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トーマスと仲良くなりました
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マロンはロイドに話した時のように説明した。
トーマスは黙って最後まで話を聞いてくれた。
「まずは君を悪女だと決めつけたことを謝罪させてくれ。すまなかった」
「いえ…謝らないでください」
マロンは初めて理解者を得られたことに喜びを感じた。
「君がヘンリー様と別れたいと聞いて、まともな倫理観の持ち主だと気づいたよ」
「ありがとうございます」
「ただヘンリー様のプライドの高さを考えると、危ないな。平民から振られるなんて現実を受け入れられるとは思えない」
「でもこのままだとヘンリーと結婚する流れは変わりません。ヘンリーと結婚したら災いが来そうで怖いのです」
トーマスはマロンのこの発言に驚いた顔をした。
「災いって…。普通は王子と結婚できるなんて、しかも伯爵令嬢よりも自分を選んでもらったなんて、浮かれて周りが見えなくなりそうなものだけどな」
「そうですか?」
マロンは(まあ、前世の記憶が蘇るまでは浮かれっぱなしだったけどな)と思った。
「とにかく今はマーガレットに婚約破棄を言い渡す前の態度でヘンリーに接するんだ。今の君は思っていることがすべて態度に出ていて危険すぎる」
トーマスは純粋に心配してくれているようだ。
「はい!」
トーマスは時計を見るとハッとした表情になった。
「すまない、これから予定があるんだ。今日はここで失礼する。また会おう!君のことが分かってよかった」
「私も!」
まさか小説を読んだときには印象に残らなかったトーマスとここまで話せるなんて!
とマロンは喜んだ。
ーー
「…あの女、ヘンリーだけでなく、トーマスまで誑かしやがった」
物陰から誰かが呟いた。
トーマスは黙って最後まで話を聞いてくれた。
「まずは君を悪女だと決めつけたことを謝罪させてくれ。すまなかった」
「いえ…謝らないでください」
マロンは初めて理解者を得られたことに喜びを感じた。
「君がヘンリー様と別れたいと聞いて、まともな倫理観の持ち主だと気づいたよ」
「ありがとうございます」
「ただヘンリー様のプライドの高さを考えると、危ないな。平民から振られるなんて現実を受け入れられるとは思えない」
「でもこのままだとヘンリーと結婚する流れは変わりません。ヘンリーと結婚したら災いが来そうで怖いのです」
トーマスはマロンのこの発言に驚いた顔をした。
「災いって…。普通は王子と結婚できるなんて、しかも伯爵令嬢よりも自分を選んでもらったなんて、浮かれて周りが見えなくなりそうなものだけどな」
「そうですか?」
マロンは(まあ、前世の記憶が蘇るまでは浮かれっぱなしだったけどな)と思った。
「とにかく今はマーガレットに婚約破棄を言い渡す前の態度でヘンリーに接するんだ。今の君は思っていることがすべて態度に出ていて危険すぎる」
トーマスは純粋に心配してくれているようだ。
「はい!」
トーマスは時計を見るとハッとした表情になった。
「すまない、これから予定があるんだ。今日はここで失礼する。また会おう!君のことが分かってよかった」
「私も!」
まさか小説を読んだときには印象に残らなかったトーマスとここまで話せるなんて!
とマロンは喜んだ。
ーー
「…あの女、ヘンリーだけでなく、トーマスまで誑かしやがった」
物陰から誰かが呟いた。
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