覚が足りない。自分自身に呆れてさらに落ち込んでしまう。
坊っちゃまや旦那様にも心配かけてしまったし……やっぱりここの使用人の誰かがわたしのことを色々話したなんて……信じられなかった。
ーーうん、人のことを疑うのはやめよう。
だって誰がしたなんて勝手に決めつけて疑ってはいけないもの。
そう思って、気を取り直して掃除の仕事を頑張ってしていた。いつものように廊下のモップがけをしていた。
バケツの水を入れ替えようと外にある井戸水のところへ向かうと話し声が聞こえてきた。
いつも一緒に食事をしたりする仲の良い先輩。ーーロザリー先輩達だった。
「今日のダリア、かなり落ち込んでいたわね」
「ふふっ、昨日の外出のことミシェルさんに教えたからまた酷いこと言われたんじゃない?」
「あの人、ロードさんのファンだもんね。ちょっとダリアのこと教えるだけでお金貰えるからつい色々教えてしまうのよね」
「街に何軒も建物を持っているお金持ちの娘さんらしいの。平民でもお金があるっていいわよね。毎日好きなことして暮らしてるんだもの」
「あら、でもダリアのこと利用してミシェルさんに教えてお金をもらってるわたし達だってどうかと思わない?」
「えっ?悪いと思ってるの?」
「全く。だって暗くて鈍臭いダリアが旦那様や坊っちゃまに可愛がられてムカつくのに、あのロードさんと付き合ってるなんてさらにムカつくじゃない。警備隊の騎士の中ではダントツかっこよくてみんな狙ってたのに!」
「ミシェルさんなんか無理やりロードさんが夜勤で詰所にいる時に会いに行ったらしいわよ」
「あー、あの一夜を共にしたって話?」
「知ってる知ってる」
ーーー二人の話を聞きながらどうしていいのかわからずわたしは木の陰に隠れて動けずにいた。
いつも優しい先輩達。失敗しても笑いながら許してくれた。食事にみんなで行った時も知らない男の人に絡まれて固まるわたしを助けてくれる。
大好きな先輩なのに……わたし……嫌われてたんだ。
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