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14.その瞳の色は、
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「あの、……会長はライネーリ先生が苦手なのですか?」
「いや?生徒思いのいい先生だよね」
なんででしょう。とてつもなく胡散臭いわ。
「おい、令嬢がする顔じゃないぞ」
「あら、申し訳ありません。
素直な感情が表に出ていました」
「うん、君の正直なところは美徳だと思うよ。
いや、ん~違うな。別にごまかしたい訳じゃないんだ。
……先生とはね、幼い頃からの知り合いなんだよ。
彼は昔から人当たりはよくて。でも、どうしても壁を感じる人だった。それは僕……というか、うちの親族のせいなんだけど。それでももっと素直に人と触れ合ってくれたらいいのに、ともどかしく思っていたんだよ。
それなのに君が思ったよりも打ち解けてるみたいだから。そうだね、嫉妬かな?」
「もう!変な言い方をしないでください。聞く人によっては私に気があるように聞こえますよ。それこそ嫉妬されるからやめてください」
怒っている私を会長は楽しそうに眺めた。
「君のそういう所がいいよね。絶対に勘違いしないんだもの。生徒会メンバーの選出は正しかったな」
「はいはい、モテる男は大変ですね」
でも意外だわ。会長と先生が昔からの知り合いだなんて。ついマジマジと会長の顔を見てしまう。
確かに美形よね。頭も良くて顔も良くて家柄も良いなんてねぇ。でも知力はちゃんと努力して身に付けたものだし、公爵家という家柄に見合う行動を求められるプレッシャーをものともせずに笑っている彼は本当に凄い。
「あれ?そういえば先輩と先生って瞳の色が同じなんですね」
いや、まったく同じではないけど。先輩の方が紫が濃いかな?でも紫の瞳って珍しいわよね。
「……先生の目の色なんてよく気が付いたね」
「仮眠した時に眼鏡を外してたから……って何かマズイことを言いましたか?なんか怖いんですけど!」
会長から怖いオーラが出ている気がします!
「意外と敏いけど意外とお子様だから、気になった事はペロリと口に出しちゃうのか……困ったな。いや、別にもういいのか?」
なんだかよくわからないことをブツブツ言っている。はっきり言って怖い。そしてまた子供扱いされたわ。
「このことはしばらくは他言無用にしてほしい。なぜかという説明は先生からすると思う。お願いできるかい?」
「え?あ……はい、分かりました」
瞳の色が同じってそんなに知られたらいけないことだったの?確かに普段は眼鏡をしてるから分かりづらかったけど……あ、だから眼鏡をかけてるのかしら。
駄目だわ。きっと詮索するべきではないのだろう。忘れなくちゃ。
でも、先生の瞳はとても綺麗だった。
忘れたくないな……
「いや?生徒思いのいい先生だよね」
なんででしょう。とてつもなく胡散臭いわ。
「おい、令嬢がする顔じゃないぞ」
「あら、申し訳ありません。
素直な感情が表に出ていました」
「うん、君の正直なところは美徳だと思うよ。
いや、ん~違うな。別にごまかしたい訳じゃないんだ。
……先生とはね、幼い頃からの知り合いなんだよ。
彼は昔から人当たりはよくて。でも、どうしても壁を感じる人だった。それは僕……というか、うちの親族のせいなんだけど。それでももっと素直に人と触れ合ってくれたらいいのに、ともどかしく思っていたんだよ。
それなのに君が思ったよりも打ち解けてるみたいだから。そうだね、嫉妬かな?」
「もう!変な言い方をしないでください。聞く人によっては私に気があるように聞こえますよ。それこそ嫉妬されるからやめてください」
怒っている私を会長は楽しそうに眺めた。
「君のそういう所がいいよね。絶対に勘違いしないんだもの。生徒会メンバーの選出は正しかったな」
「はいはい、モテる男は大変ですね」
でも意外だわ。会長と先生が昔からの知り合いだなんて。ついマジマジと会長の顔を見てしまう。
確かに美形よね。頭も良くて顔も良くて家柄も良いなんてねぇ。でも知力はちゃんと努力して身に付けたものだし、公爵家という家柄に見合う行動を求められるプレッシャーをものともせずに笑っている彼は本当に凄い。
「あれ?そういえば先輩と先生って瞳の色が同じなんですね」
いや、まったく同じではないけど。先輩の方が紫が濃いかな?でも紫の瞳って珍しいわよね。
「……先生の目の色なんてよく気が付いたね」
「仮眠した時に眼鏡を外してたから……って何かマズイことを言いましたか?なんか怖いんですけど!」
会長から怖いオーラが出ている気がします!
「意外と敏いけど意外とお子様だから、気になった事はペロリと口に出しちゃうのか……困ったな。いや、別にもういいのか?」
なんだかよくわからないことをブツブツ言っている。はっきり言って怖い。そしてまた子供扱いされたわ。
「このことはしばらくは他言無用にしてほしい。なぜかという説明は先生からすると思う。お願いできるかい?」
「え?あ……はい、分かりました」
瞳の色が同じってそんなに知られたらいけないことだったの?確かに普段は眼鏡をしてるから分かりづらかったけど……あ、だから眼鏡をかけてるのかしら。
駄目だわ。きっと詮索するべきではないのだろう。忘れなくちゃ。
でも、先生の瞳はとても綺麗だった。
忘れたくないな……
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一気に読んでしまいました😅
続きをお願いします、待ってます😄
一気読みありがとうございます!
続きを希望していただけて嬉しいです。
続きをお読みいただけるように書き上げなきゃ!
頑張りますね!
あっちの離婚も、こっちの進展も楽しみです!
感想ありがとうございます。
あっちの離婚が終わったら続きを書こうと思っています。また再開しましたらお読みいただけると嬉しいです。
一気に読みました!今後話が続いてくれると嬉しいです。楽しみに待っていまーす!
感想ありがとうございます。
本当に初めて書いた小説なので、続きを希望してくださるなんて本当に嬉しいです。
また続きを書きたいと思っていますので、よろしくお願いします。