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4.私は嫌な女なのかしら

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楽しいことを考えましょう!


そう思ったけれど…
本当はずっと心に引っかかていることがある。


私って嫌な女なの?


エドアルド様は言っていたわ。私のせいだと。
優しさも思いやりもない賢しらな女。

そうなのかしら?

確かに思ったことは多少表現を和らげるけど我慢せずに伝えるわ。だって思ったことは言葉に出さなくては伝わらないでしょう?

勉強は新たな知識を得ることができるから楽しい。
知識が増えると今まで見えていなかったことが見えてきてどんどん視野が広がる感じが好き。
お父様とお兄様の会話についていけるようになると更に楽しくなった。

そういうのが自慢に聞こえた?
でも侯爵家に嫁ぐのですもの。知識は必要でしょう?



どんどん不安になっていく。

どうしよう…本当はみんな私のことが嫌いなの?

エドアルド様は優しい人だったわ。そんな方が言うのだもの。本当に私は嫌な女なのでは…




「リリアーナ大丈夫?
熱があったと聞いていたけどまだ体調が悪いのではなくて?顔色が悪いわ」


家では家族に心配をかけないように明るく振る舞っていたけど、ひとりになるとどうしても悪い考えに囚われてしまう。


婚約破棄後はじめての学園への道のりを馬車で揺られながら、いつの間にか暗い考えに浸ってしまい、そのまま無意識に教室まで歩いていたらしい。


クラスメイトのヴィオラが心配気な表情で話しかけてくれた。


「ヴィオラ…私どうしたら…」


最近涙腺の弱くなってしまった私は思わず彼女の優しさに縋ってしまった。

こういう優しさが足りなかったのかな?
それとも涙を見せるなど淑女としていたらない姿を晒す愚かさがダメだったの?

なんだかすべて自分が悪いような気がして涙が溢れてきてしまった。

「ちょっと⁉あなたが泣くなんて何があったの?
とりあえず人がいないところに移動しましょう」

突然泣き出した私に慌てながらも、小声で周りの目を引かないように連れ出してくれた。

本当に感謝!

「ごめんなさい、最近情緒不安定でだめなの…」

めそめそ泣きながら生徒会室に避難する。
この時間なら誰もいないはずだ。

私とヴィオラは共に会計と書記として役員を担っているためこの部屋を利用することができる。


「それで?何があったの?」

扉に鍵をかけてからヴィオラが問いかけてきた。

「…エドアルド様に婚約破棄されたの」

「は⁉」

うん、ヴィオラ。美人が台無しよ?

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