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「第四話 邪悪哄笑 ~魔呪の虜囚~

17章

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 「はあぐうぅぅッッ!!! あッッ・・・ぐああああああ・・・」
 
 「ユリアくん、君はここで死ぬのです。前回は逃がしましたが、今日こそ地獄に落ちてもらいますよ」
 
 醜悪なヘドロ状の皮膚に包まれた、タコの怪物が愉快げに宣言する。腐敗臭漂う吸盤つきの触手は、ユリアの四肢を刺し貫き、少女戦士の戦闘力を完全に奪い取っていた。さらに残る四本の触手が、幼い戦士を葬るべく、その華奢な肢体に迫ろうとしている。
 
 「ユ・・・ユリアッッ―――ッッッ!!!」
 
 絶望に打ちひしがれていた紫の戦士が、仲間の窮地に奮い立つ。崩れ折れた膝に力を込め、再びファントムガールは立ちあがろうとする。だが、その耳元にピタリとくっつく魔豹の牙だらけの口。
 
 「さとみィィ~~、あんたは喚いてな♪」
 
 マヴェル必殺の破壊の調べが、脳にダイレクトに叩きこまれる。
 
 「うあああああああああああああッッッ――――ッッッ!!!!」
 
 超音波による震動で、肉体を構成する細胞が、原子レベルで崩壊していく。狂ったようにもがき苦しむ守護天使。その銀色の皮膚に亀裂が入る。ただ表面上に切れているのではない、肉体そのものが破壊されているのだ。身体中に入ったヒビからは、やがて鮮血とともに、聖少女にわずかに残された光が噴き出ていく。
 
 “ああああッッッ・・・・・・がああああッッ・・・・・・か、勝て・・・・ない・・・・も、もう・・・・・・・・力が・・・・・・・でな・・・・い・・・・・・・・”
 
 傷付いた聖天使二人に対して、悪鬼は四匹。
 しかも、里美の距離を取ろうとした作戦は、結果として最悪の状況を生んでいた。ファントムガールとユリアは離れ離れになり、それぞれの天敵が相手。加えて、1対2という数的不利。
 
 “・・・も・・・う・・・・・・・・勝ち目は・・・・・・・・・・”
 
 瞳から青い光が消える。
 耳元から破壊の歌を存分に聞かされ、肉体を破壊された紫の戦士は、度重なる責め苦の前に、ついに失神してしまった。
 
 「あーっはっはっはっ! 正義の味方さ~ん、これぐらいで寝れると思ったらぁ~~、あ・ま・い・わよォ~!」
 
 「ファントムガールは・・・・・・・・破壊する・・・・・・・」
 
 不気味な黒衣の魔女が、懐から紫の模様がついた人形を取り出す。一旦は呪い返しにより、逆襲を成功させたファントムガールだが、エネルギーを奪われ尽くした今は、そんな力はどこにもない。文字通り、操り人形として魔女の思うがままになるしか、美しき少女には選択肢はなかった。
 
 地面と平行に身体を傾け、そのままの姿勢で高く持ち上げられる人形。
 同じように、気絶した聖少女の肢体が、仰向けの体勢で天高くふわふわと舞いあがっていく。脱力した長い手足と、金色のボサボサになった髪が、ダラリと重力に引っ張られ、垂れ下がる。死んだように動かない銀の天使は、そのまま遥か上空、雲に届くのではないかと思われるほど、吊り上げられていく。
 
 「さぁ~~て、面白いこと、しちゃおっかなぁ~~♪」
 
 ある建造物に、悪の塊である女豹は視線を飛ばす。それはマンションであった。高さは巨大化した自分の胸あたりまで、面積はベッドとして使うには、手足が収まらず、やや狭いぐらいか。少し大きめの洗濯機、といった感じの直方体のビル。
 
 熊手と見紛うほどに凶悪に長い爪を持った両手を、マンションに向けて差し出すや、暗黒の光線を発射する。爆発は、しなかった。代わりに黒い靄に包まれていく、直方体のマンション。鮮やかなレンガ色が、腐敗したかのように黒く変色していく。
 優雅なラインを描くヒップを見せる女神が、上空で黒いビルの真上に移動させられる。痙攣すらしない身体は、侵略者による処刑のプログラムが、着々と進んでいることを教えるようだ。
 
 魔女が人形を、真下に振り下ろす。
 芸術的なラインを誇る美少女戦士の肉体が、重力をはるかに凌駕するスピードで落下する。
 直方体のマンションに向かって。
 
 ベッッキイイイイイイッッッッッッ・・・!!!!
 
 「ッッッ!!!! ゴボボアアアアアッッッッ――――ッッッッッ!!!!」
 
 背骨を砕けんばかりに強打し、形のいい唇から粘着質な血塊が、大量に吐き出される。
 黒いビルは、ちょうどファントムガールの肩甲骨からお尻までを支え、そこより先は凄まじい勢いで叩きつけられたために、逆方向に折り曲がってしまっていた。
 あまりに酷い、バックブリーカー。背骨折り。
 コの字を縦にしたような形で肢体を反らされた女神は、ビクビクと痙攣しながら血を吐き続ける。
 
 「あははははは! おなかいたーーい、オモシロすぎるぅ~~! なんて惨めなのォ~~、この女はぁ~~! ど~~う、さとみィィ~? まいった、するぅ~~?」
 
 ガクリと逆さまに垂れ下がった美しいマスクを蹴り、憎き宿敵を嬲る魔豹。背骨の折れる強烈な痛みに覚醒したファントムガールの口からは、溢れ出た血が顔全体を網の目状に汚している。処刑台にさらされ、グッタリと脱力しきった身体で震えつつも、まだ銀の少女からは矜持は失われていなかった。
 
 「はぐッッ・・・・・・はッ・・・・・・・あ・・・・あなたたち・・・・・に・・・は・・・・・負け・・・・・・ない・・・・・・・わ・・・・・・・・・」
 
 「はい、二発めぇ~~!」
 
 ズボリ、という音を残し、折れ曲がった銀の肉体が、黒いビルから引き抜かれる。魔女は再び人形を使い、ファントムガールを同じ高さに運んでいく。
 
 「今度はお腹がいいなぁ~~」
 
 マヴェルの楽しそうなリクエストに応えて、聖少女の肉体は、グルリと反転するや、下を向く格好にさせられる。
 
 「あ・・・・・ああ・・・・・・うううぅぅ・・・・・・・・・」
 
 「あはは! なに、辛そうな顔してんのよォ~~! 正義の味方が敵にそんな顔みせちゃダメでしょォ~~! マリー、お仕置き♪」
 
 人形が急降下する。
 悪魔の力に囚われた銀の天使が、なすすべなく漆黒の巨大な杭に打ち込まれる。
 
 ドボオオオオオオッッッッッ・・・!!!!
 
 「ぐぶうううううううッッッッ―――ッッッ!!!!」
 
 先程とは逆に、海老のように丸まる守護天使。
 ブチブチッッミチミチィィッッ・・・という腹筋が裂ける悲鳴が響き、スレンダーな肢体の、どこにこれだけの血が、と思うほどの吐血が滝になって口を割って出る。積み重なったダメージで吹っ飛びそうな意識と、失神すら許されぬ激痛のせいで、青い瞳が点滅を繰り返す。
 
 “あ・・・あああ・・・・な、内臓が・・・・潰れた・・・・・・・背骨が・・・・折れて・・・・・しまう・・・・・・・・・・”
 
 黒いビルの上で、無様なまでに震えてしまう聖戦士。その姿は串刺された贄を彷彿とさせる。
 
 「このビルには闇のエネルギーを、た~~っぷりと注いだからねぇ~。光の戦士さんにとっては、凶器みたいなもんでしょォ~~? さ、まいった、するぅ~~?」
 
 美貌の戦士が悶絶する様を、ケラケラと笑って眺める豹の悪女。黒いビルが、何故巨大少女の重みで崩れないのか、激しいダメージを与えるのか、種明かしをする。この世で一番憎い女が、苦しみ悶えるのは、なににも勝る快感だった。
 すでに相当のダメージがある肉体を、さらに叩き潰される拷問にあっても、ファントムガール・五十嵐里美は戦士であることを辞めようとはしなかった。
 
 「・・・・・わ・・・・私・・・・・・・は・・・・・・・・・ま、負け・・・・・・・な・・・・・・い・・・・・・・」
 
 「はい、3発目ぇ~~」
 
 腹部を突き刺す漆黒のマンションから引き抜かれた身体が、またも宙に浮んでいく。
 絶望感に満ちた哀しげな顔がゆっくり上がっていくのを、魔豹は涎が垂れそうに興奮した面持ちで、ずっと見つめ続けた・・・・・・
 
 「どうだ、ユリア。いくら貴様が柔術を極めようと、この体勢からはどうにもできまい」
 
 「ハァッ、ハァッ、ああッッ・・・・うううッッッ・・・・」
 
 タコと異常な偏愛者のキメラ・ミュータント「クトル」の触手に四肢の根元を貫かれ、鮮血に染まった黄色の戦士、ファントムガール・ユリアの小ぶりな乳房を、青銅の魔人メフェレスは、丹念に撫で回していた。若い肉体は、弾力に富み、小さくても確かな手応えを掌に伝える。官能のエネルギーの象徴ともいうべきピンク色の光で包んでやると、ウブな少女とは思えない激しさで、ユリアは感じまくった。
 
 クトルによる媚薬入りの精液を、膣内に濁流のごとく浴びてしまった少女は、その感度を強制的にクライマックスにまで開発されてしまったのだ。反面、ろくな知識ももたない真面目な少女は、そのかつてない感覚に翻弄され、屈辱と羞恥と罪悪感と、それら全てを上回る悦楽の海に、精神を崩壊されかけていた。
 
 なだらかな丘陵の真ん中に、小豆のような突起が浮き出ている。悪虐の魔人は、時々この先端をこねて、磔の少女が鳴くのを楽しんでいた。
 
 「ひゃぐううッッ!! ・・・・・ふひゃああッッ!! ・・・・や、やめて・・・・手を・・・手を離してください・・・・・・・」
 
 ユリアの懇願を無視し、桃色の手が激しく突起をこねまわす。
 
 「うふへぇぇあああッッ!! ・・・・・・へぶッッ・・・・ふひゃあああッッ!! やめ、やめてぇぇ~~~ッッ!!! く、狂っちゃうぅぅ~~ッッ!!」
 
 ブンブンと、首が飛びそうにかぶりを振る黄色の天使。暴れるたびに傷口が開き、滴る血の量が増す。
 
 「なにを言ってるんですか、これからが本番ですよ、ユリアくん」
 
 すっかり疼いてしまったユリアの股間から、ハチミツのような粘度を持った愛液がトロ~~リと垂れ落ちる。それはメフェレスの愛撫が始まって以来、ずっと続いていた。さんざん濡れそぼった少女の秘園に、残る四本の触手のうちのひとつが突き入れられる。
 
 ドシュウウウウッッッ!!! ブチュルッ、ブチュブチュブチュッ・・・
 
 熱い粘液を掻き乱す、淫靡な音楽。貫かれる衝撃に仰け反る聖なる少女が、銀色の首を見せる。
 
 「うひゃあああッッ?!! ぐああああああああッッッ――――ッッッ!!! やめてッやめてッやめてッ!!! やめてくださいィィィッッ―――ッッッ!!!」
 
 クトルの触手、それは闇と官能のエネルギーにどっぷりと浸かった、ファントムガールにとっては最悪の物質であった。8本の触手は、手であり、足であり、生殖器でもある。ある時は槍となって鋼鉄を貫き、ある時は吸盤からエネルギーを吸い取り、ある時は怪物の陰茎と化して媚薬と毒の混じった精液を噴射する。硬軟自在、伸縮自由、腐敗臭漂う粘液は、人間が浴びれば骨まで腐って溶解するか、常軌を逸した快楽に発狂死するかだ。
 そんな恐るべき悪魔の触手を、今、黄色の聖少女は、その幼い肉体で満身に受けようとしているのだ。
 
 「あたたかい・・・穢れを知らぬ美少女の膣内は、なんと温かいんでしょう・・・よく濡れているので、どこまでも入っていきそうです」
 
 ズブリュウッッ!! ブチャアッブジュルルルルッッズブブブ・・・・
 
 回転しながら襞の奥底へと進んでいく触手が、ユリアの排出した透明な液体を泡立てて、艶かしい調べを奏でる。メフェレスによる嬲りで感度を全開にさせられた少女には、たまらない快楽が、下腹部から全身に向かって駆け巡る。
 
 「あああああッッ――――ッッ!!! ・・・・・・なかにィッッ!! 中にいいィィッッ―――ッッ!!! これ以上はやめてえええェェェ~~~~ッッッ!!!!」
 
 黄色の少女の嘆願を無視し、どんどんと秘裂の中へと触手は侵入していく。
 程なくして触手は、最深地へと到達し、そこで新たな動きを見せる。
 触手についた肌色の吸盤。無数についたそれらが、少女の聖なる洞窟の内部にピタリと吸いついたのだ。
 次の瞬間、劣情に燃える下腹部の芯から、聖少女のエネルギーが容赦なく吸収される。
 
 ズギュリュリュリュリュッッ!! ズボボボボボッッッ!!!
 
 「ふへああああッッッ――――ッッッ!!! エ、エナジーがああああッッッ――――ッッッ!!! こッ、こんなああッッ~~ッッ、こんなあああッッッ―――ッッッ!!!!」
 
 ビカビカッッと、銀の皮膚が数度発光したかと思うと、ユリアの胸の中央に輝くクリスタルが、ゆっくりと点滅を開始する。
 しかし、クトルの責めは、まだ序盤に過ぎなかった。
 
 ユリアの膣内全てに埋まった醜悪な触手が、恐るべき速度で、ドリルのように回転する。
 
 ドギュッルルルルルリュリュリュッッッ!!!
 
 「うひいやあああああああッッッ――――ッッッ!!!! 狂っちゃうぅぅぅ~~~ッッッ!!! 狂っちゃいますううぅぅぅッッッ~~~ッッッ!!!! もう許してえええぇぇぇッッ~~~ッッッ!!! 許してくださいいいィィィッッッ――――ッッッ!!!!」
 
 壮絶な陵辱地獄に、戦士としての誇りを奪われたユリアが泣き叫ぶ。もはや正義と悪の闘いではない。高校一年の女子高生を、百戦錬磨の変態教師が、思うがままに貪っているだけだ。
 大の字の姿勢でよがり狂う黄色の少女に、仕上げの一撃が踊りかかる。
 
 「ユリアくん、最高の絞めつけ具合、そして悶えぶりです。こんなにもよがり、苦しんでくれて、先生は幸せですよ! さあ、たっぷりと先生の放出を食らいなさい。君が私の奴隷である証拠としてね」
 
 収縮運動と回転運動で、たっぷりと刺激された男根を兼ねる触手が、媚薬と毒液の混ざった迸りを、ジェット噴射の勢いでユリアの奥深くにたたき込む。
 
 「いやあッッ、いやあッッ、いやあああああッッッ―――ッッッ!!! ふうぎゃあああああああッッッ―――――ッッッッ!!!!」
 
 ブバッシュウウウウウッッッ―――ッッッ!!!!
 
 聖少女のクレヴァスから、ロケットの噴射口並の激しさで、濃緑の液体が吐き出される。
 固定された少女の身体が弓なりに仰け反り、官能の怒竜に貫かれる間、哀れに痙攣し続ける。
 やがてクトルの肉欲の放射を、一滴残らず注ぎ込まれた黄色の少女は、瞳の光を失って、ガクリと身を、貫く触手に預けた。
 開きっぱなしの口から溢れる涎と、開いた傷口から滴る血と、延々と涌き出る愛液と・・・様々な体液を垂れ流して、ボチャボチャと生臭い音を、テレビの向こうの視聴者に伝える。
 
 全身を貫かれ、二匹の魔人に弄ばれた挙句、辱められて昇天した姿は、希望を託す人類に、正邪の勝敗をわかりやすく教える。
 だが、淫欲の塊であるタコの怪物は、まだ満足していなかった。
 
 秘所に触手を突き入れたまま、6本目の触手をユリアの後ろの穴に突き刺す。
 太い触手の侵入に、ミチミチミチ・・・と狭穴が裂けていく。その壮烈な激痛は、白い世界に飛んでしまった磔戦士の意識を戻すには、充分だった。
 
 「今度はこちらを楽しみますか」
 
 肉襞を荒したのと、同じ順番で少女のアナルが汚される。
 体内深くまで突き入れられ、エナジーを吸収され、回転によりたっぷり刺激を受けた末に、腐敗した精液を腹が膨らむまで浴びる。メフェレスに双房を遊ばれ、前の穴も責められつつ、だ。
 ユリアは泣き叫んだ。懇願した。許しを乞うた。
 青銅の魔人とタコの怪物に嘲笑され、悶える様子を存分に楽しまれたうえで、先の失神を再生するように、果てた。
 濃緑の粘液と、己の体液で濡れ光った少女に向かい、クトルは困ったように語りかける。
 
 「う~~ん、ユリアくん。もう限界なんですか? まだ私の触手は二本あるというのに」
 
 「起きろ、小娘」
 
 メフェレスが悦楽世界に溺死したユリアに、黒い破壊光線を浴びせる。突然の死滅の痛みに、黄色い天使は無様な鳴き声をあげて蘇生する。
 
 「ふへあ・・・・あ・ああ・・・・・・も・・もう・・・・もう・・・・・・・」
 
 「いい顔ですねえ、その絶望の相は、可愛らしいあなたにピッタリですよ。あと二本の触手、どこに入れて欲しいですか?」
 
 「!! やめッ・・・やめてぇぇ・・・・・・・・もう・・・・・・許してくださいィィ・・・死んじゃいますうぅぅ・・・・・・」
 
 「一本は口で決まりですね。もうひとつは・・・そうだ、その下腹部のクリスタル、どうやらあなたたちファントムガールは、ひどく感じてしまうようで」
 
 「!!! いやッ、いやあああッッ!!!」
 
 「ユリア、貴様の胸は少々ボリュームが足りないようだな。すでに飽きたわ。こんな半端なものはいるまい、オレが破壊してやろう」
 
 「そんなッッ!! やめてぇッ、お願い、やめてくださいィィッッ!!!」
 
 「クトル、3つ数えたら一斉に全力で嬲るぞ。小娘がどんな狂態を見せるか、楽しみだ」
 
 「それは面白そうですね、メフェレスくん。発狂するか、悶死するか・・・そんなユリアくんの姿も是非見てみたい」
 
 メフェレスの両手が、なだらかな少女の隆起を包む。触手のひとつが口に迫り、もうひとつが下腹部のクリスタルに吸いつく。
 クライマックスに向けての準備が完了する。
 
 「や、やめ、やめてぇぇぇえッッ・・・・・・お願いですうぅぅッッ・・・・・・これ以上はやめてぇぇぇッッ!!!」
 
 必死の形相で救いを乞うユリア。ファントムガールは涙を流せないが、それが泣き顔であることは明らかだった。今、変身を解けば、涙でグショグショになった西条ユリの顔が現れるだろう。
 ユリアの悲痛な叫びに至福を感じながら、青銅の悪鬼は天使昇天へのカウントダウンを始める。
 
 「3・・・2・・・・・・」
 
 「!!! 助けてえええッッッ―――ッッ!!! 里美さんッッ、助けてえええぇぇッッ―――ッッッ!!! お姉ちゃああ――――んんッッッ!!!」
 
 「1・・・・・・・・・・・・・・0!」
 
 ピンク色の発光が闇夜を裂く。
 胃に到達する勢いで触手が口腔を貫き、子宮でもあるクリスタルに毒液が噴射される。前後の穴を埋めた触手が、腹も裂けよと回転する。
 
 「!!!!ッッッ・・・んんんッッッッ―――――ッッッッッ!!!!!」
 
 淫辱にまみれた天使の、悲痛な絶叫が、灰色の大地に響き渡った。
 
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