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79話 ラフェ
◇ ◇ ◇ ラフェ
届いた薬をお医者様が確認して飲ませてくれた。
すぐに症状が改善されたとかすぐに意識が戻ったなんてことはなく、まだ意識は戻らない。
「先生、アルバードの意識は戻りますよね?」
「アル様の体はまだ毒が残されている状態です、その毒を完全に取り除くにはまだしばらく時間がかかると思います。大人には軽い麻薬でも子供にはかなりの負担がかかっています。それもこの症状はかなりの量を飲まされていますので。さらに体力も弱ってしまっています、治るにはまだまだ時間がかかると思ってください」
「そうですか……」
勝手に期待していた。薬を飲んだら
「おっかあしゃん!」とわたしの名前を呼んで抱きついてきてくれるなんて思っていた。
そんな訳がないのに……
結局わたしができることはそばにいてあげることだけ。
二日目の薬を飲ませた。
少し寝息の苦しそうな感じが落ち着いてきた。
意識は戻らないけど症状は改善されているのかもしれない。
ただ………もう薬がない。
グレン様が今こちらに急いで向かってくれているらしい。
アルバードを治すための薬自体がある訳ではなく、向こうにいる薬師さんが処方してくれていると聞いた。作るのにも手間がかかっているらしい。とりあえず二日分だけ急遽届けてくれた。
わたしは祈るようにグレン様の到着を待っていた。
彼に負担をかけて申し訳ないという気持ちでいっぱいだけど今はグレン様に頼るしかない。
「お食事をお持ちしました」
メイドさんが具沢山のトマトの温かいスープとサンドイッチを持ってきてくれた。
まだ胃がなかなか受け付けないので、軽めの食事が助かっている。
少しずつ胃に流し込むように食べた。アルバードが目覚めた時に抱っこしてあげられる体力をつけておかなければ、そう思えば食べられる。
アルバードの症状が落ち着いてくれば少し心も安定してアルバードの隣で眠ることが出来た。
翌朝……
まだ薬が届いていない。
グレン様が出発して七日目。
薬は飲み続けなければいけないらしい。空けても一日だろうと先生が言っていた。
明日までにグレン様は帰ってきてくださるだろうか?
疲れ切っているグレン様に頼ってばかりだけど、それでも祈るように窓から門の方へと視線がいってしまう。
時間は静かに過ぎていく。
アルバードのそばにただじっと座って見守るしか術のないわたし。
そしてグレン様をひたすら待つ。
もう一日が終わろうとしている。外は暗くなり明日には薬を追加しないとアルバードの症状はまた元に戻るかもしれない。
祈るしかない。
ふと部屋の外が慌ただしく感じた。廊下で何か声が聞こえる。
眠ることもできず静かにアルバードのそばに座っていたわたしは廊下へ顔を覗かせた。
すると………
「ラフェ!」
一番会いたかった人が目の前にいた。
ボロボロになって疲れ切っているのに、とても優しい笑顔でわたしに近づいてきたグレン様。
「……グレン様?」
「遅くなってすまない、急いで追加の薬を飲ませよう」
そう言うと部屋の中に入りわたしに薬を渡してくれた。
「ほら、急いで飲ませてやってくれ」
わたしの手に薬を持たせると水差しからコップに水を注いでくれた。
「ほら水!」
「は、はい」
アルバードの口に少しずつ粉薬を入れて水を少し含ませる。
意識がないアルバードに無理やり飲ませるのは大変だけどこれしか方法がない。
時間をかけてなんとか薬を飲ませた。
ーーー間にあった
アルバードがすぐに良くならないとわかっているので今は薬を飲ませて見守るしかない。
グレン様はアルバードの様子をそっと見た。
「遅くなってすまなかったな、アルのそばにいたいが俺はかなり汚い。とりあえず清潔にしてからアルに会いに戻ってくる」
「大変だったでしょう?ありがとうございました……グレン様、本当にありがとうございました」
頭を深々と下げてあげることができなかった。
だってグレン様の格好は汚れて目にクマができて疲れ果てている。
こんな酷い目に遭わせたのはわたし、なのにわたしったら昨日疲れて眠ってしまった。何にもしていない、ただグレン様に頼って待っていることしかできなかったのに。
「なんでラフェが謝るんだ?お前は何にも悪いことはしていない、顔を上げろ!頼むから泣かないでくれ」
「…………はい」
「はあ、泣かないでくれ、俺はラフェの笑った顔が好きだ。と、とにかく、風呂に入ってくるから!アルのそばにもラフェのそばにもこんなんじゃ近くに寄れないからな!」
グレン様は自分の姿を見て苦笑いをして部屋を出て行った。
「アル、グレン様が帰ってきたよ。
大好きなグレン様に会えたらアルも元気になるわよね?」
アルバードの髪の毛をそして頬をそっと触りながら話しかけた。
あと少し、もうすぐアルバードの笑顔に会える。
グレン様の顔を見たら、なんだかもう大丈夫だと安心することができた。
「アル!綺麗になったぞ!」
元気な声で部屋に入ってきたグレン様を後ろから執事さんが
「グレン様お静かに!」と注意しながら二人が入ってきた。
「ラフェ様、アル様のお顔が苦しそうにしていたのに今は穏やかな顔になっていますね。意識が戻るのもあと少しでしょう」
「皆様のおかげです、助けてくださって、優しくしてくださって本当に感謝しております」
「はあー、よかった……アルの可愛い笑顔に早く会いたいな」
グレン様はアルバードの顔を覗き込んでホッとため息をついた。
届いた薬をお医者様が確認して飲ませてくれた。
すぐに症状が改善されたとかすぐに意識が戻ったなんてことはなく、まだ意識は戻らない。
「先生、アルバードの意識は戻りますよね?」
「アル様の体はまだ毒が残されている状態です、その毒を完全に取り除くにはまだしばらく時間がかかると思います。大人には軽い麻薬でも子供にはかなりの負担がかかっています。それもこの症状はかなりの量を飲まされていますので。さらに体力も弱ってしまっています、治るにはまだまだ時間がかかると思ってください」
「そうですか……」
勝手に期待していた。薬を飲んだら
「おっかあしゃん!」とわたしの名前を呼んで抱きついてきてくれるなんて思っていた。
そんな訳がないのに……
結局わたしができることはそばにいてあげることだけ。
二日目の薬を飲ませた。
少し寝息の苦しそうな感じが落ち着いてきた。
意識は戻らないけど症状は改善されているのかもしれない。
ただ………もう薬がない。
グレン様が今こちらに急いで向かってくれているらしい。
アルバードを治すための薬自体がある訳ではなく、向こうにいる薬師さんが処方してくれていると聞いた。作るのにも手間がかかっているらしい。とりあえず二日分だけ急遽届けてくれた。
わたしは祈るようにグレン様の到着を待っていた。
彼に負担をかけて申し訳ないという気持ちでいっぱいだけど今はグレン様に頼るしかない。
「お食事をお持ちしました」
メイドさんが具沢山のトマトの温かいスープとサンドイッチを持ってきてくれた。
まだ胃がなかなか受け付けないので、軽めの食事が助かっている。
少しずつ胃に流し込むように食べた。アルバードが目覚めた時に抱っこしてあげられる体力をつけておかなければ、そう思えば食べられる。
アルバードの症状が落ち着いてくれば少し心も安定してアルバードの隣で眠ることが出来た。
翌朝……
まだ薬が届いていない。
グレン様が出発して七日目。
薬は飲み続けなければいけないらしい。空けても一日だろうと先生が言っていた。
明日までにグレン様は帰ってきてくださるだろうか?
疲れ切っているグレン様に頼ってばかりだけど、それでも祈るように窓から門の方へと視線がいってしまう。
時間は静かに過ぎていく。
アルバードのそばにただじっと座って見守るしか術のないわたし。
そしてグレン様をひたすら待つ。
もう一日が終わろうとしている。外は暗くなり明日には薬を追加しないとアルバードの症状はまた元に戻るかもしれない。
祈るしかない。
ふと部屋の外が慌ただしく感じた。廊下で何か声が聞こえる。
眠ることもできず静かにアルバードのそばに座っていたわたしは廊下へ顔を覗かせた。
すると………
「ラフェ!」
一番会いたかった人が目の前にいた。
ボロボロになって疲れ切っているのに、とても優しい笑顔でわたしに近づいてきたグレン様。
「……グレン様?」
「遅くなってすまない、急いで追加の薬を飲ませよう」
そう言うと部屋の中に入りわたしに薬を渡してくれた。
「ほら、急いで飲ませてやってくれ」
わたしの手に薬を持たせると水差しからコップに水を注いでくれた。
「ほら水!」
「は、はい」
アルバードの口に少しずつ粉薬を入れて水を少し含ませる。
意識がないアルバードに無理やり飲ませるのは大変だけどこれしか方法がない。
時間をかけてなんとか薬を飲ませた。
ーーー間にあった
アルバードがすぐに良くならないとわかっているので今は薬を飲ませて見守るしかない。
グレン様はアルバードの様子をそっと見た。
「遅くなってすまなかったな、アルのそばにいたいが俺はかなり汚い。とりあえず清潔にしてからアルに会いに戻ってくる」
「大変だったでしょう?ありがとうございました……グレン様、本当にありがとうございました」
頭を深々と下げてあげることができなかった。
だってグレン様の格好は汚れて目にクマができて疲れ果てている。
こんな酷い目に遭わせたのはわたし、なのにわたしったら昨日疲れて眠ってしまった。何にもしていない、ただグレン様に頼って待っていることしかできなかったのに。
「なんでラフェが謝るんだ?お前は何にも悪いことはしていない、顔を上げろ!頼むから泣かないでくれ」
「…………はい」
「はあ、泣かないでくれ、俺はラフェの笑った顔が好きだ。と、とにかく、風呂に入ってくるから!アルのそばにもラフェのそばにもこんなんじゃ近くに寄れないからな!」
グレン様は自分の姿を見て苦笑いをして部屋を出て行った。
「アル、グレン様が帰ってきたよ。
大好きなグレン様に会えたらアルも元気になるわよね?」
アルバードの髪の毛をそして頬をそっと触りながら話しかけた。
あと少し、もうすぐアルバードの笑顔に会える。
グレン様の顔を見たら、なんだかもう大丈夫だと安心することができた。
「アル!綺麗になったぞ!」
元気な声で部屋に入ってきたグレン様を後ろから執事さんが
「グレン様お静かに!」と注意しながら二人が入ってきた。
「ラフェ様、アル様のお顔が苦しそうにしていたのに今は穏やかな顔になっていますね。意識が戻るのもあと少しでしょう」
「皆様のおかげです、助けてくださって、優しくしてくださって本当に感謝しております」
「はあー、よかった……アルの可愛い笑顔に早く会いたいな」
グレン様はアルバードの顔を覗き込んでホッとため息をついた。
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